- 2021-9-3
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こんにちは、中西です。
ニュースでご存知の方も多いと思いますが、菅総理が辞任の意向を示しました。
自民党の総裁選も立候補しないようです。
彼はおそらく日本の憲政史上最悪の総理大臣でしたので、日本のためにも辞任自体は良かったと思います。
これだけでもかなりの朗報でしたが、さらに過去最高レベルで期待できる話があります。
それは総裁選に出馬することを表明した
高市早苗衆議院議員(元総務大臣)
の「財政に対する認識」(貨幣観)です。
これまで本メルマガで何度も何度も何度もお伝えしてきた通り、この国がここまで没落してしまった最大の原因は「緊縮財政」にあります。
緊縮財政というのは、初心者向けに簡単に言うと、政府が国民にお金を出そうとしない、とんでもなくケチケチした政策のことです。
この緊縮財政が30年近くも続いているせいで、日本はありとあらゆる分野で没落し、先進国で唯一経済成長できない国になり、国民は総貧困化してしまいました。
この国のありとあらゆる問題の根源にあるのが緊縮財政なのです。
従って緊縮財政を叩き潰さない限り、「絶対に」日本が良くなることはありませんし、
それはつまりわれわれの未来も、老後も、我々の子孫の人生も、全てが暗い未来しか待っていない大変な事態に陥るということです
(究極的には中国の植民地化。経済力の格差が10倍近くになれば普通に起こり得ます)。
今度の総裁選に立候補する高市早苗衆議院議員が総理大臣になった場合、
「日本初の女性総理が誕生」ということの100倍ぐらい重要な要素として、
30年続くこの日本の最悪の緊縮財政を、叩き潰してくれる可能性があるのです。
高市議員は、過去のあらゆる総理候補者の中で、 唯一まともに「正しい財政認識」を持っている政治家だからです。
▼高市早苗前総務大臣が意欲を語る ~ニューアベノミクスとも言える「サナエノミクス」が「日本経済強靭化計画」
上記は8月17日に放送されたラジオ番組で、高市議員が電話出演して話した内容を記事にしたものです。
記事から一部引用します。
『高市)特に日本の場合は、日本銀行に通貨発行権があります。
自国通貨建ての国債発行ができますから、デフォルトの心配はない。要は債務不履行の心配はないのです。』
『高市)それともう1つ、「インパクトがあった」と皆さまが驚かれたことですが、
物価安定目標であるインフレ率2%を達成するまでは、時限的にプライマリーバランス、PB規律と言われるものですが、これを凍結させていただくことになります。
アベノミクスの場合は2本目の矢である機動的な財政出動で需要拡大をしようと思ったのですが、財政当局がプライマリーバランス黒字化に拘られました。
結果的には、緊縮財政になってしまって、なかなか効果が見えにくかったのです。
そうならないよう、インフレ率2%を達成するまでは、時限的にですが、プライマリーバランスは凍結するということです。』
・・・ごく一部の引用ですが、こんな感じです。(全文も確認したい人はリンク先の記事をご覧ください)
本メルマガの以前からの読者さんであれば一目瞭然だと思いますが、
このメルマガで10年近く前からずっと言い続けてきたことと、 全く同じ話をしておられます。
なんとなく似ているというレベルではなく「完璧に一致」しているのが分かると思います。
高市早苗議員は、 「正しい財政政策」をついに完璧に理解したのです。
財政出動における唯一の制約条件が「インフレ率のみ」という、ほとんどの政治家(大半の経済学者も)が理解できない最重要ポイントも、話の内容からしっかり理解しているのがわかります。
ここまで完璧に正しく理解できている政治家が総理候補になったことは、今まで一度もありませんでした。
特にこの部分。
