- 2022-12-16
- 経済の話
こんにちは、中西です。
先日(12月6日)、厚生労働省が10月の勤労統計の調査結果を発表したのですが、
それによると10月の実質賃金の前年比は、大幅減の− 2.6%で、
「7ヶ月連続の減少」
となってしまいました。
この下落幅は2015年6月以来の「7年4ヶ月ぶりの大幅下落」となっています。
▼実質賃金7カ月連続減 10月2.6%減、7年4カ月ぶり下落幅: 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA051YN0V01C22A2000000/
さらにここにきて、企業の倒産件数も急増しています。
▼「物価高倒産」ラッシュが始まった!年初の8倍に急増、年300件超確実も「まだ入り口」と識者
https://news.yahoo.co.jp/articles/24e383a279fbaa1f82651666e880c55a47f2f9b9
上記の記事とは別に、帝国データバンクと東京商工リサーチのデータを確認してみましたが、それを見ると、以下の業界でこの数ヶ月、倒産が急増していました。
建設業・製造業・運輸業・通信業・サービス業・不動産業・卸売業・スーパー・介護・農業・宿泊業
…って、なんかもう、ほとんどの業界になってきてます。
上記には無いですが、飲食業界も相当やばいのは間違いありません。
この日本経済の惨状で、岸田総理が防衛増税を始め、大増税ラッシュをしているのは、ご存知の通り。
京都大学の藤井聡教授がおっしゃっていましたが、藤井教授の政治家・官僚周辺の知人らの情報として、
財務省は岸田政権の寿命が長くないと判断して、操りやすい無能な岸田総理が総理大臣を務めているうちに、一気にこれまでやりたかった各種増税を強行しようとしているようです。
まぁそんな情報がなくても、普通に最近の動きを見ていたら、どう考えてもそれ(財務省が大急ぎで各種増税を強行しようと目論んでいること)は明らかにわかります。
国民や企業をここまで追い込んでおいて、さらに、企業には「賃金アップをお願いする」という、到底政府がやることとは思えないことを平気でやっている始末。
▼西村経済相「少なくとも5%」賃上げ求める(日テレNEWS)
https://news.yahoo.co.jp/articles/68d434736e668db98111e68642e49444eaab5324
西村経済産業大臣は、経済界に対して
「少なくとも5%上げてもらいたい」
と述べ、賃上げを求めています。
企業の経営者が、「政府から給料アップのお願いがあるのか。わかった。じゃあアップさせましょう」なんて話になるわけがありません。
たとえば、学校の先生が、保護者の集会で
「皆さん、お子さんのお小遣いを毎月5%アップさせてください」
とお願いしてるようなものです。「なんでそんなことお前に言われなあかんねん」という話。
当然、子供のお小遣いの額をいくらにするかなど、保護者が自ら決めるべきことで、「学校の先生が保護者にお願いする」ことではありません。
岸田政権はこういう信じられないズレたことを、平気でやっているわけです。発足以来、この一年もうずっと。
西村大臣は「まもなく労使交渉が始まるから」などと言ってますが、中小企業で労使交渉により給料が上がる会社がどれだけあるのかと言う話です。
企業数で言うと、日本の企業の99.8%が中小企業だと言うことを彼はわかっていないか、中小企業の経営の現実を1ミリも理解できていないのだと思われます。
この西村経済産業大臣については、コロナ禍が始まった頃に、企業に対してとんでもない発言をしていたので、明らかに企業で働いた経験も、経営をしたことも、個人事業をした経験も何もない人間の言葉だと思い、彼のキャリアを調べてみたら、
やはり彼は勉強ばかりしてそのまま政治家になった、エリート街道まっしぐらの人間で、会社の現場など、まるで知らない人間でした。
こういう経済の現場を何も理解できない人間が「経済産業大臣」をやっていて、
財務省の操り人形でしかない岸田総理や鈴木財務大臣とともに、権力者にとって最も重要である(少なくとも私はそう考えている)、
【 「国民の生活感覚」や「正しい財政認識」や「会社経営者・会社員・個人事業者・非正規雇用者の感覚」 】
といった最も重要な感覚&認識を、経済・財政の最も重要な立場にあるトップの人間たちが、ことごとく、まるで理解できていない。
