- 2024-4-20
- 第二領域の話
こんにちは、中西です。
勉強や仕事やプライベートのタスクを実行するときに、アプリで管理する人は少なくありません。
目的はいろいろあります。例えば
「もっと生産性を高めたい」
「やるべきことを継続したい」
「決めたことを実行したい」
「決めた目標を達成したい」
「進捗状況を視覚的に把握したい」
「記録を残していきたい」
「時間をうまく管理したい」
「毎日やって習慣化したい」
「Todoリストを効率よく管理したい」
・・・まぁ色々とあるわけですが、こういった目的を果たすために、
スマホやパソコンにアプリをインストールして、その仕組みと機能によって目的を果たそうとするわけですね。
私もこれまで相当たくさんアプリをインストールしてきて、無料のものはもちろん、買取で購入したり、サブスクで毎月お金を払ったりして、利用してきました。
もちろん今でも利用しているアプリは複数あります。
長年たくさんの「生産性アップ系のアプリ」を使ってきて思うのは、
アプリと言うのはとても素晴らしく、スマホやパソコンがない時代では、到底できなかったことが簡単にできるようになったということです。
アプリがない時代には、絶対できなかったことも実現できるようになっていますし、アプリで救われた人も多いでしょう。
驚くほど秀逸な機能の付いたアプリもたくさんあります。
一方で、多くのアプリに共通して存在している「デメリット」があることにも気づきました。
それは何かと言いますと、
【 自分以外の誰も管理してくれない 】
ということです。まあ当たり前と言えば当たり前ですが。
どんなに秀逸な機能のついた素晴らしいアプリでも、それをスマホにインストールして、日々利用しながら管理していくのは自分自身。
そのアプリの開発者が、アプリをインストールした一人ひとりの状況を管理してくれる、なんてことはまずありません。
アプリの開発者が何を考えているかと言うと、秀逸なアプリを作って、それを多くの人に利用してもらってチャリンチャリンと収益を得たいということです。
もちろん、アプリの改善やバージョンアップはしていきますが、利用者一人ひとりに対しての開発者側からの人為的な個別サポートや管理は(当然ながら)行われません。
アプリと言うのは、基本そういう仕様になっていますので、インストールした後は、自分1人で利用しながら管理していくことになります。
ところが、アプリを利用する人にとっては、この
「自分1人で管理するしかない」
と言う部分に、致命的なデメリットがあるのです。
どういうデメリットかと言うと、自分1人で管理すると言う事は、当然
「誰にも見られていない」
ということですから、
利用しない日があっても誰にも怒られませんし、自分にも他人にも、誰にも迷惑がかかりません。
自分の目標や実行したタスクがわかりやすく記録され、数値化され、視覚的にもグラフ化されて表示されたり、至れり尽くせりの様々な機能があったとしても、
【 自分の利用状況・進捗状況は、結局のところ自分以外の誰もチェックしてくれない 】
ということです。
これは確かに当たり前なのですが、このアプリの
「自分以外の誰もチェックしない」
という当たり前の部分が、実は致命的なデメリットになってなっています。
開発者たちは競いあって、
より優れた、より便利な、より多機能な、より細かい、よりデザイン性のよい、より視覚的にわかりやすい、より使いやすい
・・・と言う形で少しでも秀逸なアプリを作ろうとするわけですが、
実は利用者からすると、それではどこまで行っても「根本的な問題」が解決しないと言うジレンマを抱えているのです。
そのアプリにおけるジレンマというのが、
【 自分の利用状況・進捗状況は、結局のところ自分以外の誰もチェックしてくれない 】
という部分です。
世に出回っているほとんどの生産性・習慣化アプリと言うのは、どこまで行っても、この根本的に最も重大な問題を解決してくれません。
だからといって、アプリの存在が無意味ということでは全くなくて、冒頭でお伝えしたようにアプリと言うのはとても素晴らしい仕組みです。
ただ、アプリには「どこまで行っても自分1人で利用・管理するしかない」という根本的な問題を抱えているということ。
「アプリと言うのは、そもそもそういうもの」
だと言うこともできますが、逆に言うと、
「それがアプリの限界」
という言い方もできると思います。
私は13年ほど前に、今運営しているコーチングプログラムの前身となるコーチングプログラムを、大学受験生や資格受験生を中心に集めて運営していました。
この時から、受験生たちがアプリだけで1人で自己管理して生産性を高めることの限界を感じていたので、
オンライン上ではありますが、コーチが個別でテキスト(文章)ベースで一人ひとりに対応する、コーチングを行っていました。
その時に思っていたのは、いずれ秀逸なアプリが出てきて、当時私がやっていた
「コーチが個別で、一人ひとりの目標や状況を管理・コーチングする」
というやり方が廃れる可能性もあるのではないか?という危惧です。この危機感を感じていたこともあります。