「自国通貨建ての国債発行ができますから、デフォルトの心配はない。要は債務不履行の心配はないのです。」
初心者向けに簡単に解説すると、「自国通貨建て」というのは「自分の国の通貨=円でできた国債」ということです。
ちなみに国債を発行する=貨幣(通貨・お金)を発行する、ということと同義です。また、
デフォルト=財政破綻=債務不履行(政府が借金を返済できないこと)
になります。
つまり要約すると、
「お金を自分で発行できる権限を持つ日本政府は、『円』というお金を自分でいくらでも発行できるので、自分でお金を作り出せる政府が、その『円』で作られた借金を返済できなくなり、国が破綻することはない」
ということです。
少し考えれば小学生でも理解できる、 たったこれだけの当たり前の客観的事実を、
政治家も、経済学者も、東大名誉教授も慶応大学の教授も、著名な経済評論家や著名な経営者、大手マスコミの経済記者も、知識人や言論人も、
みーーーーーんな否定して、その事実を主張している人間たちを上から目線で否定したり、陰謀論を信じている頭のおかしい人間のようなレッテルを貼り、
「そんな都合のいいことがあるわけがない」
などと主張し続けてきたわけです。
そして彼らの無知によって大勢の国民が貧困化し、生活に苦しみ、自殺に追い込まれ、殺されてしまったのです(自殺者の増加分だけで数十万人。つまり原爆より緊縮財政で国民が殺されています)。
逆に言うと、この程度の正しい知識すら持てる人間が、この国のトップ層にも知識層にも全然いなかったのです。
池上彰のような世間的には国内トップの知識層と思われている言論人すら、これっぽっちも理解しておらず(コロナ後に理解した国民から大バッシングを受けて、最近ようやく自分の過ちを理解したようですが)、
マスコミの経済記者に至っては、財務省のプロパガンダ「財政破綻論」を日本中に拡散させている始末で、
とにかく日本中、「かしこ」と思われているありとあらゆる知識層がずっと理解できていなかった「正しい貨幣観」を、
高市早苗議員はここに来て、ついに、ついに、
よーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーやく理解できたもようです。
と言いますか、まだ理解できていない政治家が山ほどいることが信じられないのですが、高市議員はコロナ以降に多くの日本人が
「国の借金問題は嘘で、そんな問題は一切存在しない」
という事実をついに理解した国民と同じく(と言ってもまだ10人に1人もいませんが、これまでは1万人に1人も理解していなかったので飛躍的な増加率)、
その流れで、他の多くの国民と同じように、高市議員は、
「マスコミが垂れ流していた財政破綻論は嘘だったんじゃないか?」
と去年の後半か今年あたりに気づいたのでしょう。
そして突貫工事的に、一気に勉強したのだと思います。
それはつまり「にわか勉強」とも言えますが、日本人の誰もが間違っていた財政の「天動説」から、
正しい事実である「地動説」に認識を切り替えるには、「にわか勉強」でも実は十分なのです。
「地球の周りを太陽や天体が回っているのではなく、地球自身が回りながら、太陽の周りを回っていた」
という最重要ポイントを理解するだけなら小学生でも可能ですし、そんなに時間はかからないわけです。
(彼女の知識を「にわか」だという理由は、彼女はついこの間まで「消費税を撤廃してはいけない」などと言っていたからです。
この一言で最近まで何もわかっていなかったのが明白であり、その後上記の記事のように現在は「完璧に正しく理解している」ということは、この短い期間に一気に勉強したからでしょう)
高市早苗議員は日本の憲政史上、初めて「正しい財政認識」を持って総理候補になった政治家だと言えます。
では彼女が総理大臣になったら、彼女が今発言しているように大規模な財政出動をしっかりと行う、「正しい財政政策」を実行し、日本を救うことができるのか?
