- 2025-8-5
- ChatGPT
こんにちは中西です。
今回は久々にAI関連の話を。
今週に入ってから、大手の有名企業で
「経営陣にAIを導入する」
発表が相次ぎました。
まず8月4日(月)に発表されたのはキリンホールディングスです。
同グループは経営層の意思決定を支える右腕として
「AI役員」
を、キリングループ経営戦略会議に本格的に導入すると発表。
経営戦略会議に多様な専門性と意見を持ち込んで、意思決定の質とスピードを向上させるのが狙いということです。
本格導入後は年間30回以上開催されるグループ経営戦略会議で、このAI役員が活用されるとのこと。
このAI役員はどういうAIかというと、過去10年分のキリンホールディングスの取締役会とグループ経営戦略会議の議事録データや社内資料、
外部の最新情報が読み込まれていて、キリン独自の12名の人格を構築しているということです。
この12人の複数のAI人格同士が、経営戦略会議の中で議論するべき論点や意見を交換し、
そこから抽出された数個の論点や意見を実際の経営戦略会議で経営層に提示するようです。
そして、その翌日の8月5日(火)には、三井住友フィナンシャルグループが中島社長の発言を学習させた生成AI、いわゆる
「AI社長」
を同じく7月から本格導入したと発表しました。
このAI社長はどういうものかというと、ChatGPTを作ったOpenAIのモデルを使って、
経営会議など社内外での中島氏の発言を1年分以上学習させたものです。
そしてチャット上で質問すると中島社長っぽい回答を得られて、企画や提案も経営者目線でブラッシュアップしてくれるとのこと。
これを、三井住友銀行の国内行員約3万人を対象にして、仕事の相談などで気軽に活用できるようにし、AIを全社に浸透させたいようです。
しかもAI社長だけでなく、今後は銀行員の知見やスキルを取り込んで
「AI上司」
なるものも今年度中に試行して、仕事で活用していくとのこと。
キリンや三井住友の状況を見ると、もうすでにAI社長やAI上司、AI役員というものが現実的に企業の経営の現場で利用できる状況になってきているのがわかります。
このメルマガでもかなり前からそのような状況になってもおかしくないと話してきましたが、
いよいよ普通に企業の現場で経営陣からAIが導入されてきました。
こうなると社外取締役や企業と提携している弁護士や監査役などもAIに取って代わられる可能性も出てきたと思います。
さらに考えないといけないのは、そうなってくると経営陣の何割かがAIに取って代わられるだけでなく、
当然ながらその下の部長や課長などの上司的立場の人もそうですし、
平社員も何割かが減らされる可能性が非常に高いわけです。
そしてそういったリストラは「ある日突然」発表されるので、自分の仕事がAIに代替されないかを常に考えておかないと危険だと思います。
逆に経営者の立場に立って考えればわかると思いますが、どう考えても社員の数割がAIで代替できるとなった場合に、
社員を家族のような仲間と考えている経営者なら簡単にはクビにしないでしょうが、
事業上のコマだと考えている経営者であれば、その8割の社員や従業員というのはAIでいいわけですから、一気にリストラしようという発想になってもおかしくありません。
ところが、その情報が事前に漏れてしまうと大騒ぎになってしまうので、リストラの発表当日まで徹底的にその事実は隠されることも普通にあるわけです。
そしてある日突然発表があってクビになる。
これは過去の大規模リストラで普通に起こって来たことです。
こんなことが日本中どころか世界中で、今後2年以内に勃発しまくる可能性が極めて高い。
そういう話を先日シリーズでご紹介した
「AI 2027」
という、ハーバード大学の専門家ら5人が書いた論文でも、非常に具体的に予測されています。
2027年までの約3年弱の予測はかなり高い確率で当たると考えて間違いないと思いますし、そもそも当たる前提で考えておいた方がいいと思います。
要するにここから2027年末までの2年ちょっとの間に、世界中でとんでもないパラダイムシフトが起こるということです。
その変化に気づいていない人は、ある日突然路頭に迷っても全然不思議ではありません。
なのでAIの情報というのは政治経済の情報と同じで、日頃から少しずつでも情報収集していないと、
直接的に今の自分の仕事や生活で必要性を感じていない人にとってはだんだんその情報から遠のいていきます。
そうすると今国内外でどういうことが起こっているか、その変化に気づけなくなりますので、
今すぐAI情報が必要じゃなかったとしても、時々でもいいのでそういう情報を少しずつでも収集していく必要があると思います。
経営陣だけでなく、官僚や政治家もAIで済ませられる未来は近づいてます。
裁判官なども全然AIでいける可能性が高いんじゃないかと思っています。
もちろん各業界や職種ごとにAIでは難しい分野は残るでしょうから、それが何かを常に考え続けないといけないということです。すべての人が。
私自身もそれは常に頭の片隅で考え続けています。
ちなみに今回のニュースのコメント欄などを見ると、
「まだまだAIは答えを間違うから、そんな簡単には経営陣は代替されない」
とか、のんきなことを言っている人が散見されて驚いたのですが、
こういう人は自分の使用したレベルの範囲内でAIがどういうものかを勝手に判断してしまっている可能性が高いと私は思います。
AIというのは結局自分のレベルでしか使いこなせませんので、そのAIの可能性がとんでもないものであったとしても、
自分自身で使っているレベルでしかAIの可能性を理解できない側面があるわけです。
小学1年生が東大生の知識レベルがわからないのと同じようなものだと思います。
というわけで、AIがいよいよ大手有名企業の経営陣と代替される状況になってきて、さらにAI上司まで出てくるところまで進んできました。
完全に予想された流れでしたが、やはり予想以上に変化のスピードは速い状況だと思われますので、
今我々はそういうとんでもないパラダイムシフトのど真ん中で生きているということを、常に頭の片隅で考えて注意し続けておく必要があります。
それを怠った人は、ある日突然、足元をすくわれるリスクが高まっていると言うことです。


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