その危機感から、多額のお金をかけてコミュニティー機能付きの完全オリジナルのアプリも作って、
そこに受験生を集めて数年運営していたこともありました。
ちなみに今でもそのアプリは残っています。
余談ですが、数ヶ月前に超久々にそのアプリを少し使ってみたのですが、その秀逸さに自分で驚いてしまいました。「うわ、これすげー!」って笑(細部の設計からデザインまで全部自分で考えたのに)
とは言え諸事情で今では使えないのと、それ以上に良いアプリは世の中にいくらでもあるので、私がやるべき仕事はそこではないと随分前に判断して、今に至ります。
まあそんな感じで、10年以上の長期間にわたって、この「アプリ」と「人間が行うコーチング」の比較を、自分でも開発したり、運営しながら考えてきたのですが、
13年たっても、SNSやアプリがどれだけ進化しても、本質的な問題は変わりませんでした。
結局のところ、自分以外の第三者が介在しない状況で、自分1人で秀逸なアプリを使って管理をしているだけでは、弱者はうまくいかない(ことが多い)ということです。
物珍しさから最初の数週間位なら使いこなせても、
自分1人で管理していると、そのうち続かなくなるケースが非常に多いのです。
この問題の本質は、アプリのクオリティの問題ではないということです。
どんなに秀逸なアプリでも1人で管理していれば、
それを使わなくても、目標が実行・達成できなくても、誰にも怒られませんし、全く恥をかきません。
誰にも見られていないので、当然誰にも迷惑もかからないですし、何のペナルティーも課されているわけでもありませんので、
数週間~長くても数ヶ月もしたら、全く使わなくなっているか、時々思い出したように使うくらいの状況になりやすいのです。
これでは、どこまで行っても、生産性アップや目標の達成やタスクの実行に悩んでいる人たちが抱える問題を、本質的に解決することはできない。
アプリだけで1人で管理して、継続的に実行できる優秀な人もいるだろうけど、私のような弱者タイプは、「アプリだけ」で問題を解決することは非常に難しい。
そう考えて、コーチが一人ひとりの状況を個別に把握(管理)して、アプリでは補えない
「人に見られている感」
を徹底的に利用したプログラムを作ることにしました。
今運営してるのはそういうコンセプトのプログラムなので、メンバーさん各自が利用している様々なアプリを、コーチの私に教えてもらい、
その各自のアプリのスクショ(利用している画面の写真)を撮影してもらって、
目標や進捗状況や達成率を、私に報告してもらっています。
(もちろん目標を達成する上でアプリを使う必要がない人は、私とアプリの共有はしません。念のため)
おかげでこの1年で、メンバーさんが各自利用している多種多様なアプリを把握することになりましたので、
世の中のライフハック系のアプリにやたら詳しくなりました笑
興味深いアプリについては、プログラム内でメンバーさんにシェアすることもよくあります。
通常は競合他社のアプリを使っている人を、プログラムの運営者やコーチが管理する・メンバーに紹介するなんてありえないのですが、
先述の通り、アプリそのものは機能として優秀なものが多いので、メンバーさんには自分に合ったアプリを使ってもらいながら、
コーチの私は、そのアプリの見方などを教えてもらった上で、進捗状況や達成率を確認しています。
私自身は、「アプリだけでは補えない部分のサポートをやっている」という自負がありますので、メンバーさんが他者のアプリを使っていても全然平気なのです。
いわば「アプリという枠組み」を超越した形で、アプリではできないことを仕組み化してプログラムを運営しているので、
メンバーさんが他社のどんなアプリを使っていても、その人が使い勝手の良いものであれば、それをコーチの私が把握して、一緒に共有しながら管理していきます。
ただ、若干矛盾するようですが、これまで私や多くのメンバーさんが試してきて、
ほとんどの人に非常に使い勝手の良いアプリもありましたので、メンバーさんの状況によっては、私の方から
「その状況なら、このアプリがオススメです」
という形で、特定のアプリをお勧めすることはあります。(あくまでその人の状況なら、使った方が良いと考えられる場合のみ)
もちろん、その後メンバーさんが実際にそのアプリを使ってみて合わなければ、無理に使ってもらっても意味がないのでやめてもらいますが、
そういうケースは少なく、非常に使い勝手が良い(プログラムと相性が良い)無料アプリと言うものもあります。
いずれにしても、そんな形でメンバー各自が必要な場合は、その人にとって必要なアプリを使ってもらいながら、アプリだけでは補えない
「人に見られている感覚」
を利用して、実行力・達成率を高めていく。
【 「アプリ」と「人間による管理」 】
の2つを車の両輪のようにハイブリッドすることで、
生産性・実行力・達成率は、最大限に高まる。
これまでコーチングプログラムを運営してきて、そう確信しております。
To Be Continued