- 2023-10-4
- 経済の話
こんにちは、中西です。
10月からインボイスがスタートしましたが、案の定日本中で大混乱が起こっております。
改めて、インボイスのメリット・デメリットについて私なりにまとめてみます。
(今回はインボイスについての基礎知識や経過措置に関する話は省略)
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<インボイスのデメリット>
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・インボイスは、
免税事業者(年商1000万円以下でこれまで消費税を払わなくて良かった事業者)
課税事業者(仕事の発注者、小売店・飲食店などの販売者など)
消費者
の3者で「消費税を押し付け合うデスゲーム」が本質。実態として単なる消費増税。
・立場の弱い免税事業者は、インボイス登録をしなければ取引先から契約を切られ、仕事を失う可能性が高まる。
(理由は免税事業者がインボイス登録をしていないと、仕事を発注する課税事業者は仕入れ税額控除ができない=消費税を負担しなければならなくなるため。
しかし免税事業者がインボイス登録をしてしまうと、これまで年商1000万円以下で消費税を払う必要はなかったにもかかわらず、払わなければならなくなる。
年間1ヶ月分の収入が減るため廃業せざるを得ない事業者も続出する)
・利益の大きくない事業者は、消費税を納めていたら生活できなくなるリスクがあるため設けられたのが「年間の課税売上が1000万円以下」の事業者の消費税納付を免除する制度。これは生活していけない人が出ない目的で作られた、所得税における基礎控除のような措置。
にもかかわらず、インボイスは実態として免税事業者に消費税納付の圧力をかけ、それができない事業者を廃業に追い込む。
つまりは「ただの弱い者いじめ」「経済的困窮者への虐待」でしかない。
・個人の運送ドライバーの4割、声優の3割、演劇、漫画、アニメ業界の個人事業主の2割が廃業を検討、その他小売り・飲食・建築・農業などなど、あらゆる業界で免税事業者の多くが減収・廃業のリスクが高まる。
・本来の仕事の能力ではなく「インボイスに登録しているかどうか」で仕事の有利・不利が決まっていく可能性が高まる。
・免税事業者が消費税を払わずに助かった場合、「課税事業者に対する増税」となる。(実際のところ、この可能性が一番高い)
・経理業務の負担が大きく増える。税理士が提供している経理ソフト企業の試算では、日本全体で年間4兆円(1ヶ月で3400億円)のコストがインボイスの対応だけにかかる。
・インボイスによる政府の税収は年間2500億円。わずか1ヶ月のコストで税収を上回ってしまう。
・本来売り上げを上げるために財(モノ)・サービスを提供するための時間が、何の価値も生み出さないインボイス対応に費やされる。無駄なコストが発生する結果、事業者の売り上げが下がり、経済が悪化する。
・免税事業者と課税事業者の関係が悪化する可能性が高まる。(消費税の負担の押し付け合いのため)
・そもそも消費税は日本衰退の諸悪の根源。撤廃か最悪でも減税すべきもの。
・しかも消費増税の目的とされていた「社会保障の財源」にも消費税は使われていない。
(消費税は一般会計として他の税金と一緒くたにされるため、「消費税分が社会保障費に使われている」ことは物理的に確認できない)
・そもそも税金は財源ではない。消費税どころかあらゆる税金は「財源」として徴収すべき必然性は一切存在しない。
(財源が必要なら国債を発行すればいいだけ。国債は単なる通貨の発行であり、その数字がどれだけ増えたところで返済すべき借金にはならない。そもそも政府は税金で国債を返済しておらず、借り換えという形で「国債発行で国債を返済している」ので、「将来世代のツケ」にも一切なりようがないため)
・100億歩ゆずって「財源」というこじつけでインボイスを導入するにしても、物価高で日本中の国民が苦しんでいるこのタイミングで導入すべき制度では断じてない。
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<インボイスのメリット>
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・財務省の官僚が税収増で歓喜する。
(ただし増えるのは2500億円にすぎず、消費税の税収23兆円のうちわずか1%だけ。その財務官僚のための1%の税収アップのために、日本中の国民の多くが廃業し、生活が苦しくなり、供給能力が破壊され、余計な業務とコストが増え、経済がこれまで以上に衰退する。)
・消費税の正体が多くの国民にバレた。(しいて言うなら)
(消費者からの「預り金」「益税」ではない。消費者が払っているわけではない。それがインボイスの業務の実体でバレる。今後さらにバレて行く。
他の根拠として東京地裁判決1990年3月26日、財務大臣政務官2023年2月10日の国会答弁で「預り金」「益税」ではないことが認められている)
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・・・つまりは、国民にとって二重三重四重五重に、あらゆる角度から考えて
「百害あって一利なし」
の究極の世紀の大愚策がインボイス制度なのです。
なお、インボイス反対のオンライン署名は1か月前の9月4日時点で36万筆でしたが、
その後、オンライン署名で過去最高だった東京五輪の反対署名46万筆を超えて、過去1位のオンライン署名となり、
現在は1か月前から20万筆増えて56万筆近くになっています。
本日、岸田政権の発足から2年が経ちましたが、岸田総理の功績はインボイスの大愚策をはじめ、
あらゆる政策で自民党では国が破壊されまくることを、
多くの国民にハッキリと認識させたことだと思います。
それではまた。