こんにちは、中西です。
今回は日曜日なので雑談系ネタで。
(このメルマガは休日は雑談系になることが多いです)
ニュースでずいぶん話題になってたのでご存知の方も多いと思いますが、先日、歌手の沢田研二さんが騒動を起こしました。
ライブに7,000人の観客が来ているにも関わらず、当日の開催直前になって突然ライブを中止。
理由は満員の9,000人ではなかったので「僕の意地を通した」という話。
“ジュリー”のファンへのこの対応に関して、有名人・世間一般人含めて、大勢の人たちが怒りまくってる感じです。
その意見の多くはだいたい同じようで、
「人数が少なくても(一人しか観客がいなくても)やるべき!!」
という意見でした。
この意見に私も賛成なのですが、詳しい事情は知らないですし、その後沢田さんは謝罪もされて、コンサートも延期で開催されるようなので(今度は満席)、この件にどうこう言う気はないです。
ただ、この騒動を見てちょっと思い出したことがあるんですよね。
私が浪人生だったときの話ですが、予備校にある有名人が来て講演をするという案内がありました。
案内といっても、予備校スタッフが作った文字だけのポスターが、廊下の壁に貼ってあっただけの簡単なもの。
その有名人はテレビにもよく出ている外国人ということで、誰か知りませんでしたが<(_ _)>、私は授業より圧倒的に講演の方が好きなタチなので、まあその講演も行ってみたわけです。
行って驚いたのは、200人が入る大教室に、生徒が10人ほどしかいなかったこと。
「テレビに出てる有名人なのに聴衆が少なすぎる。スタッフ怒られるんちゃうか」
とか思ってました。
開始時間になり、講師の方が入室。
背が高くて、端正な顔立ちのかっこいい白人の方でした。
その講師が扉から入ってきて教室の中を見た瞬間、彼の顔が凍り付いたのをはっきり見ました。こんな顔→(゚o゚;;
2秒くらいの一瞬の出来事で、すぐ顔を普通に戻されたのですが、大昔のことなのにいまだにその一瞬の驚いた顔をハッキリ覚えています。
そりゃテレビに出てる人なのに、大手予備校の講演に生徒が10人しか集まってなかったら驚くはずです。10人の1人だった私ですら、申し訳なかったので。。
ところが、です。
講演がスタートすると、すごいのなんのって。もうすごいすごい。
何がすごいねんって話ですが、講演がスタートしてから、もうずっと「笑わされっぱなし」なのです。
話の内容は講師の自伝的な話で、彼がなぜ日本を知り、なぜ日本を好きになったかに始まり、その後実際に日本に来て、日本の文化にいろいろ触れ、日本で体験したことのエピソードトークでした。
真面目そうな話に聞こえますが、内容は面白すぎて、教室内が爆笑につぐ爆笑になったのです。たった10人なのに。
私はそれまでの人生で、人の話を聴いてあんなに笑ったことはありませんでした。講演やライブであそこまで笑ったのは、あれが最初で最後かも。
もちろん私以外の生徒もみんな、講演中ずっと爆笑しっぱなし。
大昔のたった一度きり、1時間の講演なのに、講演タイトルまでしっかり覚えていて、「さくらんぼに見えた梅干し」というタイトルでした。
日本に来てさくらんぼだと思って食べたら梅干しだった、という話。
これは話のごく一部でしたが、これも大笑いの話で、あまりに面白すぎてある有名な外国人タレント(名前も言ってた)にその話をテレビでパクられたとも。
「こんなにも爆笑につぐ爆笑の面白い話なのに、俺ら10人しか聴いてないなんて、なんてもったいないんだ(つД<)・゚。」と笑い泣きしながら思ってました。
その講師がジェフ・バーグランドさんです。
今でも作家・タレント・大学教授をされていて、関西ではテレビで毎日のように見かけるので、たぶん関西人で顔を知らない人はあまりいないはず。
先日京都に行ったときも、京都駅の構内に彼と生徒20人くらいが一緒に映った学校の看板を見かけました。
「あ~ジェフ・バーグランドさんだ!お元気そう。昔と見た目まったく変わってないのすごいな」とか思ってました。
私は浪人時代、大勢の予備校の先生から膨大な時間の授業を受けましたが、皮肉なことに私の中で一番印象に残っているのは、彼の“授業”です。
その後何十年?もたっているのに、私はいまだにジェフ・バーグランドさんのことが大好きで、たぶん一生大好きです。
それは200人の教室に浪人生がたった10人しかいない講演だったのに、あんなに全力で話してくれて、あれほど笑わせてくれたからです。
もう何十年もたってるのに、そのとき10人の1人だった浪人生が、こうして大勢の人が読むメディアで、彼の講演の感動を伝え、無料で彼の宣伝を喜んでしてしまっています。
今回のジュリー騒動で、浪人時代のジェフさんの観客10人しかいない大爆笑講演を思い出し、あの時のジェフさんのようにあらためて私自身も「お客さんをもっと大事にせなあかんな」と思った次第。
それではまた。