- 2013-3-20
- 2013年の記事
こんにちは!早稲田集中力研究会の中西です。
今回は、受験勉強中のお話というよりは、合格後をふくめたもうちょっと長いスパンでのお話を。
本を読んだり、なにか実績を残した人の話をたくさん聞いていると、
「夢を持ちましょう」「目標を持ちましょう」
という話が出てくることが多いです。
映画やドラマやマンガでも、暗にそんなメッセージをのせたストーリーが展開されていることも多いですし、
歌の歌詞を見ても、ダイレクトにそういったメッセージが書かれていることも多いです。
一般論としては「目標を持って生きるのは大事だ!」という話なんですけど、
意外に一定の結果を出している人でも、「目標はいらない」「目標は持っていなかった」「明確な目標なんてなかった」という人も少なくないんですよね。
そういう人は、目標もなくて、じゃあどうやってそんな結果を出したのかって聞きますと、
「目の前に来た仕事を、精一杯こなしてきただけ」
というふうにおっしゃることが多いです。
私がライフワーク的に行っている個人的な取材でも、突出した結果を出している人がそうおっしゃることがあります。
つまり、何かある目標に向かって、それを実現させるために計画的に、仕事やキャリアを進めていったというのではなく、
与えられたことを、しっかり手抜きせずにやる。
この積み重ねで、人から評価される実績を残してきた
という方もかなりいらっしゃるわけです。
こういう人は、日付を入れた目標とか、数字が入った目標とか、そういったものは持たないで仕事をして結果を出しています。
となると、「目標は持ったほうがいいの?持たなくていいの?どっちが正解なの?」みたいに思えてくるんですが、
これはもしかすると受験勉強の弊害なのかもしれませんが、
「正解は必ずある」もしくは「正解は1つである」という思考回路がメインになっていると、つい「どっちが正解なんだよ!?」みたいに思ってしまうんですが、
そもそも世の中には、「どっちも正解」「正解なんか、無い」ということが多いわけです。
今回の話でいうと、なんらかの目標に向かって突き進むという生き方、しっかりしたキャリア設計をもとに計画的に進んでいくというパターンもあるし、
「具体的な目標とか、あんまりそんなこと考えてなかったけど、
目の前のことを手抜きせず、丁寧にこなしてきたら、今の自分がいる」
みたいなパターンもある。どっちも正解だし、どっちでもいい。
余談ですが、秋元康さんも以前何かの本で、自分のビジネスの設計について、「戦略がないのが戦略」とおっしゃってましたね。
「戦略とかはたてずに、面白いと思ったことだけやってる」という主旨のことをおっしゃってました。
さて、もう少し突っ込んでいくと、上記の中間のような目標の持ち方もあります。それは、「時期」で区別する方法です。
「今は目標を持たないで目の前のことをひたすらこなす時期だが、
ある時期までに明確な目標をたてて、そこから先はその目標に向かっていこう」
みたいな目標の持ち方です。
ざくっと期限を決めておいて、目標を持って進む時期と、目標は持たないが目の前のことに精一杯取り組む時期、というふうに、
「時期(タイミング)」によって、分けるパターンもあるわけです。
このあたりの話は、別に私の経験則で話しているのではなくて、もう学問的にも膨大なデータから理論的に証明されてるんですよね。
しっかりした設計でキャリア・生き方を作っていくのではなく、計画性が無いような、偶然の積み重ねでも案外うまく成り立つよ、
っていう学術的理論があるのです。(大昔、この話を最初に知ったときはちょっと信じられなかったのですが。。)
具体的な例でいうと、たとえば大学受験生や大学生であれば、
「自分はまだ将来何になりたいか決まっていない(ノд-。)」
といったことで、あまり深刻に延々悩み続ける必要なんてないわけです。
もちろん将来像が早く決まるにこしたことはないですが、それが見えてない人はダメということはないです。
そんなことより、取り急ぎ目の前の勉強や生活を充実させることで、少しずつ見えてくることも多いわけです。
大学生なら大学4年間ずっと「私は何になるべきか?」みたいに自分に問いかけて考え続けてる人よりも、
4年間、どっか旅行するなりボランティアするなり、読書するなり、友達やサークル活動をとおしていろいろ充実した生活を送った人のほうが、
何もしないで考え続けるよりは、結果的により納得度の高い方向に進んでいく可能性が高いです。
受験生なら合格がとりあえず目標になりますが、その後の人生設計において、目標が何もない状況になったなら、
「目標を見つけることが、目標だ!」
とかいって、とりあえず当面は、なんでもいいので目の前のこと・今すぐ出来ることに
しっかりまじめに取り組んだほうが、いい結果が待っているはずです。