- 2022-12-4
- 経済の話
こんにちは、中西です。
2022年の終了まで1ヵ月を切りましたが、2023年はリセッション(世界的な不景気)に突入する可能性が極めて高くなっています。
最近何度か書きましたが、IMF (国際通貨基金)が少し前の公式報告で、2023年の世界的な景気後退について言及し、
「最悪の事態はこれからだ」
と、パニック映画の予告編のような強い表現で警告を鳴らしていました。(10月11日の報告だったと記憶してます)
また、トップクラスの経済の専門家によるブルームバーグ予測では、数ヶ月前まで、来年の景気後退の確率を65%としていましたが、最近100%に変更しました。
専門家としての信用がかかっているわけですから、外れたときのリスクを踏まえて95%とかにしてもいいと思うのですが、100%とまで断言したわけです。この意味は重いと思います。
さらにヤバいのは、アメリカでは
「逆イールド」
と言う現象が発生しています。
逆イールドと言うのは、長期国債と短期国債の金利の数字が逆転する現象です。
一般的には、長期国債は10年債(政府が10年後に返済する国債)で、短期国債は2年債(2年後に返済する国債)で判断するのですが、
大不況の前になると、両者の金利が逆転して、10年債の金利が2年債の金利より低くなるのです。
意味がわからない方は、ようは「国債の金利が異常事態になる」くらいに理解すればいいと思います。
問題は、この「逆イールド」の現象が発生したら、大不況になる可能性が極めて高いと言う点です。
1978年以降のアメリカでは、6回の景気後退がありました。
そして、その6回の不景気の全てにおいて、事前にこの逆イールド現象が発生しているのです。
まるで気候異常の予兆であるエルニーニョ現象みたいなものですね。
過去半世紀近くの間に発生した、全6回のすべての不景気において発生していた逆イールドが、2022年に入って発生しているのです。(2月から4月頃)
過去6回は、景気後退になる6ヶ月前から24ヶ月前に必ず逆イールドが発生していました。
この法則が今回も当てはまるとすると、遅くとも2024年の前半ごろまでに、アメリカは過去6回発生したクラスの大きな景気後退に襲われることになります。
(ちなみにこの6回には、ITバブル崩壊、リーマンショック、2020年のコロナ不況が含まれます)
当然、アメリカが大不況になった場合、日本も思いっきり影響を受けます。
といいますか、アメリカがそうならなかったとしても、日本単体でも、岸田政権の経済対策があまりにもひどすぎるので、2023年に景気が良くなる見込みなど1ミリもありません。
岸田政権がこの1年やってきたこと、今後やろうとしている政策を見る限り、また過去の自民党政権(及び財務省)の愚策の数々によって、現在日本が襲われている状況を踏まえる限り、
アメリカの状況に関係なく、2023年の日本の景気が酷いことになるのは、どう考えても間違いないと思います。
その日本単体のあまりにも酷すぎる経済の惨状に加えて、アメリカを始めとする大不景気が襲ってくるリスクが高まっているわけです。
多分ここまでちゃんと解説しているマスコミは、あまりないのではないでしょうかね。マスコミの経済記者も状況を理解できていない人が多いので、マスコミ報道しか見ていない人は、来年はいつのまにか気づいたら、大不況に襲われている状況になる可能性が高いです。
最大の問題は、アメリカは2023年にリーマンショックなみの不景気に襲われたとしても、アメリカ政府が正しい財政政策を理解しているので、そのうち景気をもとに戻す事は確実ですが(2020年のコロナ不況時も、正しい積極財政で一気に景気を回復させましたから)、
日本に限っては、2023年のアメリカの大不況の影響をもろに受けて経済がさらに悪化した場合も、自民党と財務省は、必ず間違った方向の緊縮財政を進めますので、
その後、アメリカが景気を回復させても、日本だけ、さらに経済を悪化させていくことになるはずです。(2020年のコロナ不況で、日本だけがまともに被害を回復させられなかったように)
どう考えても、そうなる見込みしかありません。
つまり、2023年に大きな景気後退に襲われた後、2024年以降も、日本経済だけさらに悲惨な状況になっていくと言うことです。過去30年がずっとそうだったように。
何度も言ってきたように、日本は構造的&国民の政治意識レベル(投票率)的に、もはや国家として詰んでいますので、このタイタニック号でしかない国で長く生きていくと言うなら、
何の専門家になるにしても、(投資も含めて)お金と言うものと真剣に向き合い、
自分の価値を高めて、本質的な稼ぐ力を身につけていくしかないと思います。
それではまた。