- 2025-2-16
- 受験を突破する健康管理術, 受験を突破する食事法
こんにちは、中西です。
玄米のさまざまな効果について、シリーズでお届けしています。
第1回目は、「玄米にダイエット効果がある」という琉球大学の研究結果をご紹介しました。
第2回目は、「玄米でメンタルが安定する」という女子栄養大学と新潟大学などの共同研究をご紹介しました。
第3回目は、「玄米には食後の血糖値を抑える働きがある」(≒食後の調子が良くなる)という、カナダのマニトバ大学と上海大学の共同研究をご紹介しました。
今回はシリーズの第4回目ですが、
玄米に含まれる GABA(γ-アミノ酪酸)
が脳に与える意外な作用について解明した研究をご紹介したいと思います。
結論から言いますと、
【 玄米に含まれる GABA は満腹感を高める 】
ということが判明しました。
※参考「GABAの脳作用による満腹感増強についての産学連携研究成果をスイスの学術誌で発表」(京都府立大学)
https://www.kpu.ac.jp/activities/gaba/
これは京都府立大学の研究ですが、GABA は玄米をはじめ、野菜、果物、発酵食品に多く含まれていることで知られています。
これまで、不安の軽減などメンタルに効果があるとされていましたが、どのように脳に作用するかはよくわかっていませんでした。
そこで、GABA がどのような経路で脳に作用し、満腹感を増強するのかを解明することを目的としたようです。
研究はマウスを対象としたもので、実験内容としては、GABA を経口摂取したグループと、GABA なしの対象グループを比較しました。
摂食行動を解析して、食後の満腹感の違いを調査したとのこと。
また、GABA を含む液体食と、GABA なしの液体食を比較して、摂取量の変化も測定したようです。
実験の結果、
【 GABA を食事と一緒に摂ると満腹感が増して食べ過ぎを防ぐ 】
ことが分かりました。
GABA を経口摂取したマウスは、通常よりも食事量が減少したようです。
ただし、GABA を注射で投与しても同様の効果は見られませんでした。
このことから、GABA は消化管を通じて間接的に脳へ作用していると考えられます。
また、GABA を含む液体食を事前に与えたマウスは、通常よりも食事量が少なくなりました。
つまり、GABA を食事と一緒に摂ることで、過食を防ぐことができる可能性があります。
研究者によると、従来の抗肥満薬とは異なり、GABA は副作用が少なく、自然な方法で食欲をコントロールできる可能性があるということです。
このシリーズの第1回目で紹介した琉球大学の研究でも、玄米で抗肥満効果があるということが判明していました。
これは、玄米が脂っこい食べ物を好む気持ちを抑えることによって、高脂肪食を食べる量が減り、体重増加が抑制されたものでした。
その鍵となったのは γ-オリザノール という玄米に含まれている成分でした。
この γ-オリザノールが脳内の ER ストレス(食欲を増進させる悪循環)を軽減することが判明したわけです。
そして、今回の京都府立大学の研究の方は、先日メンタルが安定する成分として紹介した GABA について、別の側面で調査を行ったものです。
この玄米に含まれる GABA は、メンタル安定だけでなく、満腹感を増やしてくれることが判明した形です。
つまり、
【 玄米は GABA とγ-オリザノール の 2 つの成分によって、ダブルの効果で肥満を抑制し、ダイエット効果をもたらす 】
ということになりますヽ(´▽`)/
今回の満腹感についても、私自身、日頃玄米を食べていて非常に感じる部分でもあります。
明らかに白米よりも食べる量が少なくても、満腹感は白米よりもある印象です。
これはあくまで自分の経験による主観的な感覚でしたが、どうやらこれは気のせいではなく、GABA の満腹感アップ効果によるものである可能性が高そうですね。
ちなみに、GABA が含まれる食品としては、
玄米、発芽玄米などの穀物に加えて、
ジャガイモ、トマト、ナス、カボチャ、大豆もやしなどの野菜や、
キムチ、漬物、納豆、ヨーグルトなどの発酵食品、メロン、ブドウといった果実などがあります。
こういった GABA が含まれている食品を食べると満腹感が得やすいので、ダイエットにつながりやすいということですね。
ダイエットしたい人は、ぜひ参考にしてみてください。