- 2023-3-19
- 経済の話
こんにちは、中西です。
4月の統一地方選挙が近づいていますが、それに合わせて、現在最も深刻な人口減少の元にある
少子化対策
の話題も増えています。
▼首長9割超が人口減「深刻」、統一選の争点は「子育て支援」最多…読売全国アンケート
https://news.yahoo.co.jp/articles/73f0047cf974dc255941e03cc7571faa30d4c22e
このアンケートは、47都道府県+1741市区町村のトップ(首長)に対して行われたもので、90%の自治体が回答をした結果をまとめたもの。
それぞれの自治体の人口減少が「大いに深刻」だと答えたトップは65%にのぼっています。
「多少は深刻」(日本語あってる?)と回答した26%と合わせて、91%もの自治体で「人口減少が深刻な状況」となっています。
自治体の首長たちの回答を見る限り、わかりきったことではありますが、やはり地方の若者の賃金の減少・不安定化と、若者の都市への流出が激しくなっているとのことです。
(この記事には出ていませんが、それらはデータで証明されています。つまり、少子化対策の根本は、「若者の賃金の上昇・安定化」と「東京一極集中の防止」の2つ)
ただ、こんな話は、もう何十年も前から言われてきたことなんですよね。
昨年の出生数は、80万人を切るほどの事態になっていますが、先日の経済ネタの回でもお話した通り、国内の出生数は
「1974年以来ずっと右肩下がり」
なのです。
本来1990年代半ばから2000年前後に発生するはずだった「第3次ベビーブーム」は幻となり消えてしまい、全く出生数の増加が起こりませんでした。
理由は、1990年代前半からバブル崩壊後の不景気に突入し、1995年の大蔵大臣による財政危機宣言からの「97年の消費増税」(3%から5%へのアップ)で、
日本政府が緊縮財政に完全に舵を切った=国民が貧困化したからです。
その緊縮財政の上で、第3次ベビーブームが起こるはずだった90年代・ 2000年代に、政府は日本中の若者も見殺しにした。
この頃から、日本経済が一気に悪くなり、企業も若者の採用を見送る超就職氷河期になり、当時の若者の貧困化が一気に進み、
おまけに2000年代初頭の小泉・竹中時代に構造改革までやってしまったせいで、非正規(派遣社員等)だらけの国になってしまいました。(現在、非正規は労働者の4割)
問題は、その間ずっと「少子化」も続いていて、ずーーっと問題視されていたことです。
昨日今日とか、去年一昨年とか、5年10年前からではなくて、少なくとも25年以上前からずっと
「少子化がやばい」「人口減少で大変なことになる」
と言われ続けてきました。
なのに、政府は少子化問題を放置し続けた。ずーーっと。
なぜか?
政策的な話はいくらでもありますが、根本的な理由としては、
「若者が選挙に行かないから」
です。
これは今の若者に限らず、10年前も20年前も30年前も、「20代の若者」の投票率は、昔から非常に低かったのです。私の推測ではなく、
「いつの時代も20代の若者の投票率が一番低い」
ことは、ググってデータを確認すれば簡単にわかります。
何十年も前から、20代の投票率が1番低い。
すると、どうなるかと言うと、政治家は若者の対策をしても
「次の選挙の票にならない」
のが明らかなので、優先順位を思いっきり後回しにしてしまうのです。
こんなのは政治家の立場に立って、リアルに想像してみれば簡単にわかります。
政治家なんて、選挙に落ちたらただの人。
しかし政治家は絶対そうなりたくないわけで、与党の政治家もそれは同じですから、選挙の票につながらない「無駄な政策」は後回しにしてしまうわけです。後回しどころか、まともにやろうとしない。
少子化対策の重要性はわかるが、次の選挙に勝ちたいから、今すぐやる必要は無い。
これでずーーっと何十年も経過してしまったのが、今の日本です。
何かに似てると思いませんか?
ここでピンときた人は、かなり勘のいい方か、最近のこのメルマガをめちゃ読み込んでくださっている方に違いありません笑
この現象が何に似ているかと言うと、
「第二領域」の問題
です。つまり、
【 「緊急ではないけど重要な第二領域」を、
緊急性がないからと言う理由で、後回しにし続けた結果、気づいたらいつのまにか
「緊急かつ重要な第一領域」に変化してしまう 】
という、私のようなできないビジネスパーソンにありがちな鈍臭いベタな失敗を、
【 政府が国家単位でやらかしてしまっている 】
と言うことです。
今、日本政府が大慌てで深刻化している少子化対策をしているのは、どう考えても、そういうことでしかありません。
その後回しにした最大の理由が、
「若者向けの政策は次の選挙の票にならないから」
と言うのは、政治家としてやるべき最も「重要な仕事」(第二領域)を何十年も放置し続けたという意味で、言い訳になるはずもありません。
ただ、残念ながら現実としては、そういうことになると思われます。
政府が国家ぐるみで「第二領域の少子化対策」を何十年も放置し続けた結果、
いつのまにか80万人を切るまでの深刻な事態に陥り、
少子化対策が「緊急性の高い第一領域」になってしまった。。。
個人がこういう失敗をやらかすならまだしも、先進国の政府がこれをやらかすと、本当にとんでもないことになる
…という世界の歴史に残る反面教師のサンプルを作っておりますね。
ああ、なんだか目からしょっぱい水が(T ^ T)
まぁ、別の角度からこの現象を説明するなら、ようするに
「第二領域を実行するのは、個人も組織も、政府でさえも、並大抵ではない」
と言うことになるのかもしれません。゚(゚´Д`゚)゚。
唯一の救いは、少子化は解決できない問題でも何でもなく、
もう日本は今後何十年も人口が減少しつづけることが確定している運命でも何でもなく、
ただ、政府が「大規模な財政出動(国債発行)」を「長期的にやる計画」を打ち出して、政府として強くコミットする発表を行い、実際に実行し始めれば、
それだけで、2〜3年後くらいには、
第3次ベビーブームなんて簡単に起こせるんですよ。
この辺の詳しい話は、また次の経済ネタの回にでも。
それではまた。
P.S.
今日、松本人志さんがワイドナショーを卒業しましたが、その話をプチメルマガで書いたところ、
途中の文章にNGワード(迷惑メール判定されるリスクが高まる言葉)がいくつか入っていたため、届かなかった人もいたようです。
相方の浜田さんの不祥事の説明の部分です。。
なので、今回はブログに転載しました。届かなかった人は以下よりどうぞ。プチメルマガで説明が足りなかった部分の加筆もしてアップしています。(下にリンク貼っときます)
どういう内容かと言うと、彼がこの件で、日本中の人に
「優しい大嘘」
をついていることに、私は気づきました。
結論だけ言うと、彼がワイドナショーを卒業する理由として、表向きに説明している話は、全部嘘だと私は考えています。
彼はどんな「優しい大嘘」をついたのか。
その「優しい大嘘」は、1年前から始まっていました。