- 2025-7-17
- 経済の話
こんにちは、中西です。
今回の参院選の争点は、減税と外国人問題の二つだという話をしてきました。
そして、この二つの問題の背景にあるのが、「緊縮財政」と「新自由主義」という二つの思想です。
この緊縮財政と新自由主義が、日本を30年衰退させてきたというのがファクトになります。
よって、この二つを標榜している政党や政治家には、絶対に入れてはいけないとお伝えしてきました。
その政党は、自民党、公明党、立憲民主党、維新の4つです。
それ以外の政党から選ばなければならない、というのが国民全員の共通認識になるべきなのです。
思想や見解の相違はいろいろあると思いますが、この二つを標榜する政党・政治家は、絶対に選んではいけません。
緊縮財政については散々語り尽くしているので、今回は「新自由主義」の方を少しお話しします。
新自由主義とは、簡単に言えば「民営化して効率化しよう」という考え方です。
典型的なのが、20年前の郵政民営化でした。
政府が管理していると効率が悪いという考えのもと、民営化して民間企業に任せることでうまくいくと信じられてきたわけです。
そして、それをいまだに信じ込んでいる政治家や政党も相当数います。
私の感覚では、国民の中でこれをまだ強く信じている人は、かなり減ってきていると思います。
しかし、この新自由主義の問題の根の深さは、そもそも経済学自体がこの考え方で始まっているという点にあります。
経済学の父と呼ばれる18世紀の経済学者、アダム・スミスは『国富論』という著書を書きました。
この『国富論』は、多くの人が学生時代に習ったと思いますが、経済学の土台ともいえる存在です。
その中で用いられたのが、「神の見えざる手」という有名な言葉です。
これは、競争によって各人が自分の利益を追求していけば、社会全体の利益が最適化されてうまくいくという考え方です。
一見すると、確かに政府がやることは非効率な場合も多く、競争することで商品やサービスが磨かれる部分もあります。
しかしながら、競争や民営化が「何でもかんでも当てはまる」と考えてしまったことが、日本の衰退の根本原因の一つなのです。
いわゆる「競争原理主義」や「市場原理主義」とも言えるかもしれません。
何でも民営化し、競争すればうまくいくとは限りません。
儲からないけれど国民にとって必要な分野は、国が守らなければなりません。
にもかかわらず、「国は守らなくていいから全部民営化してしまえ」としてきたのがこの20年です。
竹中平蔵氏などは、その典型とも言える存在であり、まさに諸悪の根源のような存在です。
たとえば、郵政の民営化はその象徴です。
これまで政府が保護していた事業というのは、国民にとって必要で、ニーズがあるから政府がやっていたわけです。
それを「非効率だから」という理由で民営化することで、外国企業が参入し、外資が大儲けできる構造になったのです。
郵政民営化の結果として、アメリカの保険会社が大儲けしました。
そのおこぼれを預かることができる連中がいるわけです。
まさに「売国奴」としか言いようがないろくでもない連中です。
こうした外資やアメリカ、あるいはそれらから利益を得られる竹中のような御用学者や政治家がいて、日本中が騙された。
それが日本のこの30年以上の衰退の構図です。
小泉純一郎元総理なども、本気で郵政民営化でうまくいくと信じていたように私には見えます。
今度は息子が農協を外資のK社に売り渡そうとしている。あのボンクラバカ息子のグローバリズムへの洗脳は留学時代のCSISで完了済み。
いずれにせよ、国民のためのインフラは「儲からないから」といって切り捨てていい事業はほとんどないのです。
たとえば、小さな島や田舎の過疎地にある郵便局がなくなれば、そこに住む人は何も郵送できなくなります。
鉄道も同じです。儲からないからといって廃線にすれば、そこに住む地方の国民は生活が成り立たなくなります。
水道を民営化してしまえば、人間にとって最も重要な飲み水が「儲け主義の道具」にされてしまい、国民は高い水道料金を払わされます。
電気もライフラインですが、同様に必要以上の高額料金を負担させられることになります。
農業に関しても、最近特に話題になっていますが、食料安全保障の最重要分野にも関わらず、「儲からないから潰す」という発想が蔓延すれば、国民の安全保障そのものが脅かされます。
このように、「儲からないけれど国民に必要な分野」は、政府が守り、保障していくべきです。
それなのに、競争原理主義、市場原理主義、民営化という考えのもとに政策を続けてきた結果、日本はボロボロにされてしまいました。
これが、日本の衰退を招いた大きな原因の一つなのです。
この観点から、一昨日、島根県松江駅前で行われた参政党の神谷代表による応援演説は、少なくとも「その部分に限っては」非常に素晴らしい内容でした。
私は大変でしたが、その演説の一部を文字起こしして以下に転記しておきます。
早ければ1分で読めると思いますので、ぜひ目を通してみてください。
念のために申し上げておきますが、神谷氏の財政認識には明らかにおかしい部分も多くあります。
以下に転記した演説の中にも、「経済成長をすることで財源を手に入れる」という考え方がにじみ出ていたり、先日も「ハイパーインフレが起こる」といった発言をしていたりと、根本的な経済理解がかなり怪しいのは間違いありません。
とはいえ、致命的な大きな間違いは犯しておらず、彼が言っている「インフラによる財政出動」を実施すれば、日本の景気は確実に活性化します。
この演説部分に限っては、私は非常に高く評価しており、点数で言えば97点ぐらいをつけたい内容です。
というわけで、以下に神谷氏の演説の一部を転記します。
経済学と日本政府によって長年続けられてきた「間違った新自由主義」が、いかにして日本をボロボロにしてきたか。
なぜ今、それを終わらせなければならないのか。
