- 2023-3-8
- 経済の話
こんにちは、中西です。
ご存知の方も多いと思いますが、昨日3月7日、
自称・国際政治学者である三浦瑠麗氏の夫、三浦清志容疑者が、会社の資金4億2000万円を横領した疑いで逮捕されました。
東京地検特捜部に家宅捜査された場合、99%の確率で逮捕されるので、この逮捕自体はその事情を知っている人にとっては予想通りだったかと思います。
ただ、この問題は非常に闇が深くて、深掘りしていくと、この国が抱えている複数の闇に行き着きます。今回はその一部をお話しします。
まず、三浦清志容疑者の妻、三浦瑠麗氏はこの件に対して、当初から「自分は一切無関係」だと主張していました。
しかしかなり早い段階で、これが「明らかな嘘」であることが判明。
もうこの時点で、言論人をやる資格はないと個人的には思いますが、
とりあえず、この問題はややこしい部分もあるので、私自身がポイントだと思う部分を以下に箇条書きで列挙します。
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<三浦瑠麗氏と清志容疑者の会社の関係>
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▼夫婦でそれぞれ別会社を経営しているが、同じビルの同じスペース内で同居。
▼それぞれの会社に電話をかけても、同じ女性スタッフが両方の会社の受付として電話に出る。
また過去のテレビ取材の際にも、「一つのフロアでお互いの社員が一緒に働いている」という趣旨の発言。
▼’18年に放送された『朝まで生テレビ』に出演した際、三浦瑠麗氏は太陽光発電の発電単価や補助金についての議論で
「うちは事業者(だから太陽光発電の実情に詳しい)」
と発言。(実際の動画を確認すればわかりますが、明確に「事業者」の立場で発言しています。)
▼三浦瑠麗氏は脳科学者中野信子氏との共著「不倫と正義」の中で、以下のように発言。
「お互いの会社の株をほぼ半々で持ち合っているし、それは財産分与なんかより確実ですよ」
「私たち夫婦って、その経営を通じてパートナーシップを結んでいるわけですね。お互いからすれば、そのパートナーシップの方が婚姻届の紙1枚よりよっぽど重いんですよ」
(大企業の株を持つ投資家のような株主ではなく、夫の会社の株を半分持っている大株主で、上記の通り実質共同で経営している立場でありながら、彼女が主張するような
「夫の会社経営には関与しておらず、一切知り得ない」
はあり得ないわけです。そもそも本人が
「経営を通じてパートナーシップを結んでいる」
と自ら言っています。発言が完全に矛盾しており、この時点でいずれかが嘘であることは確定的)
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…こんな感じで、ようは
「自分は詐欺事件の容疑者である夫の会社とは一切無関係」
という主張でしたが、過去の自らの発言の数々により、それが嘘であることが発覚したわけです。
この時点で、「学者」として二度とマスメディアに出てはいけないかと思いますが、本当にやばい話はここから。
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<三浦瑠麗氏が「政府の要人」として政治の中枢に入り込み、自らの事業と中国に対して利益誘導した疑惑>
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▼三浦瑠麗氏は、「国際政治学者」の肩書きで、政府の成長戦略会議のわずか8人のメンバーの1人として参加していた。
▼成長戦略会議は、(財務省のポチ組織である)経済財政諮問会議と同じで、有識者の意見を客観的に聞く場ではなく、
政府が初めから自らの意見に都合の良い有識者を選び、「有識者の人たちのお墨付きを得た体裁」で政策を実行するためのもの。
▼成長戦略会議の8人には、他に竹中平蔵、デービッド・アトキンソンなど、日本をボロボロにしてきた新自由主義の権化と言える人物だらけ。
▼三浦瑠麗氏は成長戦略会議で、太陽光発電を推し進める提言を繰り返してきた。
※しかし太陽光発電は天気が曇りになった途端に安定供給できなくなるなど、極めて不安定な電力源。したがって、全国民が電気代から支払っている
「再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)」
がなければ、まず安定したビジネス(供給)を展開できない代物。
▼太陽光発電ビジネスは、全国民から無理矢理吸い上げられる「再エネ賦課金」が事業者に入ることで、非常に損をしにくいビジネスであるため、一部のお金のある事業者・投資家が太陽光発電ビジネスに群がった。
しかし、その太陽光発電の事業者があまりにもいい加減な事業展開(転売等)を繰り返すため、政府が事業を停止させる政策を進めようとしたところ、三浦瑠麗氏はそれに猛反対。(反対の資料も提出)
その三浦氏の意見に公益性につながる客観性があるとはとても考えにくい。
▼太陽光発電に必要なソーラーパネルの部品の大半は中国で作られている。
→太陽光発電を推進する事は、ほぼそのまま中国の利益となる。
▼太陽光発電を推進している団体「一般社団法人 太陽光発電協会」の会員の筆頭にも中国企業。
▼中国は、太陽光発電の部品の大半を新疆ウイグル自治区で作っている。
(ウイグルは強制労働で世界的に大問題になっています。アメリカでは、ウイグルで作られた製品の輸入を禁止したほど)
