こんにちは、中西です。
前回、私のコーチングプログラムのメンバーさんが、朝の「読書」というすでに習慣化しているタスクに、
なかなか習慣化できなかった「瞑想」のタスクを組み合わせることで、習慣化できたという話をしました。
これを「行動連鎖」と呼ぶとお伝えしました。
その行動連鎖のプラスの側面に対して、今回のお話は「行動連鎖の負の側面」についてです。
結論から言うと、
【 他者から「奪い取る」という負の行動は、第三者に対しても連鎖する 】
ということが、筑波大学と立正大学の共同研究で明らかになりました。
※参考:本記事下部に記載
人間は自分の資源、例えば所有物やお金が他者に奪われたとき、その奪った相手から取り返そうとする傾向があります。
これはよく知られた人間の一般的な反応です。
しかし、この研究では、奪い取られた相手にだけでなく、
全く関係のない第三者に対してまでも、奪い取る行動が連鎖する傾向があることがわかりました。
もともと心理学では「返報性の法則」があります。
これは、誰かから良いことをしてもらったら、お返しをしたいという気持ちになるというものです。
直接その人にお返しできない場合は、他の人に恩を返す「恩送り」という考え方もあります。
今回の研究は、その逆バージョンと言えます。
恩送りが人間の善の部分を表すなら、
今回の話は、悪いことをされた場合、その悪意が他の第三者に向けられるという負の連鎖の例です。
具体的な研究内容としては、まず参加者をA、B、Cの3つのグループに分けました。
Aは資源を奪う役割、Bは被験者、Cは第三者の役割を担います。
その上で、AがBから資源を奪うという状況が設定されました。
この結果、奪われたBグループの人たちは、
自分が奪われた資源を、全く関係のない第三者であるCから奪い返そうという行動が見られたのです。
つまり、負の行動は連鎖するということが明らかになりました。
この話は虐待やDVにも関連している可能性はありそうです。
虐待を受けて育った子どもが、大人になって自分の子どもに同じように虐待してしまう傾向があるという話はよく聞きます。
これは、心の深い部分で、自分が受けた苦しみを他者に再現することで、バランスを取ろうとする心理が働くのではないかと考えられます。
このような負の連鎖は非常に不幸なものですが、人間にはそうした性質があることを理解しておくことが、今後の様々な判断に役立つのではないかと思います。
個人的には、こうした連鎖が個人だけでなく、社会全体で起こることもあるのではないかという気がしております。
例えば、日本の衆議院選挙が近づいていますが、自民党に対する国民の不満が高まっています。
特に、裏金問題や税金の不正使用に対する怒りが大きい中で今回の選挙が行われているにもかかわらず、
あろうことかなんとその選挙の最中にさらなる不祥事が発覚しました。
裏金事件で自民党の非公認となった衆院選候補が代表を務める党支部に、党本部が2000万円を支出していたことが分かったのです。
この金額は公認候補と同じ額だとか(゚o゚;)
この腐敗とルール崩壊のやりたい放題の滅茶苦茶な状況に、多くの国民の怒りが沸点を超え、
自民党は過半数割れ=下野する(政権交代)という予想が強くなっています。
こういう狂いまくった政治状況では、納税にしても
「自分の資産が不当に奪われている」
という認識を持っている人は多いはず。
「税は財源ではない」
という正しい貨幣観・財政観を持っていれば、
当然ながら税金と言うのは、単に国民から「資産を収奪しているだけ」というのが客観的事実だと理解できるわけですが、
その正しい認識を持っていなかったとしても、
「税金や社会保険料を不当に奪われている」
と多くの国民が強く憤っている状況まで来ているのです。
ただ、私たち一般の国民が、政府や政治家から奪われた資産を「第三者」から取り返すことはできません。当たり前ですが。
しかし、今回の研究で示されたように、何らかの形で「奪われたものを取り返そう」とする潜在的な欲求が、多くの国民の深層心理に現れる可能性があるのではないかと。
これが、目に見えない形で国民の間に悪い影響を与えていなければいいのですが、この悪影響はもう調べようがありません。
そう考えると、奪われた資産を取り戻す最も妥当で効果的な方法は、
【 自民党から権力を奪い取ること 】
ではないかと思います。国民はそれでバランスを取るのが民主主義としてはまともでしょう。
先日の音声でお話したように、今回の選挙では「自民党以外に入れる」のがマストだと私は考えます。
私の意見というより、国民として論理的にこれ以外の大前提はあり得ません。
その理由については徹底的に詳しく音声で(怒り狂いながら笑)解説しましたので、まだの方はよかったら投票までにお聴きください。
余談ですが、この音声を聴いてくださった複数の方から
「初めて確信を持って投票に行くことができました!」
といったご感想をいただいております。投票の参考になったとしたら嬉しい限りです。
ケネディ大統領は、1961年の就任演説で
「国があなたのために何をしてくれるのではなく、あなたが国のために何ができるかを問うてほしい」
と語りましたが、
国が空前絶後の腐敗の限りを尽くし、我々国民から命と資産を収奪したのであれば、
我々国民ができる事は、その収奪し続けてきた連中から、政治家生命を完全に奪い取るしかありません。
我々がまず「国のためにできること」は、国民のことを何も考えていない自民党の議員たちを駆逐し、政界から退場させることです。
それ以外に、30年も続く日本衰退の地獄の負の連鎖を、食い止める方法など存在しません。
というわけで、今回の研究が示すように、人の負の行動は連鎖しやすいものですので、
人間には、こういう性質があることを頭の片隅に入れておくと、今後の様々な判断の参考になるかと思います。