- 2024-11-16
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こんにちは、中西です。
私が運営するコーチングプログラムでは、毎週メンバーの皆さんに、
その1週間でやるべき重要なタスクを目標として設定していただいています。
最近、ちょっと変わったタスクを設定している女性の方がいらっしゃいました。
そのタスクとは、
「自分の寿命はあと1年だと思い込む」
というものです。
毎日そのように思い込むことができたと感じたら、専用のアプリにチェックを入れ、1週間でどれだけ思い込めたかを確認しています。
このタスクの意図を伺ったところ、「時間を大切にする意識を高める」ことにあるようです。
数週間前からこのタスクを毎週の目標に設定されていて、最初は「寿命はあと5年と思い込む」という内容でした。
しかし、5年では少し長く、十分に意識できたということで、次の週には「寿命はあと3年」に変更されました。
その後、3年の設定を経験した結果、現在は「寿命はあと1年」に縮めて取り組んでいらっしゃいます。
このタスクがどのような効果を生むのか聞いたところ、その方によると、
「例えば何かのイベントや飲み会に誘われたとき、『自分の寿命があと1年だったら参加するか?』という基準で判断します」
とのことでした。
これは言い換えると、限られた時間の中で何を選び、何を後悔しないかを基準にする、ということだと思います。
このような判断基準を持つことで、日常生活の中で時間の使い方を見直すきっかけになるようです。
私自身も最近、似たような考え方を持つようになりました。
昔から「いつまでもあると思うな、親とカネ」ということわざがありますが、幸い今のところ私の両親は健在です。
しかし、いつまでも生きているとは限らないという前提を持つことで、親からの要望には基本的に「イエス」で答えるようにすることにしました。
これは、亡くなった祖父母に対して感じているいくつかの後悔が影響しています。
先程のメンバーさんの「残り寿命が短いと思い込むことで、時間を強く意識して、行動するかどうかの基準を持つ」ことと本質的には同じかなと思います。
祖父母に対する後悔も含めて、私が後悔しているほとんどのことは、
「もっとやっておけばよかった」
という、やらなかったことへの後悔が多かったです。
実は世界各国の調査や研究でも、
【 人間は「やらなかった後悔」の方が「やった後悔」よりも深く、長く心に残る傾向がある 】
ことが明らかになっています。
アメリカで長年のベストセラー作家であり、経営思想家としても有名なダニエル・ピンク氏も、
最近出版した「後悔」に関する書籍の中で、この傾向について触れています。
(ダニエル・ピンク著『THE POWER OF REGRET 振り返るからこそ、前に進める 「後悔」には力がある』かんき出版)
ピンク氏は、この本を出すために、世界中の1万6千人以上の後悔を調査した結果、
「行動しなかった後悔は、行動した後悔の約2倍にもなる」
という研究結果を発表しています。
また、アメリカ以外の調査でも、中国、日本、ロシアなど、個人主義的傾向が比較的弱い社会においても、
「行動しなかった後悔」の方が目立つことがわかったそうです。
研究者によると、これは、行動しなかった場合には「結果が明らかにならない」ため、想像が膨らみやすく、後悔の感情が深く長引くからだとされています。
私自身も振り返ると、その昔気になる女性にアプローチして撃沈したことがありますが笑、そのことを後悔したことはほとんどありませんヽ(´▽`)/
「もっとこういう風にアプローチすればよかったかも」ぐらいの“反省”はありますが、後悔という感じではないです。
むしろアプローチしなかったら一生後悔していたと思います。
ダニエルピンク氏の後悔本を紹介した以下の記事では、人間関係や恋愛や仕事や旅行などのプライベートで後悔している世界各国の人たちの話が紹介されていますが、
そのほとんどが「やらなかったことに対する後悔」です。
参考:やった後悔とやらない後悔のどちらが尾を引くか~もっと冒険しておくべきだったと嘆く人は多い(経営思想家ダニエルピンク、東洋経済)
https://toyokeizai.net/articles/-/721867
16000人以上の「後悔」を調査したダニエル・ピンク氏が語る、人生で避けるべき最大の後悔とは? | 進化する組織 | ダイヤモンド・オンライン
私自身はキャリアにおいても、比較的人生の早い段階で独立し、自分のビジネスを始める選択をしました。
その際に、20代に読んだフリーランスライターのオバタカズユキさんの『何のために働くか』という本が大きな影響を与えました。
この本の中で、オバタさんは会社を辞めて独立した経験について語り、
「独立して大変なことは山ほどあったけど、大きな声では言えないが、会社を辞めたこと自体を後悔したことは一度もない。自分でも驚くが、全く後悔していない」
という趣旨のことを述べていました。
また、彼がインタビューした人々の中にも、会社を辞めたことを後悔している人はほとんどいなかったと記されていました(たしか)。
この一文が頭に残っていたおかげで、私も組織で働く生き方を辞めるときに、ほとんど悩まずに決断できました。
結果として、組織で働く人生を選ばず、自分のビジネスを始めたことを、今でも全く後悔していません。
会社員をやっていればよかったとか、大企業に就職できていればよかったとか、そういう後悔は全くないです。(あくまで私の場合の話。念のため)
もちろん大変なことも多かったですし、今後も大変なことだらけでしょうが、
それ以上に組織人に全く向いていない自分自身に合ったキャリアを築けたと感じています。
確かに会社員(特に有名大企業の社員)なら、その様々なメリットを最大限享受できて、もっといい人生だった可能性も当然あるわけですが、
その可能性を踏まえても、なぜか自分自身のこれまでのキャリアには、全然後悔がありません。
結論として、人間は「やったことの後悔」はあまり引きずらず、
「やらなかった後悔」を引きずりやすい生き物のようです。
もし何か迷っていることがある場合は、「やらない選択肢」ではなく、多少リスクがあっても「やる」方を選ぶ方が、
最終的には後悔しない可能性が高いと思います。
後悔したとしても、心理的なダメージは「やらなかった後悔」よりずっと少ないはずです。
先述の通り、良いも悪いも、「結果が出る」のだから。
過去の自分の経験からも、世界中の後悔に関する多数の調査結果からも、どうやら人間は
「やった後悔は小さくて済む」
という心理メカニズムになっているようです。
判断に迷う際には、参考にしてみてください。