こんにちは、中西です。
ここしばらく「第二領域」(緊急ではないけど重要なタスク)の話をしています。
この第二領域のことを考えていた際に、以前ドラッカーが
「プロフェッショナルの条件」
という有名な本の中で、時間管理について詳しく語っていたことを、ふと思い出しました。
(ドラッカー= ビジネス界に最も影響与えた思想家の1人で、20世紀最大の思想家とも言われている人物)
それで本棚の奥から取り出してパラパラと軽く再読してみたのですが、やはりこの本の中で色々と時間管理について詳しく語っていました。
20年以上前の本ですが、彼の語る話は普遍的な話が多いので、時間がたっても時代に関係なく有効な内容ばかりです。
で、この「プロフェッショナルの条件」の中で、うろ覚えですが
「成果を上げるものは時間からスタートする。仕事からではない」
という意味のことを確か語っていた記憶があったんですよね。
それで調べてみたのですが、やはりありました。
そもそもこの本は、あまりにも秀逸な話ばかりで、紹介したい部分が多すぎて、その1%も紹介できないのが残念ですが、
とりあえず今回見つけた「時間管理」に関する一節をご紹介します。
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『私の観察によれば、成果をあげる者は仕事からスタートしない。時間からスタートする。計画からもスタートしない。
何に時間がとられているかを明らかにすることからスタートする。
次に、時間を管理すべく、自分の時間を奪おうとする非生産的な要求を退ける。
そして最後に、その結果得られた時間を大きくまとめる。
すなわち、時間を記録し、管理し、まとめるという三つの段階が、成果をあげるための時間管理の基本となる。』
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勘のいい人なら、この引用部分だけでも、相当気づきがあると思います。
とりあえず、私が探していたのは、この部分。
『成果をあげる者は仕事からスタートしない。時間からスタートする』
時間と言うものは恐ろしいほど常に足りず、他のものと代替できない有限なものであることを前提にすれば、
【 まず最初に考えるべきは「時間」から 】
というのが、ドラッカーが長年成果を上げる人を見てきた結論ということです。
これは、まさに「第二領域」を実践する時にも考え方は同じです。
「時間」から考えないといけないということ。
前回までお話ししてきたように、自分のスケジュールの中で、
「無理矢理ねじ込むブロッキング」
を行わない限り、緊急性のない第二領域を実行するのは非常に難しいというのも、同じ理屈になります。
まあこれは第二領域に限らず、あらゆるタスクにおいて有効な考え方なので、
もし仕事・勉強で、最大限に生産性を上げたい場合は、まずは最も限られた資源で、代替や複製も効かない
「時間」から考える
ようにしてみてください。
To Be Continued
P.S
以下は、これまでの話の復習用です。
学生・社会人、業種業界・職業に関係なく、誰もが理解しておくべき非常に重要な話なので、
「第二領域」の重要性
がまだピンとこないかたは、以下を必ず読んでおいてください。
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<人生の命運を決めてしまう
「第二領域を実行できない問題」とは?>
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基本的に、すべてのタスクは「4つの領域」に分けることができます。
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【第一領域】緊急かつ重要なタスク
【第二領域】緊急ではないけど重要なタスク
【第三領域】緊急だけど重要ではないタスク
【第四領域】緊急でも重要でもないタスク
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【第一領域】緊急かつ重要なタスク
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→すぐ実行する必要がある「問題・課題のタスク」
例)
今日中に締め切りの仕事
明日提出しないと大変なことになる宿題(課題)
突発的なクレームや問題の対応
壊れたパソコン・スマホの修理
突然の体調不良・病気への対応
危機や災害からの避難
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【第二領域】緊急ではないけど重要なタスク
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→「将来への備え」になる「質の高いタスク」
将来に向けた準備・行動(仕事の改善、読書、運動など)
今後について考える時間
予防やリスクへの対策(PC内部の整備、パスワードの変更、歯の検診など)
勉強や自己啓発(副業や投資や資格など)
研究開発や各種の投資(事業者の場合)
豊かな人間関係づくり
家族・友人・恋人らとの交流
好きなことをやる時間
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【第三領域】緊急だけど重要ではないタスク
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→「無意味」だがやる必要がある「見せかけのタスク」
例)
重要ではないメールやLINEの返信
重要ではない今日〆切の提出物・宿題
重要ではない会議・打ち合わせ
突然かかってきた電話の対応
受験とは無関係な授業への出席
強制的な友人知人先輩との会合
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【第四領域】緊急でも重要でもないタスク
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→楽しいだけで何も残らない「無駄なタスク」
例)
暇つぶしのSNSのやりとり
無目的のネットサーフィン
ダラダラとテレビを視聴
嫌なことからの逃避でやるゲーム
友達との無駄話
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■あらゆるタスクは「緊急度」と「重要度」で4つに分けたマトリクスの“いずれか”に分類できる。
■多くの人は、緊急性が高い「第一領域」(緊急かつ重要)と「第三領域」(緊急だけど重要ではない)のタスクを大量に抱えている。
■そのせいで多くの人は、「重要度」が高いタスクより、「緊急度」が高いタスクばかり手を付けてしまいやすい。
■しかし、心理的に取りかかりやすい緊急性の高い「第一領域」「第三領域」のタスクばかり処理していると、
なんとなく「仕事(勉強)をした気分になる」
なんとなく「充実した時間を過ごした気分になる」
が、その裏で少しずつ「第二領域をやらない」ことによる事態の悪化が進行している。
■気づいたら、いつのまにか「第二領域」のタスクが、事態の悪化で緊急性が高まり、「第一領域」のタスクに変わってしまう。
→結果的に、いつも「第一領域」のタスクに追われている。これでは状況(人生)が良くならない。
■状況(人生)が良くならない理由は「緊急性は低いけど、重要性が高いタスク(第二領域)」を、いつも放置し続けているから。
■「第二領域」をどれだけ実行できるかが、人生を好転させるカギを握る
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「緊急ではないけど重要なタスク」=「第二領域」
を先延ばしせずに実行できるかどうかが、人生を好転させていくカギを握る。
例)
「宿題」ばっかりしていたら、「受験勉強」ができなくて不合格になる。
「目の前の仕事」ばかりに追われていたら、「自分の価値を高める仕事」をする時間がなくなり、気づいたら市場価値のない人間になってしまう。
帰宅後に「YouTube」ばかり見ていたら、将来の2つめの収入源になる「副業」「投資」を始めることができない。
「歯の定期検診」に行くのを放置していたら、気づいたら痛み出して「虫歯」になることがある。
「人間関係を維持する時間」を作らなければ、気づいたら「孤独な老人」になってしまう。
有酸素運動や筋トレなどの「運動」を習慣にせず放置していたら、気づいたら「体力のない人間」になってしまう。最悪、「病気」にもなる。
シンガーソングライターの「歌手」になりたいのに、締め切りがないからと「作詞」「作曲」もせず、「仕事(勉強)と睡眠と遊びだけ」で毎日過ごしていたら、永久にシンガソングライターにはなれない。
すべては、
【「緊急ではないけど重要」な「第二領域」をおろそかにしたこと 】
が原因で起こった問題。
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以上。