- 2024-1-7
- 経済の話
こんにちは、中西です。
1月1日に経済評論家の山崎元さんが亡くなりました。65歳でした。
メディアにもよく出ていた有名な方なので、ご存知の方も多いと思います。
2ヶ月ぐらい前にNewsPicksというニュースサイトの有料版で、ホリエモンと対談をしていたのですが、その時に食道がんで、余命が短いような話をされていました。
見た目も相当痩せておられましたが、ご本人は覚悟をされているようでした。
私はそれほど山崎さんから情報は得ていませんでしたが、印象としてはどちらかと言うと、資産運用等のテーマが多かった気がします。
ご自身なりの志を持って情報発信をされているのは伝わっていましたので、非常に残念です。ご冥福をお祈りいたします。
そして、同じく経済評論家で、昨年「ザイム真理教」がベストセラーになっている森永卓郎さんも、先日膵臓癌のステージ4であることを公表されました。
余命数ヶ月の宣告も受けておられるようです。
同時に、「ザイム真理教」の第2弾となる、ザイム真理教よりさらにやばい暴露本を、今年出版されるようです。ほぼ完成に近づいているとか。
私は森永さんの情報も、最近まであまり入手していませんでしたが、近年明らかに
「正しい財政観」に基づく言論
が増えているので、興味を持っていました。
(息子の経済アナリスト森永康平さんの影響だと思われます。息子さんはMMTも正しく理解されているので)
そんな森永さんが、私が以前から国賊経済学者に認定している財務省の飼い犬・慶応大学の土居丈朗教授と、バチバチの対談をしておりました。
「正しい財政観」の経済評論家と、財務省にだけ都合の良い「間違った財政観」を何十年も巻き散らしている経済学者が、
わかりやすくバトルをしてくれている興味深い対談となっております。
▼森永卓郎×土居丈朗「財政均衡主義」はカルトか 話題の書『ザイム真理教』めぐり論客が誌上討論
https://toyokeizai.net/articles/-/721495?page=4
記事の内容は、一般の人にはちょっと難しいかもしれないので、このバトル対談のポイントだけわかりやすく知りたい方は、以下の元衆議院議員の安藤ひろしさんの動画がオススメです。
▼YouTube動画【森永卓郎vs土居丈朗❗️ザイム真理教を駆逐せよ‼️】安藤裕チャンネル
https://youtu.be/EvDf_MZ4J40?si=TZqK6nG0lndOzNxb
このバトル対談は、正しい言論と間違った言論の対比になっているので、理解が深まりやすいと思いました。
物語でも主人公だけが努力するより、悪役がいる方が話がわかりやすく面白くなるじゃないですか。そんな感じ。
今回どちらが悪者かは言うまでもありません。(この後証拠も出します)
この対談の中で、特筆すべきポイントがいくつかあるのですが、まず森永卓郎さんがこう言ってるんですね。
森永「財政赤字の唯一の問題は、赤字を大きくしすぎるとインフレを招くことだ。」
はい、もうこの一言だけで、彼が完璧に正しい財政観を身に付けていることがわかります。
ここ、非常に重要なので、ピンとこなかった方はよくご理解ください。
上記の森永さんと同じ趣旨のことを言った人は、「正しい財政観を理解している」と考えて間違いありません。
どういうことかと言うと、もうそのままなのですが、「財政赤字の唯一の問題」として「インフレ」を挙げています。
この「唯一の」という部分と、「インフレ」という部分。
この2つの言葉がカギになります。今後永久に重要になりますので、必ず覚えておいてください。
要するに、政府が国債を発行すると、財政赤字が増えて、政府の収支が赤字になるわけですが、
赤字そのものには何の問題もなく、その赤字の増加によって発生する唯一の問題は、
インフレだけしかない
と言うことです。
これこそが、まさに主流派経済学が理解できなかった究極のポイント中のポイントなのです。
逆に言うと、正しい財政観を理解していない専門家や一般人は、このことの意味がわからないわけです。
で、次は土居丈朗教授の発言。
土居「インフレ期に日銀が国債を買って、通貨供給を増やせば、インフレを煽ることにならないか?」
はい、ここでこの土居丈朗教授が、現実のお金の動きを何もわかっていない「正真正銘のバカ学者」であることを、確定させることができました。
断言していいです。
この土居丈朗教授は、財政の基本と通貨の動きを全く理解していません。
完全に経済学者失格のバカ学者、もしくは嘘つきです。この見解が間違っていたら死んでもいいです。
なぜここまで言うかと言うと、この土居丈朗の認識(もしくは嘘)が、国民を貧困地獄に叩き落としているからです。
どういうことかと言うと、上記の言葉からわかるのは、彼は
「日銀が国債を買うと、通貨供給が増える(その結果インフレになる)」
と考えているのです。
驚くべきことに、土居教授に限らず、これを本気で考えている経済学者や経済の専門家や、知識人・言論人が山ほどいるのです。
致命的なまでに間違っているのですが、本気でこれを言っているなら、土居教授は今すぐ経済学者を辞めるべきです。
国債の発行と買取の流れは、こんな感じ。
①政府は通貨を発行するために、国債を刷って、それを銀行に買い取らせる。
