- 2022-12-28
- 経済の話
こんにちは、中西です。
本日の「徹子の部屋」にタモリさんが(年末恒例の)ゲストとして登場しました。
そのラストのタモリさんの発言が、本日午後に大きな話題になっていました。 どんな発言だったかと言うと、
黒柳さんが「来年はどんな年になりますかね?」と質問し、それに対してタモリさんが「誰も予測できないですよね、これは」と回答。その後、タモリさんは少し考えて
「『新しい戦前』になるんじゃないでしょうかね」
と答えたのです。
私はその部分の動画を確認しましたが、タモリさんはサラッと言っていて、黒柳さんも深くは突っ込んでなかったのですが、
このタモリさんの発言が大きな話題となり、トレンド1位にもなって、ネットニュースにもなっていました。
ようは、それだけ多くの人が「的を得た発言ではないか」と感じたということでしょう。
実はこのタモリさんと似たような発言を、京都大学の藤井聡教授が一昨日ラジオで話していました。いわく、
「2022年は『第3次世界大戦が始まった年』として認識される」
とのこと。この日のサブタイトルも「戦争・テロ・恐慌時代の始まり」となっていて、藤井教授の認識はそのようです。
私自身は戦争・テロが来年どうなるかはよく分かりませんが、後世の人たちから見た時に
「2022年は恐慌時代の始まりにあたる年だった」
と認識される可能性はかなり高いと考えています。名前がつくとしたら「令和恐慌」になるはず。
この令和恐慌のリスクについては、ここ数ヶ月のメルマガで詳しくお伝えしてきましたが、その発生の可能性の高さについては、単なる憶測ではなく十二分にその根拠となるデータや証拠がそろいまくっている話をしてきました。
経済評論家の森永卓郎氏も、「このままでは令和恐慌が起こる」と最近しきりにメディアで訴えてますが、 全く同感です。
余談ですが、彼の息子さんの森永康平氏も経済評論家をしていて、親子でMMT(現代貨幣理論)の正しさを認識されています。
正直森永卓郎さんは20年ぐらい前に「年収300万時代になる」「年収300万円で生きよう」とか言って、自分はそのコンセプトでボロ儲けしていたので昔あまり好きではなかったのですが笑、
MMTを理解されてからは、急に発言がまともになった印象があります。息子さんに良い形で影響されたのかもしれません。
(余談の余談ですが、先日息子の康平さんはある番組で、先月からこのメルマガでお話ししてきた「逆イールド」について解説されてました。
この長期金利と短期金利が逆転する「逆イールド」という現象が発生すると、半年~2年以内に必ず大不況になります。過去50年の6回の大不況の前には必ず発生しており、それが2022年に何度も発生しているのです。
したがってその法則に従うなら、次の大不況は来年の年明け~遅くとも2024年初頭までに発生することになります)
結局、自民党と財務省の緊縮財政が30年も続いたせいで「年収300万円になる」どころか、それをとっくに通り過ぎて、
「年収300万円がうらやましく思える時代」
にまで落ちぶれてしまったのです。すでに年収186万円以下のアンダークラスと呼ばれる層は、1200万人にも膨れ上がっています。
そしてこの層は、今後激増する可能性しかなく、減る可能性はありません。
▼コロナや物価高「生活苦しくなった」半数超える 岐阜県民調査、不安は「収入・貯蓄」最多
https://news.yahoo.co.jp/articles/7697c26fb36faa2b428856eb360696db9df31bc6
上記は岐阜県民に対する調査ですが、「生活が苦しくなった」と感じてる人はなんと半数を超えています。
これはたまたま岐阜県の調査ですが、どこの都道府県で調査しても似たようなものです。
不安の最多は「収入・貯蓄」で、こんな状態で「消費を増やそう!」と思える人などごくわずかで、みんな先行き不安から消費を抑えてしまうわけです。
消費者物価指数(物価の上昇率)は、11月に3.7%も上昇して(前年同月比)、これはなんと41年ぶりの水準でした。
一方で、実質賃金は今年4月から7ヶ月も連続で減少しています。これは7年4ヶ月ぶりの下落幅(もともと30年実質賃金が上がっていないところからの、さらなる減少)です。
簡単に言うと、「物の値段が上がりまくっているのに、給料が下がりまくっている」と言うことです。
にもかかわらず、岸田政権(というか財務省)は、相変わらず「財政健全化」「プライマリーバランス黒字化」というアホな基準にこだわり、
