- 2015-9-24
- おすすめ記事, その他・雑談, 受験を突破するマインドセット, 受験生が陥る不安・焦りの対処法, 大学生活について考える, 志望校・進路の決め方
こんにちは、中西です。
突然ですが、受験生の
“理想の姿”
はどういう姿でしょうか。
私は、
自分で決めた勉強すべき時間帯に、
勉強に集中できている状態
だと考えています。
え?「あたり前じゃん」って?
ところが、
勉強に集中できていない人に限って、
なんだかんだと言い訳をして
「逃避」
の行動をとっていることが
少なくないのです。
その典型的な逃避パターンの1つが、
「将来のことをいろいろ思い悩む」
というもの。とくに大学受験生。
ここでいう「将来のこと」というのは、
自分がやりたいこととか、
自分の好きなことは何かとか、
自分は何に向いているのだろうとか、
どんな人生を生きたらいいのだろうとか、
どんな職業につけばいいのだろうとか
・・・・言い出したらきりがないですが、
ようするに受験が終わって以降の
自分自身や自分の人生に関するすべてのこと。
まあ気持ちは
ものすごく良くわかるのですが、
勉強から逃げ出したい心理が高まると、
そういう思考に走りやすくなるので
注意が必要です。
時間の無い受験生のときに
そんなことをあれこれ考えるわりに、
時間のあり余る大学生になってからは
全く何も考えなくなって毎日遊びほうけて
いる大学生も少なくありません(゚Д゚;)
考える順番が逆やん。
私は受験中にそうやって将来のことを
いろいろ考え、思い悩むのは、
「時間の無駄以外の何ものでもない」
と思っています。
なぜなら、大学入学前の段階でどれほど
将来について思い悩んでも、
受験中にその答えは99%出ないからです。
もちろんすでに将来の目標なり
なりたい自分像なり
なりたい職業なり、
やりたいこと、好きなことなりが
ある程度以上、明確になっているなら
それでいいのですが、
そうでない人は、
受験中にそんなことを考え続けても
ほとんど無意味に近いです。
多少個人差はありますが、
20歳前後くらいのまだほとんど
経験が無い段階で、
自分自身について考えまくったり
自分の心の内側なんて、
どれほど深く深くほりさげてみても、
何も出てきやしませんぜ。
あなたの好きなこと、やりたいこと、
どんな生き方がしたいのか、
どんな仕事をすればいいのか
・・・的なことを、
どんなに掘り下げて考えてみても
頭で思い悩んでも、出てきません。
どれだけ心の内部を
掘って掘って掘っていっても、
過去の学生時代(小中高)の
経験や知識の引き出しからしか、
自分自身や世の中のことを
把握していないのなら
その状態から導き出される答えは、
非常に狭い範囲で自分の可能性を考えた
結論しか出てこないのです。
小中学生や高校生の
なりたい職業ランキングに必ず
「学校の先生」
が入るのは、
(高校生では男女ともにトップにランキング)
見方を変えると、
自分が知っている大人からしか
世界や職業を認識できない
という1つの証左ともいえるでしょう。
「学校の先生になりたい!」
「研究者になりたい!」
「作家になりたい!」
「お笑い芸人になりたい!」
「俳優になりたい!」
「ミュージシャンになりたい!」
・・・これらどの職業も
間違いなく素晴らしい職業ですが、
高校ぐらいまでの
自分の知識や経験した範囲内で
自分探し・職業探しをしている限りは、
本来の自分の可能性やもっと別のところに
存在しているかもしれない
自分の適性を活かせる場所や活かし方
についての考察を深めることなど
できません。
私も含め、人間というのは
自分の知っている範囲の中でしか、
世界を認識できないのです。
しかし世界はおそらく
あなたが思っている以上に広いです。
だからこそ、
とくに大学入学前の受験生の間などは
「自分は今、狭い範囲の中でしか
世界(世間)を認識できていない」という認識
がとても重要になります。
