こんにちは、中西です。
机に向かって勉強や仕事をするとき、
「休憩の取り方」
は生産性を高めるために重要なポイントです。
その際に、よく言われる注意点のひとつが、休憩時間にスマホを見続けることです。
状況にもよりますが、スマホを見ていると頭が働いたままになるため、休憩としてのリフレッシュ効果が得にくいことも少なくありません。
また、そのような結果が出ている研究も複数あります。
ところが今月、海外の教育関係の学術誌に掲載された研究によると、
【 休憩中にスマホを見ることが、その後の生産性を高める場合がある 】
ことがわかりました。
※参考:本メール下部に記載
この研究はアメリカの南イリノイ大学によるもので、
大学生を対象に1学期間、22回の講義のデータを収集したものです。
実験では、学生を2つのグループに分け、1つ目のグループには1分間、2分間、4分間の3種類の休憩を設け、休憩中はスマホを使用して良いとしました。
このグループは「テクノロジー休憩」のグループとされました。
もう1つのグループも同様に1分、2分、4分の休憩をとりましたが、こちらはスマホを使用せず、質問のみ許可するルールにしました。
このグループは「質問休憩」のグループとして、対照群とされました。
この1学期間にわたる実験の結果、
休憩中にスマホに触れたテクノロジー休憩のグループは、質問休憩のグループに比べ、
「講義への集中度が高まる」
傾向が見られました。さらに、
「テストの成績」
もテクノロジー休憩のグループの方が良かったことがわかりました。
特に、「1分間」の休憩を取った学生が最もテストの成績が良く、講義中にスマホに触れる頻度も最も少なかったそうです。
短い休憩時間の方が効果的だった理由について、研究者は
「1分程度の休憩であれば、効率よくメッセージをチェックしたり簡単な返信ができるため、リフレッシュされやすいのではないか」
という趣旨のことを述べています。
逆に、4分程度の休憩があると、複数のメッセージを確認するなどして、その内容が気にかかってしまい、集中が妨げられる可能性もあると考えられます。
また、4分もあるとニュースやネットサーフィンなどに手を伸ばしがちで、余計な情報に意識が向いてしまい、講義に戻った際の集中が途切れやすくなる可能性もあります。
今回の実験は大学の講義を対象に行われましたが、動画を視聴したり机に向かって仕事をする場合にも、似たような結果が出る可能性があります。
つまり、1分程度の短い休憩であれば、スマホをチェックしても生産性は落ちず、
むしろ満足感が得られて、その後のタスクに集中しやすくなる可能性があるということです。
もちろん、個人差や状況の違い、取り組んでいる内容によっても異なると思いますが、
【 1分程度のスマホチェックなら集中力と生産性が高まる可能性がある 】
というのは興味深い話です。
ご自身で試す場合は、例えば10分休憩や5分休憩をしているなら、その間にスマホを1分だけ触ってみるといいかもしれません。
勉強や仕事中にどうしてもスマホをチェックしたいが、よくないと思って我慢している方は、
1分程度の短いチェックなら、むしろ集中力と生産性がアップする可能性があるので、よかったら参考にしてみてください。