- 2016-5-25
- おすすめ記事, 効率的な勉強法~基礎編~, 参考書学習テクニック
こんにちは、中西です。
前回は、参考書の1周目をやるときや、
苦手科目の参考書をやるときにありがちな
“心理的抵抗”を軽減する方法をご紹介しました。
参考書学習にはこういったいくつかのコツ
があるのですが、実はそういうコツを知る
こと以上に、さらに大事なことがあります。
それは
「やってはいけないことを知る」
ということです。
これは何を習得するときでもそうですが、
それをやるコツが存在するのと同時に
「やってはいけないこと」もあるわけです。
そのいわば“禁止事項”のようなポイントを
あらかじめ理解しておくか理解していないかで、
ゴールまでのリスクが全く変わってきます。
参考書学習においても
「やってはいけないこと」
は複数あり、その筆頭にくるのが
【 参考書を途中で変えること 】
です。これ、本当に大事なポイントですが、
ついやってしまう人が少なくないのでご注意を。
とくに大学受験においては「いい参考書」
が世の中に山のようにあふれていますので、
他人の芝生は青く見えるじゃありませんが、
自分が今やっている参考書より他の参考書
のほうが良さそうに見える機会がすごく多いのです。
いや、「良さそうに見える」だけではなく、
実際に他の参考書のほうがいい場合も
少なくないでしょう。
しかし、だからといって今自分の手元
にある参考書を、せっかくある程度まで
進めているのに変えてしまっていいのかどうか。
結論からいうと、この場合原則として
「参考書は途中で変えてはいけない」
と考えてください。
進んだページ数にもよりますので
状況にもよりますが、基本的にはこの
「参考書は途中で変えてはいけない」
というのが参考書学習の大原則になります。
たとえ新しく見つけた参考書の方がより
内容が素晴らしい場合でも、よほどのこと
が無い限りは、すでに今進めている参考書を
そのまま続けるのが正解である場合が大半です。
理由は2つあります。
———————————————–
1、参考書を途中で変えると
“それまでの蓄積”がリセットされるから
2、実力の差は、「参考書の良し悪し」より
「どれだけその参考書をしっかりやり込んだか」
で決まるから
———————————————–
1は厳密にいうと、参考書を変えても
それまでの参考書をやった記憶は一応残って
いますので、100%すべてが台無しになる
わけではありません。
が、大原則として、勉強というのは一度
やったことを何度も繰り返すことで記憶を
定着させていく作業です。
それを途中で別の参考書に切り替えてしまうと、
それまでやったことが記憶として定着する前に
新しいことをやることになりますので、
今までやってきた勉強の蓄積が、
100%とは言わないまでもかなりの割合を、
リセットしてしまう可能性が高くなります。
受験勉強というのは「蓄積」がものをいう
戦いですから、せっかく築き上げたその
蓄積をリセットしてチャラにしてしまうのは、
あまりにも非効率極まりないのです。
まあそれを考慮した上でそれでも切り替え
た方がいいと判断できる場合は別ですが、
ほとんどの場合において、軽々しく別の
参考書に切り替えるのは受験で失敗する
パターンの一つになります。
2についてはそのままですね。たしかに
参考書にはそれぞれ個性があり、参考書
ごとに内容の良し悪しもありますが、
その「参考書ごとのクオリティの差」よりも
「参考書をどれだけやり込んだかの差」
の方が、圧倒的に受験の結果に大きな影響
を及ぼします。
かりに参考書のクオリティに多少差があった
としても、手持ちの1冊をしっかりやり込んだ
のであれば、
その後に取り組む別の参考書や、問題集や
模試や過去問など、別の機会にその差分の
内容はどこかで埋められることが多いのです。
この点を理解していない人は、「最高の
参考書さえ見つかれば、自分の実力は上がる」
とどこかで思いこんでいるので、
いつまでも「最高の参考書探しの旅」ばかりして、
目の前の参考書をしっかりやり込むという
一番大事なことをおろそかにしやすくなります。
この状態を「本末転倒」といいます(ノд-。)
というわけで、参考書を途中で替えるのは
原則禁止だと思っておいてください。
そして、途中で安易に替えられないからこそ、
最初の参考書探しは多少時間をかけてでも
念入りにやっておく必要がある、
ということになります。
まだ今の時期ならギリ間に合いますので、
参考書をこれから探す人や、少し進んだけど
自分には合わないと感じる人は、
上記の原則を頭に入れた上で、早めに
“最後まで一緒に添い遂げられる伴侶”
を見つけてほしいと思いますね。
それではまた。