- 2022-12-19
- 受験が終わった後について, 受験の意味を考える, 志望校・進路の決め方, 経済の話
こんにちは、中西です。
少し前から何度もお伝えしている通り、来年は世界的な大不況に陥る可能性が非常に高いことが、複数の信用できる報告・予測・指標で判明しています。
少なくともそれらの情報を見る限り、来年は10年に1度クラスの世界的な不況が発生する可能性は「限りなく100%に近い」といえます。
(ブルームバーグ予測では100%と断定。また過去半世紀で百発百中で当たっている「逆イールド」の現象が今年発生。IMFの報告など)
上記は、世界的な調査機関や専門家の予測ですが、国内を見ても、先日このメルマガでお伝えした通り、帝国データバンクや東京商工リサーチのデータを見ると、この夏から秋にかけて多数の業界で倒産が増えていました。
さらに、その帝国データーバンクが本日(19日)に、また新たに全国1万1510社への調査結果を発表しました。
▼来年の景気どうなる?企業の4分の1が「悪化」見込み…1割は「回復」4割は「踊り場」
https://news.yahoo.co.jp/articles/e13fb8d068aaa85b935263d8c7c06576191afaca
記事から一部引用しますと、
『帝国データバンクが19日に発表した調査(全国1万1510社が回答)によると、2023年の景気について「悪化する」と見込んでいる企業は25.3%と、およそ4分の1に及んでいる事が分かった。
2021年11月に調査した、2022年の景気見通しでは、「悪化」を見込む企業は12.6%であり、この1年で2倍に増えた形だ。
一方「回復」と見込んでいる企業は11.5%で、2021年11月に調査した2022年の景気見通しからは10.8ポイント減少している。
また「踊り場」局面になると見込む企業は39.1%と最も多かった。(後略)』
…とのことで、「景気が回復する」と見込んでいる企業は1割しかありません。1年前の2割から半分に減っています。
さらに残念ながら、この1割の企業の予想も外れる可能性が高いです(理由は冒頭の通り、世界的な不況になるため)
一方で「景気が悪化する」と見込んでいる国内の企業は、1年前の2倍に増えています。
「景気は今年とあまり変わらない」(踊り場)と見込んでいる企業は約4割。残念ながら、この予測も外れる可能性が高いです。
という感じで、企業で働く人や経営者は、やはり現場にいますので、肌感覚で来年の不景気を認識している人も一定の割合でいますが、
「世界的な大不況」
というのは、企業の現場で働いている肌感覚だけでは予測できない部分があり、そこはやはりマクロ経済的な視点が必要になります。なので、今回の調査で言うと、
「現場で働いている肌感覚」と「マクロ経済」(特に今回は国内に加え世界のマクロ経済)の視点
の両方を持ち合わせている人が、1番正確に来年の景気(個々の業界の景気も含む)を予測できる可能性が高くなります。
実際のところ、経営者は目の前の会社経営に忙しすぎて、国内外のマクロ経済の情報収集なんてじっくりしている人は少ないわけです。
結果、世界的な不況を予測できる一般の経営者・会社員は少なくなりがちです。
10数年前のリーマンショックが起こる直前に、まもなく世界中にリーマンショックが起こることを予測できていた人は、ほとんどいませんでした。
20数年前のITバブル崩壊の直前に、まもなくITバブルが崩壊することを予測できていた人はほとんどいませんでした。
30年前のバブル崩壊の直前に、まもなくバブルが崩壊することを予測できていた人はほとんどいませんでした。
予測できていた人はどの時代でも一部にいたのですが、そういう人は「不況になる兆候」をキャッチするのがうまく、どんなに周りが浮かれていても、自分は浮かれていなかったり、バブル崩壊前の危ないタイミングで株を売却してうまく逃げていたりしました。
さらに本当に嗅覚の鋭いごくごく一部の人たちは、その状況を大チャンスとばかりに、逆にその不況に入った前後にハイエナのように株を買い漁るなどして、その後莫大な利益を得ています。
(余談ですが、今回の不況でも同じで、その手の人たちは「2023年の世界的不況の、さらにその先」まで見越して、既に動き出している情報を私はキャッチしております。実際そういう人を知っていますが、嗅覚がエグすぎて普通の人は到底真似できませんし、投資家の中でもこのタイミングでここまでやれる人はほとんどいないと思われます。)
今思い出しましたが、リーマンショックを事前に予想していた人たちの映画を前に見たことがありました。非常に面白かった記憶があります。
タイトルは忘れてたんですが、今調べたらわかりました。こちら。アカデミー賞の脚色賞も受賞したようです。
▼【予告編】リーマンショックを予見した男たちの演技合戦!『マネー・ショート 華麗なる大逆転』 | cinemacafe.net
https://s.cinemacafe.net/article/2015/12/15/36434.html
▼マネー・ショート〜“リーマンショック”を予期した4人のアウトローたちの葛藤
http://www.tapthepop.net/scene/74696/amp
そんな感じで世界的な不況を事前に察知して、それを大チャンスとばかりに動き出す嗅覚が異常に鋭い人や組織も、ごくごく一部にいるのですが、こういう超レアケースを除いて、ほとんどの人は大不況で大変な思いをすることになります。
リーマンショックの時もそうでしたが、大不況になると、真っ先に非正規雇用の人がクビを切られますし(もともと「雇用の調整弁」ですので)、
逆に自分で事業をやっていて「稼ぐ力」がある人や、会社員の方でも稼ぐ力・スキル・市場価値の高い人は、そういう状況でも問題なく乗り越えられる可能性は高いです。
自分がそれに当てはまらない人は、今からでもいいので地道に、自分の状況における
「稼ぐ力」「スキル」「市場価値」
は何かを考えるなりリサーチし、それを高めていく積み重ねをしていくのが重要になります。
1番危ないのは、ただ雇われて、上の人から支持されることを、言われた通りにやっているだけの人です。さらに帰宅後も、朝も、土日も普通に過ごしているだけの人。これは非常に危ない。
理由は簡単で、それでは何も身に付かないから。
それでも毎月給料が振り込まれますので、ついそこに安住・安心してしまいがちですが、その自分の状況の大きなリスクに気づけるかどうかが、まずポイントになります。
いずれにしろ、世界的な不況は、来年から2024年の春ごろまでに発生する可能性が高く、その後大変な状況がしばらく続いたとしても、いずれ世界は景気を元に戻します。
しかし、日本だけは自民党と財務省が100%完全に間違った緊縮財政を徹底的に続けているので、世界的な不況のあおりを受けるだけでなく、その後回復もできなくなる可能性が非常に高いです。
したがって長期的に、少なくとも今後3年から5年ぐらいは、日本はこのままどんどん、これまで以上のスピードで景気が悪くなっていく。これまでの常識もたくさん崩れていく。
…という前提で、自分の人生に関するあらゆることを考えておいた方がいいと私は思います。
それではまた。