- 2024-1-21
- 働き方・キャリアの話
こんにちは、中西です。
「人生100年時代」と言われるようになって、8年ほど経過しました。
私自身はもともと100歳まで働きたいと思っていたので、80代90代で元気に働いている人をベンチマークするようにしています。
その中の1人で、今年88歳のデイトレーダー藤本茂さんと言う方がいます。
18歳から投資を始めて、今年で投資歴70年、資産が(昨年の時点で) 16億円と言う方です。
以下の動画で、藤本氏のテレ東の密着取材がされていて興味深かったです。
▼YouTube動画:資産16億円 投資歴69年 87歳のデイトレーダー 藤本茂氏の【トレーダーズvoice】(2023年2月21日)
日本株を80銘柄保有して、日々100回を超える売買をしているそうです。
個人的に印象に残ったのは、取材者との以下のやりとりでした。
取材者「売却益で楽に暮らしたり、何かに使ったりしたいと思わないのですか?」
藤本氏「楽しようとは思わない。僕好きだから。デイトレードが好きだから。死ぬまでやりたい」
結局、そういうことなんだなと。予想した通りでした。
つまり、藤本さんはシンプルに
【 好きなことをひたすら毎日やっている 】
と言うことなんですよね。
ある意味、究極の生き方であり、最も幸せな老後のパターンのような気がします。
このあたりのご本人の感覚がわからないと、
「平均寿命から考えると、人生の残り時間もそんなに長くないのに、お金ばかり貯めても仕方ないじゃん」
みたいに考えてしまいがちですが(実際にそういう批判も見ました)、藤本さんにとっては、そういうことではないわけです。
投資と言うのは、私の知る限り、直接的に人の役に立っている実感・世の中に貢献してる実感と言った感覚は、仕事よりも少ないと思います。
もちろん株主の場合は、自分がお金を出した企業が大きくなることで、間接的に世の中に貢献していますし、間接的に誰かの役に立っているとは言えますが、自分自身の実感としては薄いでしょう。
まして、長期投資なら、その企業に対して少なからず愛着がある場合もあるでしょうが、デイトレードの場合は、短期的な売り買いで儲ける投資手法ですから、マネーゲーム的な要素の方が強いわけです。
藤本さんのデイトレードも、おそらく仕事のような感覚よりも、趣味を楽しんでいる感覚に近いのだろうと思います。
なぜなら、投資(デイトレード)の活動自体を楽しんでおられるからです。
逆に、投資をしている人で「FIRE」(一定額の資産を作り運用益で早期リタイヤ)を目指している人も少なくありません。
この場合は、投資活動そのものを楽しむのではなく、投資でお金を稼いで、人生で本当にやりたいことをやっていこう!と言う考え方です。
私のコーチングプログラムに参加している方にもFIREを目標にしている投資家の方もおられますが、投資活動そのものは「全く楽しくない」とおっしゃっています。(だから自分1人では実行が難しいので、プログラムに参加されています)
藤本さんが、88歳になっても1日中デイトレードを楽しんでいるのは、
将棋が好きで、1日中将棋を楽しんでいるおじいちゃんと似た感じではないかと思います。
私の親戚筋に週何回もゴルフに行っているおじいちゃんがいますが、これも
「どこまでやっても飽きずに楽しめる趣味」
という意味では同じだと思います。
藤本さんにとっては、多くの人にとっての「老後の趣味」が(若い頃から続けてきた)デイトレードと言う投資活動だっただけで、
本質的には、1日中将棋やゴルフなどの趣味を楽しんでいるおじいちゃんと同じだと思います。
こういう「際限なく一生楽しめる趣味」を持っている人は幸せですね。
体力が必要な趣味だと80代90代では難しくなりますが、
デイトレードや将棋のように「体力のいらない趣味」も1つ以上持っておくのが、これからの人生100年時代はより重要になりそうです。
始めるにしても、80代になってからでは新しいことをする気力がない可能性が高いので、藤本さんのようになるべく若い間から、そういう
「体力のいらない」「一生続けられる」
趣味(仕事)を見つけて、やり始めておくのがポイントでしょうね。
88歳デイトレーダーの藤本さんを見て、資産16億円よりも、何十年やっていても飽きない
「好きなこと」
にアラナイン(!)で1日中没頭されているのが、うらやましかったです。