- 2013-10-31
- 元アメブロ記事(13年2月~14年5月、修正中), 志望校・進路の決め方
こんにちは!早稲田集中力研究会の中西です。
大学受験生の場合、いまの時期から「志望校を決める」人はほとんどいないと思いますが、
「志望校が本当にここでいいのかまだ迷っている」という人は今でも少なからずいます。つい先日もある受験生からそういう相談を受けました。
状況にもよるのでそういった「迷い」がすべてムダだとは言えないのですが、
一方で「それ以上迷っていても、もうムダだよ」といえるくらいに、延々とムダに迷い続ける人がいるのも事実です。
これ、実は受験に限らずなのですが、「迷う」という状況には「前向きな迷い」と「後ろ向きな迷い」があり、後者の場合にはその迷っている時間は往々にして、意味のないムダな時間で終わってしまうことが多いです。
もう少し具体的にいうと、「前向きな迷い」というのは、たとえば志望校をこれから決めるぞ!というときに、自分に合った大学はどこかを様々な角度から検討しているような状況のときです。
この場合は確かに迷っていますが、志望校を決めるための検討ですから、これは「前向き」に迷っているといえます。
この志望校を選択するという作業は、誰もが必ず通るプロセスなので、その作業の中で最初に迷う時期があることに当然ながら問題はないわけです。前に進むための迷い(というか検討)ですから。
ところが、「後ろ向きな迷い」というのはそういう前向きなものとは違います。
たとえば、様々な角度からしっかり検討し、一度「ここで間違いない!」と志望校をハッキリ決めたにもかかわらず、その後になって
「やっぱもしかしたら、もっといい大学があるかも」
とか
「いや、本当にここでいいのか?」
というように、すでによく検討して決めたことを、あとになっていつまでもグダグダと「もっとベストな大学(or学部)があるのではないか?」などと迷い続ける状況のことを指します。
もちろん最初に検討したときに知らなかったような「新たな事実」が発覚したなど、何らかのしかるべき理由があるならいいのですが、
そういうことでもなく、一度しっかり検討して決めたことを、ただいたずらに「本当にこの大学で良かったのか?」と考え続けることは、非常に後ろ向きなムダな迷いといえます。もっというと「優柔不断」という部類になると思います。
あなたにとって客観的に「100%完璧にベストな大学」というのは存在しません。完璧に自分に合った大学を探し続けるのはムダです。それは存在しないから。
あるとすれば、この大学が自分にとってベストに違いないという、いい意味での「思いこみ」です。あるところからは、そういう思いこみのパワーが必要になります。
あくまでオープンキャンパスや志望校見学も含めて、様々な角度から情報を集めて自分に合った大学を検討をするわけですが、最後の最後は、「よし決めた!この大学だ!」という、前向きな「思いこみ」が必要になるのです。
それがわからないと、全国にある無数の大学・学部にあっちこっちと目移りし、いつまでたっても「決断」ができません。
決断力というのは、ある程度の「見切り」と「思いこみ」が必要なのです。
自分なりにしっかり調べたのなら、あとはブレない。そこから先は、ブレること、迷うことが一番効率が悪くなります。
参考書や問題集の選択でも同じです。
「この参考書もいいけど、もしかしたらあっちの参考書のほうがもっといいかも」とか
「この問題集より、あいつがやってるあの問題集のほうが良さそうだな」
などと考えている人は、しょっちゅう参考書や問題集を買いかえて、いつまでたっても力がつきません。
今自分が使っているのは100%完璧な参考書じゃないかもしれない。ほかにもっといい参考書もあるかもしれない。
けれどそんな100%ベストな参考書を探し続けることより、そのあいだに自分が決めた参考書を「これでいいんだ」と思いこみ、それをどんどん進めて何度も繰り返している人のほうが、確実に早く成績は上がっていきます。
迷ったり、買い換えたりしているから、実力アップの機会を逃すのです。
この失敗パターンは、大学選びだけでなく資格受験にもあてはまりますし、ほかにも仕事・転職・人間関係・恋愛・結婚などなど、あらゆるシーンであてはまることが多いです。
「意味のある迷い」と「ムダな迷い」を見極めてください。そして、入念に検討して一度決めたことについては、特段の事情がない限り、それでいいとしっかり思いこむこと。
その思いこむ力のことを「決断力」というわけですね。
その力がないと、自分の選んだ選択をいつまでも疑うことになり、「もっといいのがあるかも」とずっと考え続けることになります。
この考え方の習慣がある人は「私は○○大学の○○学部に行く!!」という覚悟がいつまでも持てないので、いつまでたっても本気になれません。
こういう状況が、受験生としては一番最悪だと私は思います。非常に時間がもったいないです。迷いほど、受験に向かうエネルギーを低下させるものはありません。
もしまだなんやかんやと言って迷っている人がいたら、一刻も早く「私が目指すのはここだ!」という決断をすることを最優先にしてください。