- 2012-3-3
- 1ヶ月100記事企画, 睡眠効率アップで集中力UP
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今回の記事は⇒「睡眠不足でよく困る人」が対象です。
こんにちは!早稲田集中力研究会の中西です。
受験勉強を進めていく上で、
勉強法以外にも必要不可欠な知識というのがいくつかありますが、
その中でも特に知っておくべき重要なものの1つが
「睡眠」
についての知識です。
受験勉強というのは、
本当に「睡眠」と密接につながっていて、
睡眠についての知識の有無が、
下手をすると、受験の勝敗を左右しかねないほど大きな鍵を握っています。
が、それについて、
学校や塾で突っ込んで教えてくれることはほとんどありません。
そこでこのブログでは、
勉強の生産性をアップさせる上で必要不可欠な
睡眠についての知識を、
今後ドシドシお伝えしていく予定です。
(もちろん睡眠のすべてを1回2回で
語り尽くすことは到底無理なので、
このブログのテーマの1つとして
機会があるごとにお伝えしていきます。)
で、今回の睡眠テーマは
【 慢性的睡眠不足 】
についての話を。
その昔、受験業界には
「四当五落」
(=4時間睡眠なら合格できるが、5時間睡眠だと落ちる)
という、今や冗談としか思えない(-_-)
言葉が流行したことがあります。
ところが驚くべき事に、
私は今までOCP(受験勉強オンラインコーチング・プログラム)のメンバーや、ブログ読者さんから睡眠についての多くの質問・相談を受けてきた中で、
この「四当五落」の話を、実際に先生に言われたという生徒に数回遭遇しました。
もちろん、「『四当五落』は間違っている」という話としてではなく、素で
「5時間も寝てるのか!4時間じゃないと受からないぞ!」
的なことを言う先生がいるようなのです(;`O´)
正直信じられなかったのですが、もしやと思ってある生徒に一度
「その先生、かなり高齢の先生では?」
と聞いてみたことがあるのですが、案の定、高齢の先生でした(^^;)
ようするに、「四当五落」の時代の古い知識を現代までずっと信じて引きずって来られたというわけです。
うーん。。。
これはかなり極端な例だと思いますが、
「睡眠不足」が、勉強の集中力・記憶力を低下させ、勉強の生産性にとって、何一つメリットがない
のは今や常識。
そこで、今回はこの
「睡眠不足」
というものについて
もう一歩突っ込んでお話ししたいと思います。
そもそも睡眠不足には、大きく分けて
▼慢性的睡眠不足
▼急性的睡眠不足
の2種類があります。
「慢性的」とは、1週間、2週間、1ヶ月と、
中長期にわたって、睡眠不足が続く状態。
たとえば本来7時間は睡眠が必要な人が、
何週間も5~6時間睡眠が続いているような状態なら
「慢性的」な睡眠不足といえます。
いっぽう「急性的」というのは、
たとえばある日徹夜をして、
「24時間連続で起きてます(>_<)」
というような、突発的な超睡眠不足の状態。
(期末テストの一夜漬けみたいなものですね)
で、この「慢性的」と「急性的」、
どちらが危険かというと、
「慢性的睡眠不足」の方です。
実は、以前私はこの点を勘違いしていました。
というのも、私が以前勤めていた会社のやり手の上司や、尊敬するある経営者の方が、共通して、
「月曜から金曜までの睡眠不足は、週末にたくさん寝ることで補っている」
とおっしゃってたんですよね。
で、「へぇ、そういうものか」と
ずっと思い込んでいたのですが、
残念ながら、事実は少し違っていたようです。
アメリカのある機関の研究結果によると、
慢性的な睡眠不足が続いた場合、その後、まとめて長時間(たとえば10時間ぐらい)寝ても、
起床直後だけ、いったん正常に回復したかのように見えるのですが
実のところは、集中力・注意力といった脳の機能は完全には回復しなかったそうです。
私の推測ですが、この
「起床直後だけ、正常に回復したかのように感じる」
という部分が落とし穴で、
その起床直後の感覚でもって
「長時間寝たら回復した!」
と思ってしまう人が少なくなかったのだと思われます。
ところが実際は、慢性的睡眠不足の場合は、1日長時間寝た程度では回復できず、
その後、長期間に渡ってしっかり睡眠をとり続けないことには
脳の機能は、なかなか元に戻らないのです。
(ではどれくらいの期間しっかり寝たら回復するのかはまだ分かっていないとのこと。
ただ少なくとも、慢性的睡眠不足に一度陥った場合、3日間しっかり寝るくらいでは回復しないようです。
逆に、徹夜などの「急性的睡眠不足」の場合は、一度しっかりと10時間ぐらい寝るだけで回復するとのこと)
・・・以上の結果から考えると、まず、
「睡眠不足が続いても、週末にまとめてしっかり寝ればいいや(´▽`)」
という考え方は、非常に危険だということがわかります。
もっと怖いのは、「慢性的睡眠不足」が続きすぎて、もうその状態が「当たり前」になっている人です。
その感覚がふつうになりすぎているために、自分が慢性的睡眠不足であることすら、気づかない。
これは怖いです。
自分の慢性的睡眠不足に気づかないから、勉強の生産性が、実は激減していることにも気づけない。
「なんかやる気でないなぁ(=_=)」
「なんか集中できないなぁ(>_<;)」
と思っても、原因がわからないわけです。
で、睡眠不足かと思って1日しっかり寝てみても、
それが「慢性的睡眠不足」であれば、上記のとおり1日では回復しないので、
「最近のオレ、本当に怠慢になってきてるよなぁ(´ヘ`;)」
などと、いつのまにか自分の精神状態のせいにしてしまうことだってありうるのです。
本当は、単に「慢性的睡眠不足」が理由なのに。
このように、「慢性的睡眠不足」というのは、なかなか脱出できないスランプ地獄に陥ってしまう危険があります。
そうならないためにも、
日々、睡眠時間の確保をしっかり意識すること。また、もし睡眠不足になってしまったら、
できるだけ「慢性化」する前に、遅くとも2~3日以内に、一度しっかり睡眠をとる
ようにすることを心がけてください。
これは単に「知っているかどうか」の問題です。
そうやって「慢性的睡眠不足」の怖さを知っておけば、対策はそれほど難しくありませんからね。
睡眠不足は、早め早めに回復させて、くれぐれも慢性化させないようにしてほしいと思います。