- 2024-3-12
- 睡眠効率アップで集中力UP
こんにちは、中西です。
鳥山明さんの訃報を聞いてから、鳥山さんやドラゴンボールに関するエピソードの動画を連日見ています。
昔、都市伝説のような噂話で聞いたのは、鳥山さんが最も忙しかった時に
「6日連続で徹夜をした」
というエピソードです。
漫画家の仕事はとんでもなく多忙で、特に週刊連載の大変さは凄まじいということは聞いていましたが、
1日2日の徹夜ならまだしも、さすがに「6日連続の徹夜」は何かの間違いだろうと思っていました。
ところが、めったにメディアには出ない鳥山さんが、少年ジャンプの漫画家育成講座のような動画の中で、
過去一緒に仕事をしたことがある編集者さんからインタビューを受けている動画があり、そこで御本人がこんなふうに語っていました。
「1番忙しかった時は、4日連続で徹夜して、20分の睡眠をとって、その後3日連続徹夜したことがあります」
つまり、1週間で20分しか睡眠を取らなかったということです。
6日連続の徹夜ではありませんでしたが、あの都市伝説は、おそらくこの時の話が拡散されて広まったのでしょう。
少なくとも赤の他人が語っているのではなく、鳥山先生ご本人が語っているので間違いないです。
それにしても、1週間で20分しか睡眠を取らないというのは、本当にやばいですね笑。
いくら最も過酷な職業の中の、最も人気のあった漫画家とは言え、これが本当ならさすがに危険すぎます。
実際、鳥山さんによると、1週間目には原稿を渡すために車を運転しながら、信号が何色かもよくわからなかったそうです。
そりゃ1週間で20分睡眠なら、脳は機能しませんからね。(1週間どころか一晩の徹夜でも危ない)
ちなみに、そのインタビューは、以下の動画。
連載終了から20年後のようなので、大体2015年頃のインタビューかと思いますが、
鳥山さんは20代以降は全くメディアに出なくなったので、近年の鳥山さんがこんなにしゃべっているインタビューは貴重です。
興味のある方はどうぞ。
▼Akira Toriyama Full Interview + Drawing (English Sub) Jump Ryu
(ながらで聴いていたので、徹夜のエピソードが何分あたりか分かりませんm(_ _)m 冒頭の悟空イラスト描写の映像の後のトーク内です)
それでなんとなく「徹夜に関する研究」がないか少し調べてみたのですが、
徹夜とは若干違いますが、個人的に興味深い研究を見つけました。
徹夜に近い夜勤のような場合、2時間位の仮眠を取ることがありますが、この仮眠の取り方をどうすべきか、という内容。
まぁ夜勤でなくても良いのですが、仕事や勉強の締め切りの直前で、ほとんど睡眠が取れず、2時間位しか眠れない場合に、効率的に眠るにはどうすればいいのか。
結論から言いますと、その場合、
【 2時間続けて寝るよりも「90分と30分に分割して眠る」方が、疲労の減少に効果がある 】
ということが、広島大学の研究で判明しておりました。
看護師さんなどの勤務に多い16時間勤務を想定して実験が行われたようです。
▼【参照】夜勤時の覚醒水準の維持と疲労感の低減を可能とする仮眠のとり方 ~90分間と30分間の分割仮眠と120分間の単相性仮眠の効果~ | 広島大学
なぜ連続で120分間の睡眠を取るより、90分と30分に分ける方が良いのかは不明のようです。
なんとなく、イメージとしては、ぶっ続けで寝たほうが効率が良さそうな感じもしますが、
少なくとも夜の2時間だけの睡眠よりは、90分と30分の2回の方が疲労の抑制効果があるようです。
研究内容の紹介から一部引用しますと
「16時間夜勤を伴う2交代制勤務の看護師の一般的な夜勤の時間帯を想定し
120分間の仮眠(22:00-00:00)をまとめてとる単相性仮眠条件1)、
90分間(22:30-00:00)と30分間(02:30-03:00)に分けた分割仮眠条件2)、
仮眠をとらない仮眠条件3)
の3条件を睡眠状態、心拍変動、眠気や疲労感、クレペリン検査による計算数を比較検討しました。」
つまり、夜の「22時からの2時間」と、「22時半からの1時間半+深夜2時半からの30分」を比べたわけですね。
結果として、90分+ 30分の方が疲労が軽減されていたのです。
「この研究成果は、長時間夜勤に従事する看護師や、夜間に危険を伴う作業に従事する労働者など、
長時間集中力の維持を可能とし、
労働者の健康にも有効な仮眠のとり方の確立に繋がることが期待されます。」
とのこと。
要は、同じ短い睡眠時間なら2回に分けた方が疲労が軽減しやすいということです。
これは90分+ 30分という分け方が良かったのかもしれませんし、22時台から仮眠を取るのが良かった可能性もあるかもしれません。
いわゆる「睡眠のゴールデンタイム」(22時から深夜2時に寝るのが成長ホルモンの観点で大事的な話)は、近年の研究で否定されましたが、
今回の研究の場合は、成長ホルモンがどこまで関係しているかもよくわかりません。何とも言えないのですが、とりあえずざっくりと、
「夜2時間ぐらいしか寝られない場合は、2時間ぶっ続けより、90分+ 30分の方が疲れは取れやすい」
ぐらいの感じで、頭に入れておくといいんじゃないかと思います。
まぁそもそも、そんな短い睡眠にならないように、日ごろからうまく段取りを組んでおくべきなのですが、
現実的にはそううまくいかないこともありますからね。
締め切り直前とかでピンチの時などに思い出してみてください笑