- 2024-12-3
- メンタルの話
こんにちは、中西です。
今回は「感謝の効果シリーズ」の第3回です。
ウォーキングが肉体へのアプローチからの万能薬であるように、感謝は精神面からの万能薬だと私は考えています。
これまでのシリーズでは、第1回で
「感謝の気持ちを持つことで死亡リスクが低下し寿命が延びる」
可能性があるという研究、第2回で
「感謝が睡眠の質を向上させる」
という研究をご紹介しました。
第3回の今回は、立命館大学と国立研究開発法人情報通信研究機構の共同研究をご紹介します。
結論から言うと、
【 1日1回感謝の記録をつけることで、勉強のモチベーションが向上する 】
ということが判明しました。
▼参考:日々の感謝を記録することが学習モチベーションを向上させる(立命館大学)
https://www.ritsumei.ac.jp/file.jsp?id=497623&f=.pdf
過去の研究では、自分に良いことをしてくれた人に「感謝の手紙を書いて渡す」ことで学習モチベーションが向上するかどうかを調べた実験が行われていました。
しかし、この実験では学習モチベーションの向上は見られませんでした。
その理由として、「感謝の手紙を一度書くだけでは、感謝の感情が大きく変化しないためではないか」と議論されていたようです。
そこで、今回の共同研究では感謝について一度考えるだけでなく、
2週間にわたって毎日「感謝したこと」や「感謝した人」について記録する「感謝日記」を活用した実験
が行われました。
この研究グループは独自のクラウドシステムを開発し、感謝日記を記録すると同時に、学習モチベーションなどの心理的な変化を測定できる仕組みを作りました。
その結果、感謝日記を毎日記録することで学習モチベーションが向上することが明らかになりました。
さらに、この効果は2週間の感謝日記の記録を終えた後も、1ヶ月後や3ヶ月後まで持続することが確認されました。
簡単にまとめると、感謝の手紙を一度書いただけでは勉強の意欲は高まりませんでしたが、
2週間、毎日1回感謝日記をつけることで勉強の意欲が高まり、その効果は3ヶ月間も維持されました。
今回の実験では「学習モチベーション」を対象にしていましたが、
この効果は勉強に限らず、仕事、習い事、プライベートなど他の分野にも応用できる可能性が高いと考えられます。
最近、モチベーションの低下を感じている方は、感謝の気持ちを持ち、
さらにそれを1日1回振り返って記録する「感謝日記」を2週間ほど続けてみると良さそうです。
よかったら参考にしてみてください。
※参考:Enhanced academic motivation in university students following a 2-week online gratitude journal intervention
https://bmcpsychology.biomedcentral.com/articles/10.1186/s40359-021-00559-w
立命館大学「日々の感謝を記録することが学習モチベーションを向上させる」 グローバル教養学部の山岸典子教授が共同研究で明らかに
https://www.ritsumei.ac.jp/news/detail/?id=2088
立命館大学プレスリリース:日々の感謝を記録することが学習モチベーションを向上させる ~2週間の「感謝日記」の効果は、3か月後でも維持される~
https://www.ritsumei.ac.jp/file.jsp?id=497623&f=.pdf
https://www.ritsumei.ac.jp/profile/pressrelease_detail/?id=457
日々の感謝を記録することが学習モチベーションを向上させる(国立研究開発法人情報通信研究機構)
https://www.nict.go.jp/press/2021/05/13-1.html
感謝日記の効果とは?感謝の気持ちが学習モチベーションを向上させる【立命館大学・山岸典子教授】 – Wellulu
https://wellulu.com/gratitude/motivation/4391/