岸田総理は「国債を発行しすぎると赤字が増えて問題が起こる(破綻する)」などと思い込み、やるべき財政出動をまともにやろうとしない。建前上「やっているように見せかける政策」ばかりです。
大事なことは全然決められない一方で、増税の政策だけは、電光石火ともいえる速攻で、即断即決。
財務官僚は、財務省に全く逆らわない飼い犬の岸田総理のうちに、可能な限りの増税を全部やろうとしてきているのです。
岸田総理は国民の苦しみに寄り添うどころか、国民の方を全く向いていません。自分の周囲の財務官僚や利権関係者にしか目が向いていないのが明らかすぎます。
本当にとんでもない男が、 この戦後最大の非常事態に日本のトップになってしまったものです。結果がこれ。
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<岸田政権(財務省)が実施・検討中の政策>
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① 消費税の減税の検討凍結
② 社会保障のための消費増税の検討開始 (@税制調査会)
③ ガソリン税減税の検討見送り
④ 防衛費増のためのあらゆる増税の検討開始 (@有識者会議)
⑤ インボイス導入 = (零細事業者における消費納税増税)
⑥退職金課税の増税検討
⑦雇用保険2倍に増額
◯走行距離課税・道路利用税を検討
◯年金掛け金の期間を5年延長検討
◯国保の支払い金額を最高年間104万円に値上げ
◯国民健康保険の高額医療負担金廃止の提案
◯自賠責保険の積立金7500億円のうち6000億円を財務省が勝手に借り、返済できずに保険料値上げ
◯年収200万以上、75歳以上の医療負担を2倍に
◯国民年金を厚生年金で穴埋め検討
◯介護保険から要介護1と2を外すことを検討
◯年金額を引き下げ実施、 0.4%減。2年連続。
◯介護保険の増額を検討
◯介護保険支払い対象年齢40歳未満に引き下げ検討
◯配偶者控除の見直し、 廃止の検討
◯パートの厚生年金加入、企業の規模要件を撤廃の検討
◯大病院選定療養費値上げ実施
(以上、藤井聡教授のまとめ7つ+中西の追記)
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多くの国民がこれだけ生活が苦しくなっている状況で、これほどまでの狂った増税(社会保険料の値上げ)と、
出すべきお金を出そうとしない究極の緊縮財政を実行されたら、その国の国民は疲弊し、極貧化し、崩壊するに決まっています。
驚くべきことに、 そうやって
「長期デフレで苦しむ国民に、緊縮財政を無理やり実行して、大恐慌になってしまった国」
が、今の日本以外にもあるんですよね。
それは「過去の日本」で、90年前の「昭和恐慌」がまさに今と瓜二つの状況だったのです。
このまま令和恐慌に突入した場合、なんと日本は90年前と「全く同じ失敗」を、 「全く同じパターン」で繰り返すことになります。
「歴史は繰り返す」と言いますが、 こんな馬鹿げた歴史を繰り返しては絶対にいけません。
もしこのまま自民党と財務省のクズ小役人連中による狂った緊縮財政が来年も続いた場合、令和恐慌にならない理由が、どこにもないのです。
90年前、勉強ばかりして東大に入り、また勉強ばかりして大蔵官僚(現在の財務官僚)となり、
最も大事な民間での仕事経験のないまま=国民の様々な庶民感覚・お金を稼ぐ苦労・資本主義の本質がまるでわからない頭でっかちのまま、
大蔵官僚から政治家になり、
ついに総理大臣になって最高権力を手に入れてしまった1930年当時の浜口雄幸首相の、完全に間違った緊縮財政によって、
日本は昭和恐慌となり、国民が貧困のドン底の地獄に叩き落とされた後、
太平洋戦争に突入してしまった時のように。
ちなみに、浜口雄幸はその後に銃撃され、凶弾に倒れてそれが原因で亡くなりました。
犯人の男は捕まったあと、動機としてこう言いました。
「浜口は、社会を不安におとしめた。だからやった。何が悪い」
…私は少し前から「岸田総理の命が危ない」「岸田総理も、安倍元総理のようになるリスクが高まっている」と言っておりますが、
それは現在の国民の怒りが沸点を超えているからです。
当の岸田総理自身は、あまりにもボンクラすぎて、自分の命が非常に危険な水域に達していることにも、まるで気づいていないでしょうが。
いずれにせよ、再びこの日本で、昭和恐慌と同じ愚かすぎるパターンが繰り返されるのだとしたら、
やはり来年はタモリさんの言うように
「新しい戦前」
になる可能性は、十分にあります。
それではまた。