- 2023-10-1
- 経済の話
こんにちは、中西です。
10月に入って、いよいよインボイス制度がスタートしました。
これが「世紀の大愚策」であることが、ようやく少し知れ渡ってきた感じですが、非常に遅すぎると思います。
政府もインボイスに関する閣僚会議を初めて開いたのが、制度開始のなんと1週間前でした(゚o゚;;
何より問題なのは、このインボイス制度の何が問題かを正確に理解できている人があまりにも少ないことです。
つまり、内容もとんでもない「大愚策」ですし、その事実自体が多くの国民には「間違いだらけ」で伝わっていますし、伝わるのも「遅すぎる」という地獄絵図の惨状になっています(゚д゚;)
問題を理解している人がそれほど少ない理由は、インボイスは「実務面での理解」と「この制度が抱える本質的な大問題の理解」という2つの観点で理解しないといけないからです。
さらに会社員や非正規など雇用されている立場の方も、「自分には関係ない」と考えてしまう誤解も含まれています。
経費としてお金を使う場合は即関係しますし、副業をやるなら直接関係しますし、消費者としても関係しますし、何より経済全体に関わる話ですので、インボイスの悪影響から免れる人は存在しません。
つまり、この制度が抱える「実務面での大問題」と「本質的な大問題」を、誰もが理解しないといけないと言うことです。
そもそも、インボイスの元となる消費税自体が根本的に「百害あって一利なし」の存在意義がゼロの税制です。
その根本的に存在意義が1ミリもない消費税を複雑に分かりにくく増税して、国民同士でなすりつけ合う「デスゲーム」となるのがインボイスと言うヤバすぎる制度です。
消費税は消費にブレーキをかけて景気を悪化させるのが確実な税金であり、
かつ表向きに言われている「社会保障の財源として使う」という事実すらも存在しません。
(消費税を「社会保障の財源」として使うなら、特別会計としてプールする必要がありますが、そのような構造にはなっていません。
徴収した消費税は一般会計として、他の税金と一緒くたにされているため、消費税と言う財源が本当に社会保障に使われたかどうかを確認する事は不可能です。)
その根本的に存在価値が全くない悪税の消費税を、複雑に分かりにくく増税した上に、そのための実務にとんでもなく無駄なコスト(年間4兆円)がかかるのがインボイスなのです。もうめちゃくちゃ(-。-;
インボイスの導入によって1ヶ月に3400億円ものコストがかかるのに、インボイスによる税収は、年間で2500億円のみ。
日本経済全体にかかる1ヵ月のコストで、インボイスの年間の税収を1000億円も上回ってしまうのです(゚o゚;; (なので正確に言うとわずか3週間ほどで上回る)
しかも、消費税の税収は23兆円なので、インボイスの導入では、わずか1%しか増えません。
つまり、日本経済にとんでもなく無駄な作業を発生させてコストをかけるのに、全くそれに見合った税収になっていません。
しかも、その無駄な作業に時間と労力を大きく使うことで、「収益を上げるために使う1番大事な時間」が奪われています。
日本国民の誰1人として得をしない、控えめに言ってもク〇みたいな制度です。
(得をするのは、財務省の子役人連中のみ。だから彼らは導入したのですが)
年商1000万円以下の免税業者と課税事業者(発注者)から増税をして収益を悪化させ、関係性も悪化させ、
仕事を失ったり、仕事そのものを継続できなくさせたり(一例ですが声優さんの3割、運送事業者の4割が廃業を検討)、
運良く仕事を失わなくても収益が著しく悪化しますので、消費意欲は著しく減退し、必ず景気は悪化します。
フリーランスの人口は1600万人ほどですが、フリーランスと取引のある企業も含めれば、インボイスの悪影響を直接的に受ける人たちだけでも膨大な数になります。
最終的に消費者にしわ寄せが行くことも普通にありますので、大半の日本国民が悪影響を受けると言っても過言ではありません。