そして、彼らより圧倒的に財政に対する知識と、自らの利権・権力を増やす狡猾な知恵だけは長けた東大法学部出身の「エリート」ばかり集まる財務官僚に、
経済に関して、最も重要な立場にある政治家たちが、その無知のせいで見事に騙され、やりたい放題させてしまい、
世界の先進国で日本だけが国民を極貧生活にしてしまっている(年収186万円以下のアンダークラス層はついに1200万人超え)。
▼参考「実質賃金指数の推移の国際比較(1997年=100)」(全労連)
https://www.zenroren.gr.jp/jp/housei/data/2018/180221_02.pdf
まさに、今の日本の政治状況は、地獄絵図としか言いようがありません。
先日からお話ししている通り、まず世界的にも2023年は10年に1度クラス以上の大不況が発生する可能性が極めて高いです。
IMF (国際通貨基金)の報告や、「2023年のリセッション(景気後退)確率は100%」と断言したブルームバーグ予測、
極めつけは、過去半世紀で発生した6度の世界的大不況で、必ずその直前に発生していた
「逆イールド」
という現象(国債の長期と短期の金利が逆転する現象)が、2022年の前半で発生してしまったこと。
…といった理由で、2023年の世界経済は、あらゆる指標が、大不況になる可能性が極めて高いことを表しています。
ですが、日本にとって問題は2つあります。
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1.そもそも世界の状況とは無関係に、日本単体で見ても、2023年はどう考えても日本の景気が回復する根拠がどこにも存在しない。(悪くなる根拠なら、無数に存在する)
2. 2023年の世界経済が大不況に陥っても、1年から数年で元に戻る(歴史が証明済み)。
しかし、その時も日本だけは経済が全く回復しないまま沈没していく。過去30年そうだったように。
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…というところまで、今後の展開が容易に予想できてしまうわけです。
逆イールドの発生時期から考えると、来年から遅くとも2024年の前半にかけてのどこかで、世界的な大不況になる可能性が非常に高いです。
その時、当然日本も大きな被害を受けます。今のボロボロの経済に加えて、です。
その後、しばらくしたら、徐々に世界経済は回復していきますが、日本だけは完全に間違った緊縮財政をさらに強化するため、
「日本は世界不況の被害だけを受けまくる」
ことになります。
ここでさらに、間違った緊縮財政をする可能性が高く(というかほぼ確実)、その後の日本は本当にとんでもない不況が続くことになります。逆に、そうならない理由がどこにも見当たりません。
何度も言うように、このパターンは90年前の「昭和恐慌」と、全く見事なほど、同じパターンです。
そして、人心の荒廃も同じ状況になるとしたら、岸田総理は、今年の安倍晋三元総理のような状況になる可能性も十分あり得ます。
理由は簡単で、国民の怒りが沸点を超えているからです。
岸田総理本人は全く気づいていないでしょうが、彼は今、命の危険が人生最大に高まっているのです。
マスコミはそんな総理の命の危険など絶対に報道しないでしょうし、言論人やインフルエンサーもそんな話は絶対しないでしょうけど(炎上するから)。
国民感情を理解できない権力者が、その権力で長期にわたり国民を苦しめ続け、その上でさらにまた国民を徹底的に苦しめたら、命の危険が高まらないと思う方がどうかしてます。(岸田総理はボンボンすぎて、本当にそのリスクをわかっていないと思われます)
ここまでが、来年以降の展望と言うより、極めて高い確率で実現される未来だというのが、ありとあらゆる指標・判断基準からわかることだと私は考えています。
少なくとも、今後の日本はそういう方向になる前提で、自分自身や家族のあらゆること(生活環境・お金に関すること・働き方・キャリア・進路など)を見直していく必要があると思います。
要するに、これまでの常識のままで過ごしていたり、自分の頭で考えずマスコミや政府の情報を鵜呑みにしたり、何も考えていない人たちの同調圧力に従ったりしていたら、
自分や大切な人たちの生活・財産・命が奪われていくと言うことです。(実際奪われてきたわけですが)
今年も残り2週間ほどですが、この日本の狂った現状をよく理解した上で、来年どう過ごすかを考えていく必要があります。
それではまた。