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…詳しく書くと長くなるのでこの辺にしますが、ここまで書いた話だけでも、
「大問題」
が複数にまたがっているのがわかります。
その大問題は全部書き切れないので、一部ですがポイントを箇条書きにします。以下の通り。
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▼成長戦略会議は、国の方針を決める極めて重要な会議であるため、(本来なら)極めて「中立性の高い立場」の人間しか参加してはならない。
三浦瑠麗氏は自ら「太陽光発電の事業者」と名乗り、実際に夫が太陽光発電をしている事実は、少し調べれば簡単にわかることであり、
「太陽光発電の事業者」として利益相反の関係にある三浦瑠麗氏を、そもそも成長戦略会議のメンバーに政府が入れていたこと自体がおかしい。
太陽光発電の事業者(関係者)であれば、そのデメリットや非効率性を無視して、「政策として太陽光発電をもっと進めるべきだ!」という意見を言うのは、ある意味で当たり前。客観性の高い意見を言えるはずがない。
▼当時の菅総理が三浦瑠麗氏をメンバーとして選んだようだが、その任命責任は極めて重い。
(特捜部が10億円クラスの小規模な詐欺事件を扱うことは本来なく、過去に特捜部に捕まった経験のある堀江貴文氏によると、裏でつながっている大物政治家の逮捕まで見越して、今回の三浦清志容疑者の逮捕に至った可能性が高いとのこと。)
▼成長戦略会議などの有識者会議のメンバーは「みなし公務員」であるため、その観点でも事業を行っている人間が参加してはならない。
▼三浦瑠麗氏の「国際政治学者」の肩書は、学術的な実績に基づくものではなく、単なる自称。
(「◯◯学者」は自称で名乗れる肩書きです。コンサルや作家や評論家などと同じ。私も気が向いたら社会学者か経済学者か心理学者でも適当に名乗ろうと思います(´ー`*))
▼100歩譲って、三浦瑠麗氏が他の国際政治学者を圧倒するレベルでまともな実績のある国際政治学者だったとしても、成長戦略会議の場で
「太陽光発電」「再生可能エネルギー」
を議論する上で、「国際政治の専門家」は全くの門外漢であり、国際政治学者が太陽光発電の政府の政策に口出ししていること自体が、そもそも完全におかしい。
▼門外漢である国際政治学者の三浦瑠麗氏が、わずか8人しか入れない国家の未来にとって極めて重要な成長戦略会議のメンバーに選ばれた理由は、
中国と近い関係にある政治家にとって、以前から中国寄りの発言を繰り返していた三浦瑠麗氏が都合が良いからと疑われても仕方がない。
(三浦瑠麗氏は「中国に日本の土地をどんどん買わせればいい。それが相互依存」と言う趣旨の売国的な発言をしている。ちなみに日本人は中国の土地を一切購入できないため、「相互依存」にはなり得ず発言は意味不明。
とても日本人の発言とは思えず、彼女には国家観が無いのがわかりますが、問題はこのような人物が自称学者でテレビでもてはやさるだけならまだしも、
選考基準も全く不明確なまま、政策に大きな影響を与える「成長戦略会議」に入り込み、政府の政策を実質的に決められるメンバーになっていることです。
「民間議員」とも言いますが、そんなことが許されるなら、選挙制度・民主主義自体が意味をなさなくなります。
しかし残念ながら、これが日本の政治の実態だと言うことです。)
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三浦瑠麗氏の立場が、
「国際政治学者」
「太陽光発電の事業者」
この“どちら”だったとしても、成長戦略会議のメンバーに入り、政府の中枢で太陽光発電の提言をするのはアウトなのです。
「国際政治学者」としてであれば
「完全に専門外」
の人間が政策に口出ししていることになります。こんなにメチャクチャな話もありません。
「専門外の人間」が政策に口出しできるなら、もはや何でもありかと。
ヒカキンさんや、ウエストランドの井口さんや、お見送り芸人しんいちさんや、江頭2:50さんや、巣鴨を歩いてるお婆ちゃんや、渋谷のナンパ師や、新宿の占い師や、歌舞伎町のホストや、私の好きな王将の店長や、今年90歳の高木ブーさんや、先日早稲田に落ちた元コリン星のゆうこりんが、
成長戦略会議のメンバーに参加してもいいわけです。
「完全に専門外」の人物
という意味で、三浦瑠麗氏と本質的には何ら変わりません。どんな政府やねんと(゚o゚;;
また、三浦瑠麗氏が
「太陽光発電の事業者」
であるとするなら、成長戦略会議で太陽光発電や再生可能エネルギーについて提言するのは、
「完全に利益相反(利益誘導)」
であり、かりに法的に問題がなかったとしても、道徳的・倫理的には大問題になります。
しかも、その利益誘導によって、不安定な太陽光発電ビジネスの事業を無駄に安定させるだけであり、
それはつまり「再生可能エネルギー賦課金」として全国民からお金が吸い上げられているので、
結局は国民が彼女たちの「公金チューチュー」のおいしい仕組みを(長年にわたり、毎月無理やりお金を払わされて)作ってあげていることになります。
しかも、この再エネ賦課金は「毎月必ず確実に値段が上がっていく」仕組みになっている。
さらにそのお金は、中国にも流れている。もうメチャクチャ。
この国の政府は、もはや正義も公平もモラルも仁義も誇りも思想もビジョンも、
大事なことを何もかも失ってしまっているようにしか見えません。゚(゚´Д`゚)゚。
というわけで、今回の三浦清志容疑者の逮捕は、
日本の国家としての根本的なあり方まで問われる、極めて重大な問題を多数はらんでいると言えるのです。
それではまた。