ホリエモンが相変わらず「インボイス制度を反対してる奴は馬鹿」という趣旨の新しい動画を出していて驚きましたが(YouTubeでおすすめに出てきた)、最初の動画を見て彼の認識レベルがわかったので、今回は見ていません。
彼が2回目の動画で謝罪動画を出さなかったと言う事は、いまだに
「インボイス制度は免税事業者が消費税を着服している」
という完全に間違った認識を変えていないと言うことです。これはもう聞くに値しません。
橋下徹氏も「消費税は預かり税だ!勉強しろ!」と正確に理解している山本太郎氏にずいぶん偉そうに言っていましたし、
維新の政調会長の音喜多氏も、インボイスに反対の声を上げている人達をあざ笑う動画を上げ、批判にすらなっていない「彼らは一部左派リベラル」と意味不明なレッテル貼りしかしておらず論外でした。
インボイスが愚策であることを理解できない政治家、税制の問題に思想レッテルを貼り印象操作する政治家など、政治家をやる資格がありません。
何度も書いてきた通り、
【 消費税が「預かり税」ではないということは、実態としても正しく、裁判でも判決が出て確定していて、財務省が国会でも認めている否定しようのない事実 】
です。
非常に有名な某税理士までも、免税事業者に対して
「益税」「もらい得」
などという言葉を使って解説していました。完全に認識を間違えています。
つまり、ホリエモンと同じように免税事業者が消費税を「着服」「ネコババ」していると誤解しているのですが、
一般人が言うならまだしも、著名な税理士がこんなことを言うわけです。
国内トップクラスで有名な税理士ですら、このレベルの認識しかない。
こういう理解力の著しく低いインフルエンサーらによって「完全に間違った情報」が広まることで、国民の間に分断も生まれています。
なんか既視感があるなと思ったら、財政破綻論の誤解が広まっていた時期と、そっくりだなと。
あるいは国税庁や税務署で働く人たちが、「正しい財政観」(税金は財源ではないなど)を理解できないのと、非常に似ているなと。
つまり、「実務を行う」ことと「その実務の本質的な問題を理解する」ことは、全く別の問題だということです。
いずれにしろ、専門家やインフルエンサーも含めて、インボイスに対する「実務的な問題」に対する理解はある程度進んでいきましたが、
「本質的な問題」に対する理解が、まだまだ進んでいないというのが私の印象です。
というわけで、インボイスは単なる消費増税であり、消費にブレーキをかけるので、さらなる景気の悪化を確実にもたらし、
免税事業者の多くが廃業に追い込まれたり廃業のリスクにさらされますし、
結果、国内の様々な業界の供給能力やインフラが破壊され、
課税事業者の多くも損をして収益が悪化し、
免税事業者との関係性も悪化させ、消費者も税負担が増え、
企業は本来収益アップにつながる時間を膨大な無駄な作業に奪われる。
しかも消費税の導入目的であった「社会保障の財源」に消費税が使われている実態すらないので、
インボイスによって国民から“収奪”された消費税がまともに使われているか確認すらできない。
それがインボイス制度であり、国民にとって1ミリも得することがなく、
財務省の官僚たちだけが得をするゴミみたいなろくでもない制度になっています。
完全に「世紀の大愚策」としか言いようがありませんが、これが10月からスタートしました。
経過措置も一応あるので、すぐに悪影響が数字として出てくるとは限りませんが、
現時点ですに国民の消費意欲を大きく削いでいるのは確実で、それだけでも景気悪化につながっていますし、これからますます
「インボイスと言う“とんでもない大愚策”が2023年10月から導入され、そこから大変な事態が始まっていた」
という事実が、少しずつ浮き彫りになり、国民にこの大問題に対する認識が広がっていくと思われます。
岸田総理・自民党・ 財務省は、一体どこまでこの国を破壊しまくれば気が済むのでしょうか。
それではまた。