- 2025-6-26
- その他・雑談, 働き方・キャリアの話
こんにちは、中西です。
32年間も続いた人気番組、ダウンタウンDXが最終回を迎えたようです。
この最終回の内容が不満・失望したということで、プチ炎上のような状態になっています。
私はダウンタウンが好きなのですが、あの番組は見る気にならず、ほとんど見たことがありません。
家にテレビを20年置いていないので、そもそも見られなかったのですが、見たいと思ったことがなく、最後に見たのも20年以上前です。
なのでダウンタウンDXに思い入れはありませんが、それでもゴールデンタイムに長年放送された人気番組だったのは知っていますので、
そういう番組がダウンタウン不在で、しかも番組とは全く違うロケのような形で終わり、多くの視聴者が不満や失望をして終わったというのは、残念な気持ちになります。
以前、誰かが言っていましたが、バラエティ番組というのはほとんどの場合、最後は悲しい終わり方をするそうです。
ドラマやアニメなどであれば、気持ちよく最終回を迎えて終わることは多いわけですが、
バラエティ番組の場合は「終了する」ということは「打ち切り」ですから、
視聴率が悪くなって終わらざるを得ないというパターンがほとんどなので、
基本的には喜ばしい終わり方ではないというわけです。
とはいえ、最終回の印象が視聴者にとってその番組の印象として一生続くことが多いわけです。
例えば「笑っていいとも」は10年以上前に終わりましたが、
最終回のインパクトがあまりにもすごかったので、いまだに語り草になっていますし、
それが「笑っていいとも」という長寿番組がいい形で終わった思い出として、多くの人の心の中に残っていると思います。
これは番組に限らず、あらゆるコンテンツや番組、人間関係でもそうですが、
【 最後の印象がその物事のほとんどの印象として残ってしまう人間心理 】
があり、これをノーベル賞を受賞した心理学者・行動経済学者のダニエル・カーネマンは、
「ピーク・エンド効果」
としてその法則性を提唱しました。
また、別の心理学者ノーマン・ヘンリー・アンダーソンも
「親近効果」
という形で、最後の印象がずっと続く人間心理の法則性を指摘しています。
私もそうですが、誰かと長期間とてもいい関係性を築いていたはずなのに、
最後の終わり方があまり良くなかったせいで、その人との人間関係の思い出がいまいちなまま残ってしまうといったことが何度かありました。
つまり何事においても
「最後の終わり方」
というのがとても大事だということになります。
漫画もそうで、個人的にあまりにも美しい終わり方をしたと思っているのが、
『スラムダンク』と『進撃の巨人』、それと『サマータイムレンダ』です。
私の中でこの3つは、「究極に美しい終わり方」をした漫画として、全ての漫画の中のトップ3になっているのですが、
全部終わり方が「完璧」と言っていい終わり方をした結果、あまりにも強烈な美しい印象のまま、思い出として残り続けています。
ダニエル・カーネマンの「ピーク・エンドの法則」で言うと、「ピークで終わらせた」ということなので、最高の終わらせ方と言えると思います。
『スラムダンク』は読んだ人ならわかると思いますが、
高校バスケットボールの漫画で、日本一の山王工業という高校に、人材が全然いなかった弱小の湘北高校が挑む山王戦という、
スポーツ漫画どころか全ての漫画界における最高の戦いともいえる伝説的な試合があります。
それがとてつもなく面白い試合として描かれ、作者の井上雄彦先生は「山王戦以上に面白い試合を描くことはできない」という理由で、そこで無理やり終わらせました。
山王戦の人気は異常すぎたのでジャンプ編集部は続けてほしかったようですが、
井上先生は「毎回、これまでの試合より一番面白い試合を描く」というポリシーで漫画を描かれていたので、
山王戦以上に面白い試合を描くことは不可能ということで、そこで終わりました。
結果として、ファンの心の中には山王戦の印象で永久に美しい思い出として残り続けています。
ちなみに『ドラゴンボール』も私は好きなのですが、
ピークだったフリーザ戦で終わらせずに、その後無理やり続けてしまったのが良くなかったと、
鳥山明さんと一緒に途中までドラゴンボールを作っていた鳥嶋和彦さん(アラレちゃんのドクターマシリト)がおっしゃっていました。
私もフリーザ戦で終わらせていれば、本当ならもっと心の中に強烈な印象として残っていたはずの名作漫画が、なんか変な形でズルズルと続いてしまっている……という思いがあります。
ピークで終わらせずに続けたことで、ある意味ではファンにとって嬉しかった部分もあるでしょう。
しかし本来ならもっと深いレベルで永久に心に刻まれたはずの終わらせ方ができたのに、
ジャンプの商売のためになんとなくズルズル続いて、戦闘力のインフレも続き、鳥山明さんも亡くなり、個人的には何ともおかしな印象になっています。
タレント生命も同じで、最近では国分太一さんが何やらとんでもないコンプラ違反をやらかし、
実質的に芸能界引退のような状態になりました。しかもTOKIOまで解散。
彼もTOKIOも30年くらいテレビで大活躍していたのに、最後の印象がこれですから、
これまでの全てが台無しになったと言っても過言ではない印象で、皆さんの心の中に残ってしまいました。
その先輩の中居正広さんも同じく、SMAPのリーダーとして、
SMAP時代もその後も大活躍していたのに、ああいう終わり方をしたので、
結局のところ、よほどのファンの人を除き、ほとんどの人の中では悪い印象で彼の名前は残り続けることになりました。
ということで、人間心理には「ピーク・エンド効果」や「親近効果」という、
最後の印象がほとんどを決めてしまう
という法則がありますので、これは知っておいた方がいいですね。
人間関係にしろ、仕事にしろ、プライベートにしろ、何にしても「終わらせ方」や「最後の印象」が大半の印象を決めるというのは、
かなり理不尽なことでもありますが、人間心理がそうなっている以上、それを念頭に置いて理解しておくのが重要だと思います。
このメルマガも、なんだかんだでスタートして15年目になりますが、
変な終わり方をしないように気をつけておきたいと思います笑


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