- 2017-6-8
- おすすめ記事, その他・雑談, 勉強の集中力をアップさせる考え方, 志望校・進路の決め方
こんにちは、中西です。
学問において、よく
「○○○のジレンマ」
といった用語が出てくることがあります。
「ジレンマ」とはそのままの意味ですが、
簡単にいうと、AとBの選択肢があったとき
に、その両方を手に入れたくても、片方を
取ると、もう片方は手に入れられなくなる
“板挟み状態”(>_<。)
のような意味です。
日常生活でも、たとえば彼女から
「奥さんと私、どっちが大事なの!?」
と問い詰められた場合(設定が・・・(;゚ロ゚))、
どちらかとしかすごす時間を確保できず、
板挟みになって悩むとき、「ジレンマ」に
陥っているといえます。
これはあまりジャンルは問わない用語で、
学問的にも多くのジャンルで使われます。
有名どころで言えば、1950年に数学者の
アルバート・タッカーが考案した
「囚人のジレンマ」
という理論があります。
これは経済学・政治学・社会学・心理学・
哲学・生物学など、多くの学問分野で研究
されています(話すと長いので興味のある
方は調べてみてください)
また、
「イノベーションのジレンマ」
という有名な理論もあります。
これ自体は大企業がベンチャー企業に
画期的な新事業でなぜか勝てない
メカニズムを解き明かした理論です。
余談ですが、そこから派生した話として
最近聞いて個人的に面白かったのが、
企業などの組織で、何か世間的にみて
イノベーション(革新的な取り組み)を
しようとしても、
それを社内(組織内)の人たちに理解して
もらわないと計画が進まないわけですが、
その話を聞く組織内の人たちから見て
も、「イノベーション」なわけですから、
理解してもらうのが難しく、理解されないまま
結局計画が頓挫してしまう、
という「ジレンマ」もあるという話。
あるいは、「ジレンマ」ならぬ
「トリレンマ」というものまであります。
「ジレンマ」は2つの選択肢で板挟みにな
って悩むわけですが、「トリレンマ」は
3つの選択肢になります。
これもジャンルは問わない概念で、
「国際金融のトリレンマ」
というのもありますし、最近なら三橋貴明
さんという評論家の方が
「移民政策のトリレンマ」
という話を展開されています。
「移民政策のトリレンマ」とは、
「外国移民の受け入れ」と
「治安維持」と
「国民の自由」は、
“3つのうち、同時に2つまでしか満たせない”
という理論です。
移民を受け入れると、(イギリスやフラン
ス、ドイツのように)「治安が不安定化」し、
「国民の自由は制限」される。
「国民の自由」と「治安維持」を守るなら、
「外国移民を受け入れ」は難しくなる。
「治安維持」と「移民受け入れ」を手に入
れるなら、「国民の自由」は制限される。
・・・という具合に、“3つのうち2つま
でしか手に入らない”という状態です。
で、ここからが本題なのですが(前置き長い<(_ _)>)、
私はこの「ジレンマ」(「トリレンマ」、
4つの場合は「テトラレンマ」)が、
「大学受験」においても存在している
と考えています。
さらにいえば、その先の
「仕事(就職)」においても存在している
と考えています。いわば、
「大学受験のジレンマ」「仕事のジレンマ」
です。
(ここからは、3つ以上の選択肢でも、
まとめて「ジレンマ」と表現)
「大学受験のジレンマ」とは、
“進路選び”におけるもので、
通常志望校を決めるとき、以下の基準を
ふまえて検討する人が多いです。
「好きな大学」「興味のある学部」
「偏差値(難易度)」「知名度(ブランド)」「倍率」
他にも複数ありますが、決定する際の基準
としては、このあたりがメインになる人・
進路選択時に気になる人は多いと思います。
ただ、この5つをすべて完璧に満たす進路
は、見つけられない可能性が高いです。
逆に言うと、上の5つから
「1つ以上を捨てないと進路は決まらない」
ことが、圧倒的に多いということです。
少なくとも私が知る限りはそうです。
▼自分が「興味のある学部」を一番重視する
と、「好きな大学」にその学部があるとは
限らない。
その大学に「知名度(ブランド)」があるとも限らない。
▼「好きな大学」を重視すると、自分が一番
「興味のある学部」を選べる確率は低下する。
▼「知名度(ブランド)」を重視すると
「倍率」は高くなりやすい。
▼「倍率」「偏差値(難易度)」がやたら
低くて入りやすそうな大学(学部)を重視
すると、「知名度(ブランド)」があまりなかったり、
「好きな大学」「興味のある学部」
ではない確率が高まる。
・・・・細かい突っ込みどころはあります
が、大筋の傾向でいえば、こういう
「大学受験のジレンマ」
というのは、確かに存在していると私は思うわけです。
これは大学受験を経験した人なら、
経験的・感覚的に理解していることだと
思いますが、この大学受験の進路決定における、
ある意味で“逃れられない法則”を、
ちゃんと言語化してくれている人は
ほとんどいない気がします。
この「大学受験のジレンマ」というものの
存在を知っていれば、あとは
「5つの中で自分はどれを重視し、どれを捨てるか」
という価値観を決めよう、という話になります。
「そもそもジレンマがあるものなんだ」
とわかっていれば、必要以上に進路で悩み
すぎることも無くなるということです。
決断するにはある程度の見切り・勢いが
最終的には必要になることが多いので、
その決断を下す上でも「ジレンマ」を
理解しておいたほうがいいと思います。
それは結局、
「ここが第一志望でいい!」
という確信につながり、その確信は、
当然ながら集中力アップにつながるわけですね。
というわけで、「大学受験のジレンマ」は、
冒頭で書いた他の「ジレンマ」と同じで、
「そもそもすべては満たせない」
ということですので、この点を理解してお
くと、必要以上に
「本当にここでいいのか?」
などと進路に悩みながら勉強を続けるリス
クも回避できますので、よかったら頭の片
隅に入れておいてください。
それではまた。
P.S
「仕事(就職)のジレンマ」
もついでに話そうかと思いましたが、
これ以上は長くなるので(つД<)・゚。
興味がある人は考えてみてください。
まあここまでの話と似ていて、
「自由度」「安定」「収入」「楽しさ」
「知名度(ブランド)」
あたりがキーワードですね。
なお、「受験」「就職」ときたら、
人生の3大イベントのラスト1つに
「結婚」
があるわけですが、この流れでいくと
「結婚のジレンマ」
なんてのも何となくありそうですが
・・・・めんどくさいのでやめとこ(-_-;)