- 2013-3-17
- 2013年の記事
こんにちは!早稲田集中力研究会の中西です。
受験勉強においては、「勉強法」をどれだけ知っているかというのは、合否を左右する大きな要素の一つですが、
ものごとには当然ながら限度というものがあって、「勉強法」についていつまでも研究していても仕方がないわけです。
つまり「勉強法の勉強」ということなのですが、科目の勉強がそうであるように、「勉強法の勉強」というのも、学び出すとキリがありません。
数学の勉強に終わりがないように、「勉強法の勉強」もどこまで行っても終わりというのはありません。
よって、大切になってくるのは、「切り上げ時」です。
数学の勉強であれば、専門の学部にでも行かない限り、通常は「受験本番」がデッドエンドになるのでわかりやすいわけですが、
「勉強法の勉強」を、受験本番まで延々とやり続けるというのは、さすがにちょっと本末転倒感がハンパやないわけです(-_-;)
少年野球をこれから始める小学生が、野球のルールブックをずーっと読んでるみたいなもので、
そんなルールはさっさと頭にたたき込んで、野球の練習を一刻も早く始めたほうが成長は早いです。
このあたりの「切り上げ時」を間違えた人、あるいはそのタイミングがわからないままずっと勉強法の情報集めばっかりやり続ける人のことを、
「ノウハウコレクター」といいます。なんか映画のタイトルみたいなちょっとかっこいい響きの名前ですが、その響きとは裏腹に、とんでもなくかっこ悪い人のことなのです(-_-)
私のクラスメイトにもいたのですが、ものすごく勉強法に詳しいやつね。「おまえ、もうそれで飯食って行けるんちゃうの?」と言いたくなるような、
参考書や問題集の超マニアック情報まで把握していて、みんなにうんちくを垂れてるやつ。それで成績が良ければいいのですが、成績はふつうよりちょっと下でした。。
こうはなりたくないわけです。というか、なってはダメなわけです。
ただ、残念ながら少なくない受験生は、このようなノウハウコレクターになる危険性と常に隣り合わせだと思います。
とくにこのブログを読んでる方は、情報収集能力は平均より高いはずですから、逆にノウハウコレクターになる危険性も平均より高いといえます。
余談ですが、このノウハウコレクターというのは、受験生だけの話しではなくて、社会人にもたくさんいます。
そう考えると、ノウハウばかりを集めてしまうのは、誰かある一人の短所とかではなく、誰もが陥る危険をはらんだ特性なのです。
ではなぜ、人はノウハウコレクターになってしまうのでしょうか。
私が考える理由は、究極的には2つです。
1、わかった気になれる(現実逃避)
2、それ自体が楽しい
1というのは、ようするに野球の実践経験がない少年でも、「漫画でわかる!少年野球のルールブック」を読んだら、
「野球というものがわかった!」という状況になるわけですが、この「わかった」ということと、「実力がついた」こととはまったく違うものなのに、
なぜかつい「わかった」ことだけで「実力がついた」という錯覚をしてしまうんですよね。
もちろん、自分でもルールブックを読んだだけで本当に実力がついているとは思っていないわけですが、
感覚としては、ルールブックをしっかり勉強すればするほど、わかった感によってなにやらちょっと自分がレベルアップしたみたいな気がして、一定の満足感を得てしまうわけです。
しかし、その状態で少年に突然試合でバッターボックスに立たせても、ヒットなんて打てないのです。せいぜいファールできればいいほうかと。
2の「それ自体が楽しい」というのは、さらにやっかいです。知的好奇心が旺盛な人ほど陥りがち。
これは昨日の記事で「苦手科目は勉強時間を増やせば好きになる」という話をしましたが、その逆効果バージョンですね。
なにごとにおいてもそうですが、当該ジャンルの知識が増えれば増えるほど、連鎖反応のように「もっと知りたい」という要求が高まり、
その知的欲求を満たしたときに「楽しいヾ(´▽`)ノ」と感じるようになります。
これはある種脳内麻薬のようなものなので、いい方向で利用すれば(たとえば上記のような苦手科目の克服)問題ないのですが、
受験の合格にとって関係ない分野にまで、知的好奇心をそそられ、そこに楽しさを発見し、えんえんそのジャンルに時間を費やしていたら、
そりゃ受験で失敗する確率がどんどん上がっていきますよ、という話です。
ノウハウコレクターというのは、ようするにこういった「わかった気になれる」「それ自体が楽しい」という状況にハマりすぎた成れの果ての姿であり、
こういった落とし穴に落ちるのを防ぐには、最初にお伝えした「切り上げ時」が肝心ということです。
こんな話は「勉強法の本」には書いてないですからね。よくよく注意しておいてください。
というわけで、この時期、そろそろ本格的に受験勉強をスタートさせようという方も多いと思いますが、受験勉強の本筋と関係ないところでムダに時間をとられないためにも、
「勉強法の勉強」をスタートさせた人で、とくに自分は知的好奇心が人より強いと思う人は、
「切り上げ時」というものを何より強く意識しておいてほしいと思います。