- 2015-6-12
- おすすめ記事, 睡眠効率アップで集中力UP
「睡眠が不足すると、
疲労が取り除けないばかりか、
記憶の定着や思考の整理といった
脳の作業を妨げることになります。」築山節
こんにちは、中西です。
今日、OCPメンバーが
こんな書き込みをしているのを見つけました。
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「わたしは自分のベストな睡眠時間は
7時間だと思っているのですが、
『さすがに受験生としては寝過ぎかな?』とか、
でも授業眠くなるのは嫌だなぁ
…とかもんもんとしています笑」
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・・・とまあこんな
コメントだったのですが、
すぐに
「7時間はぜんぜん寝すぎではないですよー」
というアドバイスをしておきました。
この手の誤解というのは、
受験生のあいだでとても良くある誤解です。
「受験生になったのだから、
たっぷり悠長に寝ていてはだめ。
多少眠くても、眠気と闘いながらでも、
勉強しなければいけない。
ぐっすり寝るなんて、のん気すぎる」
・・・勝手にこういうイメージを
持っている人がいるのです。
はっきり言って、致命的な間違いです。
あなたの人生を変えてしまいかねないほど、
致命的な誤解だといえるでしょう。
このようなイメージを
持っている人は、残念ながら、
「受験生なのに、7~8時間も寝ていたらダメだ!」
などと考えてしまいます。
実は指導者の立場でこういうことを
言っている人も少なくないのです。
ひどい先生になると、
「5時間も寝てる?そんなんで受かるわけないだろ!」
なんて言ってる人まで本当にいます。
(↑各種メンバーさんから
何度も聞いた話。年配の先生に多い)
睡眠時間というのは、
一般的な目安ならいえるのですが、
そもそも人の睡眠時間を
第三者の他人が具体的に
「睡眠時間は○時間以内に抑えるべき」
なんて指導をできるわけがないのです。
「受験生になったのだから、
睡眠時間は○時間以内で。それ以上は寝すぎ!」
という発想自体が、あまりにも浅はかで、
スーパー超絶にア○な発想なのです。
受験生にとっての、睡眠における原則はこうですよ。
【 しっかり寝て、クリアな頭で、集中して勉強する 】
これしかありません。これが合格する人の考え方です。
個々の状況はいろいろあっても、合格する人は、
いかにこの理想に近づけるか
に執念を燃やします。
睡眠時間を「死守する」というイメージです。
この理想の状態をどれだけきっちり作り出せるかが、
合格のカギを握ることを知っているからです。
その状態を作るために、
あらゆる工夫をすべきなのです。
ここで、簡単な思考実験!ヽ(´∀`*)ノ
「睡眠」と「勉強」に使える時間が、
トータルで10時間あるとします。
あなたがこの10時間を
「睡眠」と「勉強」に分配する場合、
それぞれ何時間ずつに分配しますか?
あなたは「7~8時間寝ないと
頭がっきりしないタイプ」だとして、
どっちか1つのパターンで、
受験本番まで行かなければならないとしたら、
以下の2つのパターンのうち、どちらを選ぶか。
さあ、どっち?
Aパターン:6時間寝て、4時間勉強する
Bパターン:8時間寝て、2時間勉強する
・・・・ともに計10時間費やしていますが、
睡眠と勉強の時間配分が違います。
睡眠で失敗するタイプの人は、
この2つのパターンを見てどう考えるかというと、
「Aのほうが『勉強時間が2倍』もあるやんヽ(´▽`)ノ。
睡眠時間が6時間だと私はちょっと眠いけど、
多少くらい眠気に耐えても、
勉強時間が2倍もあるAのほうが絶対いいはず」
・・・なーんて考えてしまうわけです。
たしかに単純に勉強時間だけ見たら、
4時間と2時間で2倍もの差があります。
ここだけ見たら、絶対Aパターンのほうがいい、
ということになるでしょう。
が、人間の生産性というのは、
そんな単純な数値では計れないのです。
重要なことなので、もう1回言います。
人間の生産性というのは、そんな単純な数値では
計れないのでございますことよ!(語尾変わった)
1日7~8時間の睡眠が必要な人が、
6時間程度の睡眠で勉強をした場合、
生産性が2分の1くらいまで
落ちることなんてザラにありますよ。
睡眠不足というのは、
最近の研究で、脳の状態が
「酔っぱらいと同じ」
だということまで判明しているのです。
つまり、いくら勉強時間が2倍あっても、
酔っぱらいながら生産性なんて
高まるわけがないという話。
さらにBパターンのように
勉強時間が短いほうが、
「この短い時間で、集中してやらなければならない!」
という緊張感を持って勉強できます。
この「緊張感の有無」も
勉強のパフォーマンスアップにとって
極めて重要なポイントです。
しかもBの場合、
“しっかり寝たクリアな頭”
であると同時に、
“緊張感を持って”
勉強できるわけです。
睡眠時間を削って勉強時間が増えた人は、
勉強時間が確保できたことに満足してしまい、
その中途半端な満足感は油断となり、
集中力を低下させ、トータルの勉強量まで
下がってしまうのです。
酔っぱらいながら、眠い目をこすりながら、
ストレスを感じながら、
「あーちょっと寝たい~」などと
心の中で何度も叫びながら、
ときどき白目を向きながら、さらに
「勉強時間をとりあえず確保できたこと」
に油断しながら、4時間勉強するのと、
「この2時間を絶対に無駄にしない!」
という緊張感を持って、しっかり寝たクリアな頭で、
集中して2時間勉強するパターン。
長期的に見たときに、どっちに軍配が上がり、
どちらが最後に笑う可能性が高いでしょうか?
その答えが、あなたが選ぶべき睡眠パターンなのです。
「『休めない』という人は、どこかで休息や睡眠を
無駄な時間だと思っているところがあります。」
西多昌規(医学博士、睡眠医療認定医)