- 2013-12-1
- 元アメブロ記事(13年2月~14年5月、修正中), 過去問の勉強法
こんにちは!早稲田集中力研究会の中西です。
この時期になると、大学受験生の方の多くはセンター試験対策に追われていると思います。
どんな試験でもそうですが、とくにセンター試験というのは過去問をどれだけこなしてきたかが、本番の結果に大きく影響を与える試験です。
ただ、ここで「ひたすら過去問を解いていく」ことだけが最重要課題だと考えてしまうのは、少し誤解があります。
試験というのは、超大きなくくりでいうと、
1、思考系の問題
2、暗記系の問題
があるわけですが、「ひたすら過去問を解いていく」というだけでは、とくに2の「暗記系」の問題においては対策として不十分です。
(ここでいう暗記系というのは、センター数学のような解法パターンをある程度暗記した上で、その類似問題を解いていく場合も含みます)
過去問をたくさん解いていくことは重要ですが、とくに暗記系の問題において最重要なのは
【 同じ(類似)問題が出たときに、必ず解けるようにすること 】
です。その点に意識が向いているかどうかを、常に確認するようにしてください。
そこに意識が向いていない場合、ただひたすら過去問をこなして行って、それだけで満足してしまうことになりかねません。実際、そういう受験生も少なくないのです。
「今日はセンターの○○年度の問題を解いたぞ!よし、明日は△△年度の問題をやるぜ!」
と、次々にまだ手をつけていない年度の過去問を「やり尽くす」ことに意識が向きすぎると、「同じ(類似)問題が出たときに、確実に解けるようにする」という部分がおろそかになりがちなのです。
前回も書きましたが、勉強に取り組むときにベースとなっている「考え方」はとても大事です。
その「考え方」が次の行動を引き起こすわけですから、「考え方」がズレていると、行動もズレたものになり、結果もズレたものになります。
今回の話でいうと、「過去問をやり尽くす」という点に自分の意識が向きすぎていると、「同じ(類似)問題が出たときに、確実に解けるようにする」という最重要課題がおろそかになる危険が高まるということです。
「同じ(類似)問題が出たときに、確実に解けるようにする」という考え方さえしっかり持っていれば、対策は自分なりにいくらでも浮かびます。
たとえば、過去問を解いて間違った問題には×を付けて、あとでその部分だけを復習する。
あるいは、間違った部分の解説をコピーしてノートに貼り付け、後でまたその解説だけをスキマ時間に読む。
間違った問題の要点を大きめのカードにまとめて、「センターで間違った問題の要点カード」を作って、リングでまとめる。
こういう形で、最初の「考え方」さえ間違っていなければ、いくらでも自分なりの対策が浮かぶものです。
「考え方」が正しければ、たとえば上の例でノートにコピーを貼り付けすぎてノートがブヨブヨになってしまい、まとめノートの見栄えが多少汚くなるとか、
まとめカードの大きさが、問題によって大小に分かれてしまってちょっとまとまりが悪いとか、そんな多少の「スマートさ」に欠ける部分があったとしても、本質は外していませんから成績は伸びて行きます。
ところが、「過去問をひたすらやって行く」「過去10年分をやり尽くすぜ!」といった点にばかり意識が向いていると、過去問のやり残しが少しずつ減っていくことだけで満足してしまいかねません。
これは本質を外していますので、「過去問はめっちゃいっぱい解いたわりに、なぜか成績が伸びない・゚・(ノД`;)・゚・」ということも起こりうるわけです。(実際ここ最近、受験生からそんなご相談がとても多いのです)
過去問をやったあと「同じ(類似)問題が出たときに、確実に解けるようにする」というのは、とくに暗記系の過去問をやっていく上では必須の重要な「考え方」です。
ここにしっかり意識が向いていないと、「過去問を大量にやったのに、センターでは失敗した(;д;) 」なんて最悪の事態も起こりえます。
「過去問をやったあとは、もう二度と同じ(類似)問題ではつまずかないぞ!!」
という強い覚悟で、その知識を完全に記憶できる仕組みを自分なりに作っておいてください。
つまり上記の例のような、何らかの形であとで再びその知識を復習・チェックできるシステムを作っておくということです。
このシステムが自分なりにしっかりと出来ていれば、過去問をやる量に比例して、どんどん力が付いていきます。
同じように毎日過去問をやっていても、こういう詰めの部分が甘い人としっかり出来ている人とでは、日に日に大きく差が開いて行くのです。
同じように過去問をやっているのに、詰めの甘さで負けてしまうのは本当に馬鹿らしいことだと私は思います。
この「過去問をやったあとの詰め」の部分は、くれぐれも怠らないようにしておいてくださいね。
P.S
今回は冒頭で書いたように過去問の「暗記系」の問題(分野)についての注意点でした。次回は「思考系」の問題(分野)の注意点についてお話しする予定。