=政府の日銀当座預金の口座にお金が振り込まれる=政府は資金を創出
②その銀行が政府から買って保有している国債を、今度は日本銀行が買い取る。
③日本銀行は、買い取った国債の支払いを、銀行の「日銀当座預金」に振り込む。
・・・一般的にはあまり知られてないかもしれませんが、理解すればたいした話ではありません。
日銀が国債を買い取る流れと言うのはこういうことなのですが、非常に非常に問題なのは、
【 「③の時点では、国民には全くお金が回ってきていない」ということを理解できていない 】
という点なのです。これ、本当に死ぬほど重要でやばい話をしております。
繰り返しますが、何がやばいかと言うと、
「③の時点では、国民には全くお金が回ってきていない」
ことそのものではなく、それを経済学者を始めとする経済のトップクラスの専門家や知識人たちが、
「理解できていない」
ことなのです。その証拠が土居教授のこの言葉、
「日銀が国債を買って、通貨供給を増やせば」
です。彼は
「日銀が国債を買うだけで、国民にお金の供給がなされる(国民にお金が回る)」
と考えています。この信じがたい勘違いをしている学者や専門家が、本当にめちゃくちゃいるのです。
なぜこれが間違いかと言うと、簡単な話で、
「日銀当座預金は、一般の国民も、民間企業も、一切利用することができない口座だから」
です。国民からすれば日銀当座預金なんて、どっかのバーチャル空間に存在している、架空の存在に近いわけです。
それを利用できるのは、銀行や政府や日銀のみ。
日銀が国債を買い取ることで、銀行の日銀当座預金に国債がたくさん増えると、金利が低下して
「自動的に」「勝手に」
国民の側にお金が流れ込んでいくと彼らは思い込んでいる。
ところが現実は違います。
金利が安くなったところで、景気が十分に回復していなければ、経営者はお金を借りても回収する見込みがありませんから、投資にならず、お金を借りません。
こんな簡単な経営者心理すら理解しないで、経済学者たちは
「日銀が国債を買いとれば、銀行の日銀当座預金にお金がいっぱい増えるので、金利が安くなって、自然に民間にお金が回る。(自動的に通貨が供給される)」
と思い込んでいるわけです。あるいはタチの悪い専門家は、そういうロジックで嘘を広げている。
このロジックを信じ込んだのが、安倍晋三元総理であり、アベノミクスが失敗した理由も、「異次元の金融緩和」とやらがうまくいっていない理由も、全部ここにあります。
金融緩和で日銀当座預金にお金がいっぱい増えても、国民には全くお金が回ってきません。それこそ1円も。
それを政治家や経済学者が、国民にお金が回っていくと思い込むと言う、本当に信じがたいほどの認識違いが起こっているのです。
こんなどうしようもない経済学者を呼んで、勉強会を開いていたのが、衆議院議員の米 山 隆 一氏です。
彼は「日銀が債務超過で破綻する」などと主張していますが、日銀が債務超過に陥っても1ミクロンも問題がない事は、
先日のメルマガでも紹介した通り、日銀自身が公式ホームページで論文を発表して認めてしまいました。
自分でお金を作れる日銀が、お金が足りずに破綻するわけがない。
少し考えれば小学生でもわかる理屈ですが、そんな当たり前のことをわざわざ日銀が論文を作って公式に認めたのは、
そういう「日銀の債務超過」で騒いでいるアホな政治家や専門家がいるからです。
根本的に正しく理解していないから、
「日銀が国債を買い取れば、国民に通貨が供給される」
「日銀が債務超過で破綻する」
みたいなありえないことを本気で信じ込んでしまう。
それが慶応大学という国内トップ層に位置する大学の教授であり、
そんな人間が財政制度等審議会と言う財務省の御用機関のポジションを得て、
そのおいしいポジションを維持するために、飼い主の財務省様に都合の良い嘘を広めまくり、
それを真に受けた愚かな政治家・言論人・著名人たちが、マスコミを通して、国民に間違った情報を拡散させまくってきた。結果として、
「国債の発行は、いずれ返済しなければならない『国の借金』であり、『国の借金』が増えることは将来世代のツケとなり大問題であり、財政の破綻を招く。よって税金で財源を増やすしかない」
という完全に間違った認識が国内に出来上がり、
増税に次ぐ増税も、国民は受け入れざるを得なくなった。
そうやって30年に及ぶ緊縮財政と大増税によって消費意欲(需要)を奪われまくった結果、
先進国で唯一経済が低迷しまくり、国民総貧困化の地獄のような国に成り下がってしまったのです。
こうして元をたどれば、どこに巨悪が存在するかを理解するのは、難しい話ではないと思います。
先日もお伝えしましたが、これは情報戦争ですから、嘘の情報を拡散している言説を、徹底的に駆逐していくしかありません。
そのためには、森永卓郎さんのような、財務省を恐れずに真実を伝えられる著名な専門家が1人でも多くいなければならないのですが、
残念ながら、私の知る限り、彼と同レベルで真実を語れる著名な専門家は数人程度しか日本にいません。
逆に、素人である程度以上(ざっくりでも)正しく理解している人なら、少なく見積もっても数十万人はいるでしょう。
マスコミと専門家はほぼ全滅で死んでいるので、我々一般人で理解した人たちが、ネットなどを駆使して、少しでも拡散するしかないと思います。