その背景が、具体的な話とともにわかる内容ですので、ぜひ読んでみてください。
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神谷氏の7月15日(火)の
島根県松江駅前の演説より
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(税金や社会保険料は)
国民の所得の3分の1までしか集められない仕組みにする。
憲法に書いてもいいぐらいですよ。
その中でやりくりする仕組みにするんです。
(※中西注:ここは明らかにおかしいです。「その限られた財源内でやりくりする」必要性は全くありません。国債発行で問題ないため)
財源が足りないと財務省が絶対言ってくるから、それだったらGDPを上げればいいんですよ。
GDPが上がらないから税収が上がらないんですよ。
今は集めて配る、配り方が下手だから経済が回っていない。
(※中西注:「配り方」の上手い・下手はGDPと関係ないです。GDP公式により政府が支出すれば必ずGDPは上がります。日本は30年も不十分な支出しかしなかったため衰退しました)
失われた30年があるので、5年ぐらいでGDPを倍にしなければならない。
そのためには積極財政。
積極財政は、私が青森から下関までの日本海新幹線を作ろうと考えている。
人口が少ないから新幹線を作らないとか言うが、違うんですよ。
新幹線を作らないから人口が減るんですよ。逆なんですよ。
高速インフラが良くなったら、地元に住みながら都会で仕事をしたり行き来しようということになるの。
私が今石川県に住んでいるのも、近くに小松空港があるからですよ。
小松空港があるから簡単に東京とか福岡に行ける。
東京、大阪、名古屋、全部2時間以内に行けるから地方なんだけど、交通アクセスが地方だけどいい。
だから私は今石川県の加賀市に家族と暮らせています。最近帰れてないけど笑
新幹線を通す、新しい橋を作る、上下水道、5、60年経って穴が開いている。
これは国が回収すべきです。地方自治体じゃなくて。
新幹線、橋、道路、上下水道、全部国がやるべきです。
それは国がやらないと県だけのお金では無理。だって県に財源は無いんだから。
特に小さい所なんか無理じゃないですか。税収少ないから。
東京ばっかり人が集まっちゃうじゃないですか。だからダメです。
地方の整備は国が責任を持ってやる。
これを30年40年かけてやってもいい。
毎年何千億円という予算が各県に来て、それが仕事として発注されるって分かったら、皆さん地元で建設会社作ろうと思うでしょ。
だって仕事があるんだから。
そこにちゃんと外国人じゃなくて、地元の島根の若者を雇ってください。
今、外国人を雇うと補助金とか出ておかしい。
地元の学生を雇ったら補助金。
地元の若者を雇って技術を継承していかないと。
農業の一次産業も一緒。半公務員、準公務員でいいですよ。
国家事業としてやる。
そうじゃないと海とか山とかが守れない。
農地が守れない。
技術の継承が途絶えようとしているのが一番の問題。
赤字国債より、日本人の技術とか生産力、供給力が失われていくのが一番の問題です。
これを理解してください。皆さんわかるでしょう、現場の方。
そこに外国人はお手伝いでやってもらうのはいいけど、彼らを主軸にやっては技術の継承ができない。
彼らは帰ってしまう可能性が高いから。
だからそこに地元の若者をちゃんと入れて、その若者がちゃんと30年40年勤めれば、家も買える、車も買える、子供も養えるという保障を国がやらないといけないんです。
ここに市場原理とか競争とか、規制緩和とか構造改革とかいりません。
そんなことやってるから地方がダメになる。
そんなことやってるから人口減ったんですよ。
そんなことやってるから国力落ちたんです。
これが日本の大問題。
ここに競争なんか入れるからダメだったんですよ。
やった奴ら出てこいって話でしょ。
参政党はそれを一気に大転換したい。
価値観を変えたい、そして地方を元気にしたい。
島根、鳥取も人口減少が著しくて大変だと思いますが、福井県も大変です。
地元の子供たちが大人になってもその土地に住みたいと思わないなら悲しいじゃないですか。
もうこの土地はダメだから東京に行くとか、誰もお墓を守ってくれなかったら悲しいじゃないですか。
農地を売り渡すの嫌じゃないですか。それを守るのが国の責任ですよ。
経済合理性だけで物事を進めるんじゃない!!!
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・・・このまま終わるつもりでしたが少しだけ補足すると、神谷氏が言うような
「インフラ投資によって経済を成長させる」
というのは、イギリスの経済学者ケインズが100年くらい前に提唱した
【 ケインズ政策 】
と呼ばれるもので、結局このケインズ政策が正しかったのです。
MMT(現代貨幣理論)は正しい財政認識の典型理論ですが、MMTはこのケインズ理論に基づくケインズ政策的な主張をしています。
まあそんな小難しい理論など知らなくても、普通に商売やビジネスをやってたり、経済の現実を素直に見れるなら、
インフラ投資で経済が活性化するなど誰でもわかるんじゃないかと。
それを「公共投資はムダ」などと言って、自公政権・民主党政権(「コンクリートから人へ」)は公共投資を削減しまくった結果、日本は衰退しました。
インフラ整備・修繕もろくにできない国になり下がったのです。
インフラ投資は神谷氏以外でも、日本保守党の有本香氏やれいわの山本太郎氏も言っていたと思います。
自公政権を終わらせなければ、インフラ投資を抑制するような狂った時代が、これからもずっと続きます。
自公・立憲・維新の「新自由主義」の政策を終わらせなければ、こうやって日本は崩壊していくのです。


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