私は 彼女の財政認識は完璧に正しいことは認めつつも、 総理大臣になった時にそれを実行できるかどうかは、50%ぐらいしか信用できていません。
というのも、まずはこれまで緊縮財政を裏で主導し、絶対に緊縮財政を実行することが組織としての目的になっている財務省が、相当な圧力をかける可能性が高いことがまず一つ。
(いずれにしろ財務省はありとあらゆる手を尽くして財政出動を阻んできます。
時々読者さんからその理由など聞かれるのですが、既に詳しく解説しており、また長くなるので今回はカット。
一言で言うと「税収が増える」ことが財務省の絶大な権力につながるため。財務官僚は30年にわたりそのおいしい立場を何が何でも維持しようとしているから、緊縮財政が絶対正義になっている組織なのです)
もう一つは、正しい財政出動を行えば日本が一気に経済成長を遂げる事は確実なので、果たしてアメリカや中国がそれを平気で許すのか、という問題。
特にアメリカは先の大戦もそうですが、バブル期も日本を非常に脅威と感じており、いかにうまく日本を利用して搾取しつつ、 日本が自分たちの脅威にならないようにしてきました。
(この辺り詳しくない人は年次改革要望書やGHQの占領政策をある程度でも調べるとわかるかと)
そもそも安倍晋三元首相は、消費税を10%に上げるなど論外な緊縮財政を断行し、
さらにはその後景気が全く回復していないにもかかわらず、「景気は緩やかに回復している」という大嘘をついていたことを、このメルマガでも過去にお伝えしていました。
ただ、私はてっきり 当時の安倍総理は財務省のレクチャーとマスコミの報道を鵜呑みにして「正しい財政政策」を理解していないと思っていたのですが、
驚くべきことに、安倍総理は昨年総理を辞任した後、 新潟など全国の地方で講演に回ってるのですが、そこでは完全に正しい財政の話(上記の高市議員と同じような話)をしているのです。
安倍元総理の辞任後の講演での「信じられない発言」を引用しますと、
「子どもたちの世代にツケを回すなという批判がずっと安倍政権にあったが、その批判は正しくないんです。
なぜかというとコロナ対策においては政府・日本銀行連合軍でやっていますが、政府が発行する国債は日銀がほぼ全部買い取ってくれています」
「みなさん、どうやって日銀は政府が出す巨大な国債を買うと思います?どこかのお金を借りてくると思ってますか。それは違います。紙とインクでお札を刷るんです。20円で1万円札が出来るんです」
「日銀というのは政府の、言ってみれば子会社の関係にある。連結決算上は実は政府の債務にもならないんです。
だから孫や子の代にツケを回すな、これは正しくありません」
・・・・おいおいおいおい、
お前、完璧に正しく理解してるやんけ!!!!Σ(`ロ´;)
厳密に言うと、2つめの日銀が政府が出す国債を買うときに、「紙とインクでお札を刷る」のではなく、現在はデジタルデータなのでキーボード操作でデジタル上の数字を増やしているだけ、です。具体的には
日本銀行が国債を購入する際に、市中銀行(など)の日銀当座預金口座の数字を、国債の額面分増やす。
これだけです。したがって、安倍元総理がいう「紙とインクでお札を刷る」は実務上は違うのですが、本質的には同じことを言ってます。
安倍晋三は首相時代に政策で実行していた事と、辞任直後の講演での発言が、恐ろしいほど、あまりにも矛盾しすぎているわけです。
これ、普通に大スクープだと思うのですが、マスコミの経済記者の皆さんには理解できないのでしょう。(。´Д⊂)
彼は総理を辞任した後で、突然急にこの認識に至ったわけでは、どう考えてもないはずです。
つまり安倍晋三は何が正しいかを全て完璧に理解していながら、総理大臣時代に実行に移さなかった可能性がとてつもなく高いです。
国民が次々と失業・倒産・自殺・貧困に追込まれた、戦後最大の国難においてさえ、何が正しいかを理解していた総理大臣が、
それを全く実行せずに辞任し、辞任した直後から正しい話を言い出す。
個人的には万死に値する所業だと思います。
なぜ彼がここまで完璧に理解していながら実行しなかったのか。
正確な理由は分かりませんが、各方面からの圧力や利害関係であることは容易に想像できるわけです。(それに屈していた時点で一国の首相として論外ですが)
こういうことがあるから、 私は高市早苗議員が「完璧に正しい財政認識」を発言して総理に立候補した初の政治家である点を非常に高く評価し、
今のところ彼女以上に期待できる総理候補の政治家はおそらくいませんが、
一方で総理になったとして本当に実行できるかどうかは、50%ぐらいしか信用しておらず、手放しでは楽観視していません。安倍元総理の動向を見れば、とてもそんな単純な話ではないことが実感できるので。
いずれにしろ、高市早苗議員が最も現実的に総理として「完璧に正しい財政政策」を実行できる可能性が高いので、 期待しながら見守りたいと思います。
もし本当に彼女が言うとおりの政策を実行できれば、「日本初の女性総理」 という快挙どころではなく、
日本の愚か過ぎる緊縮財政を大転換させ、日本の没落を止め、
貧困で30年苦しみ続けた日本国民を救った政治家として、永久に歴史に名を残すことになります。
それではまた。
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