自分自身の適性や好きなことや
天職や将来の可能性がわかる、
正確な(より正確に近い)答え
というのは、
自分からアクションを起こした結果から
“感じたこと”
の中にしかないです。
少なくとも私はそうでしたし、
多くの方の人生パターンを見て行っても
そうとしか思えません。
自分から大してアクションも
起こしていない段階で、
頭の中でどれほど自分自身について
理屈をこねくりまわしたり、
本を読んだり、セミナーに出たり
職業図鑑やお仕事情報などをインプットしても、
それだけでは、自分について
何も答えは得られないです。
そこからもし答えらしきものが
得られたとしても、
せいぜい自分自身についての
“仮説”
にすぎません。
したがって実際にアクションを起こして
経験をした瞬間に、
頭の中で考えてきたその仮説が
あっさり崩壊してしまう。゚ヽ(゚´Д`)ノ゚。
なんてオチが待っている可能性は十分あります。
ちなみに私は何度も崩壊しています(笑)
経験値や知識があまり無い段階で、
アクションを起こさないで
自分自身について思い悩むのは、
ほとんど無意味に近いといえるでしょう。
自分自身がどういう存在かというのは、
頭の中で「考える」「想像する」だけでは
100年たっても何もわからないです。
だから、受験中に将来のことを
いろいろ思い悩むのは時間の無駄なのです。
そういうのは、全部
「大学に入ってからの後回し」
でOK。
志望校を決めたのなら、
未来を思い煩(わずら)うのではなく、
受験中は受験勉強に専念して下さい。
結論は、あまりにもシンプルな
教育ママが言いそうな説教臭いオチ
になるのですが、上記の理由により、
受験生の間は
「わき目もふらず、勉強に没頭しまくる」
ことが正解になります。
それではまた。
P.S
<ショートショート2>
受験生のタロウは、
夏休みが終わって秋になった頃から
勉強が手に付かなくなっていた。
突然、自分がなぜ受験勉強をしているのか
わからなくなったのだ。
一応志望校を決めたけど
自分は本当は何をやりたいのか、
自分は本当はどんな分野に向いているのか
自分が本当にやりたいことは何なのか。
それがよくわからず、
考えても考えても答えが見つからず
毎日思い悩んでいた。
いつのまにか、タロウは
受験勉強をする気力が無くなっていた。
タロウの友人のイチロウは、
将来のことなど何も考えず、ただひたすら
毎日目の前の受験勉強に取り組んでいた。
タロウは、イチロウが自分の将来のことや
自分について何も深く考えず、
自分の心と向き合うこともなく、
自分自身を深く見つめることもなく、
ただひたすら
勉強ばかりしているイチロウを
内心小バカにしていた。
「イチロウは浅い奴だ」。
数ヵ月後、イチロウは志望校に合格し、
タロウは浪人生となった。
4年後、タロウは4浪生になっていた。
イチロウは大学を卒業し、社会人になっていた。
タロウはイチロウを小バカにしながら思った。
「現役で第一志望の大学を出ても、
結局会社の奴隷じゃ意味無いじゃん」
8年後、タロウは自分探しの旅に出た。
イチロウは、仕事中に興味のある分野が見つかり、転職した。
タロウはイチロウを小バカにして思った。
「お前はやりたいこともやらないで、
いつまでも会社の歯車かよ」
12年後、タロウはバイトの面接で落とされた。
イチロウは、転職先の仕事で知り合った人と会社を設立した。
20年後、タロウはあるミュージシャンのライブを観に行った。
翌日、自分の本当にやりたいことは音楽しかないと思った。
音楽ならたくさんの人を幸せにして、この世界を変えられる。
ついに自分のやりたいことが見つかった気がした。
次のバイトの面接に行くための、履歴書を書きながら。
イチロウは、
休日に趣味のバンド活動で楽しく盛り上がった翌日、
自分の会社に出勤して、
今日から始まる会社のバイト採用に
応募してきた大勢の人たちの履歴書を見ながら、
目にとまった一人の応募者の男を
書類選考で落とすことにした。