- 2025-9-8
- ChatGPT
こんにちは、中西です。
AI革命が爆進中で、ビジネスの現場・教育の現場・プライベートでも、
この時代の変化に合わせた対応が求められています。
特に教育の現場で積極的にAIが使われているという話は、個人的には少ししか聞いたことがありませんでした。
学校が教えるというより、大学生が積極的に利用しているという話はよく聞きます。
私のコーチングプログラムのメンバーさんの大学生や新卒ぐらいの方でも、AIは皆さん当たり前のように使っています。
今、大学生ぐらいの世代より下の年齢の人たちは、社会に出る前にAIを利用していたということで、「AIネイティブ世代」と言えるかもしれません。
ちなみに、株式会社博報堂DYホールディングスが昨年行った調査によると、10代の6割以上がAIを利用していることが判明しています。
私の高校生の甥っ子も少し前にパソコンを購入して、今は当たり前のようにAIを利用しています。
この10代から大学生ぐらいの、社会に出るまでの年齢層でAIを利用することが、どの程度まで良くてどの程度までリスクが伴うのか。
これが私にはイマイチよくわからなかったのですが、最近発表された研究によって、
教育現場で若い世代がAIを使っていると想像以上にリスクがあることが判明しておりました。
結論から言いますと、
【 学生がAIに頼るほど、考える力や記憶する力が衰える 】
ということが判明しています。※参考:本メール下部に記載
これはアメリカのMIT(マサチューセッツ工科大学)の研究ですが、
生成AIを使って文章を書かせたときに、学生の脳や認知機能にどのような影響が出るかを調べました。
その結果、AIを利用した学生の約8割が、自分が書いた内容すら思い出せなかったということです。
研究者によると、AIが便利すぎて、学生は深く理解しようとしなくてもAIが答えを与えてくれるため、
能動的に考える力、批判的に判断する力、問題解決力
が弱まる可能性があるということです。
AIに依存することで「学んだ気」になってしまう学生が急増する可能性があると指摘していました。
本来の学びに必要な批判的思考や、自分で考え抜く習慣が育たないことも懸念されていました。
しかも興味深いのは、自分が書いた内容を思い出せないだけでなく、自分が書いた文章だという感覚も低かったそうです(゚o゚;)
研究では、比較するため「検索をしながら文章を書いたグループ」もありましたが、
このグループは「自力で文章を書いたグループ」よりも劣っていましたが、まだ記憶や所有感が強かったようです。
一方で、「自力で文章を書いたグループ」は、最も内容を覚えていて、自分のものだと感じていたとのこと。
結論として、生成AIを使うと短期的には便利ではありますが、脳の働きや学習効果は低下する可能性があることが判明した形です。
AIに頼るほど考える力や記憶する力が衰えるということですが、一方で、
「自力で学んだ上でAIを使うと、脳の活動はむしろ強化される可能性もある」
と結論付けています。
要するに、AIに任せると頭が怠けてしまうが、自分でしっかり考えてAIを活用するなら効果的、ということを科学的に示した形になりますね。
車ばかり乗っていたら足腰の筋肉が衰えるけど、同じ乗り物でも電車なら家から駅、駅から勤務先(学校)は歩く必要があるので、足腰も衰えにくい…みたいな感じですかね。
これは私自身の経験からも容易に想像がつきます。
例えば、これまで自分で文章をたくさん書いてきた人が、その経験を踏まえた上でAIを使うなら、
文章力やコンテンツのクオリティも落とさずにAIをうまく活用することができると思います。
(ちなみに、このメルマガはAIは校正など一部で使いますが「AIに執筆を任せる」といった事は一切してません)
しかし、今までまともに文章を書いてこなかった人がいきなりAIを使ってしまうと、
アウトプットした経験がないので、AIが作り上げた文章のどこが悪いといった部分はまずわからないと思います。
それは自分で作り上げた経験値があるからこそAIの活用が生きてくるのであって、
その経験がない人が安易に最初からAIでやっていたら、文章力はもちろん、その文章を作るベースとなる”脳の筋力”のようなものが身につかないのは当然だと私は思います。
文章を書くのはそれなりに頭を使うわけですが、経験値を積むことで、文章を書く”脳の筋肉”のようなものが鍛えられていくわけです。
それを全部AIに任せてしまうというのは、筋トレを他人に任せているスポーツ選手みたいなもので、
他人にやらせて自分の基礎的なベースの実力がつくわけがない、というのは普通に誰でもわかるかと思います。
本当にそれで今後の人生ずっとうまくいくなら、もうそういう脳の力は使わなくていい時代に入ったと判断してもいいのかもしれませんが、
残念ながらその基礎力がない人はAIを使ったところで、まともな成果物が作れるはずがありません。
したがって今回の研究で最後にまとめられていたように、自力で学んで、自力で何とか作り上げるという脳を酷使した格闘を、一定レベル以上した上でAIを使うという使い方をすれば、
脳の活動はむしろ強化される可能性があるということでしたので、
特にこれから実力をつける必要がある若い人ほど、うまくAIを活用しつつも、安易にAIに頼りすぎないことも極めて重要になっていくと考えられます。
仮に日本中の全ての学生が、安易なAI依存によるコンテンツ制作をしていった場合、
自分の頭を必死で使って物を作るという経験をしなくなりますので、国全体で見ても結構な危険性をはらんでいると思いますね。
これまでのように社会に出てからそれを強制できる機会があればいいのですが、
そういう学生時代を過ごした若い人が社会に出て、果たして自力でコンテンツを作る地頭・地力が育っているのかどうか、なんとも言えません。
一つ間違いないのは、頭を必死で働かせるということをどこかで経験して脳を鍛えておかない人は、どの業界でも全く役に立たないということでしょう。
結局のところAIをうまく活用できる人というのは、AIを使わない間に、どれだけ自分の頭を使って真剣に勉強や仕事に向き合ってきたかだと思います。
そこを怠ってベースとなる脳の筋肉が衰えている人は、そもそもAIすらもまともに使えないということになるはずです。
めちゃくちゃざっくりと私なりの解釈も加えて言いますと、
【 若い間はAIを利用しつつも、それとは別に、頭が痛くなるほど脳を使いまくる経験をどこかでしておかないといけない 】
その経験がないと、AI時代に活躍できない人材になる、というのは間違いないはずです。
どれだけAIが素晴らしく発達したところで、自分の頭で必死で考える経験から逃げてきた人は、AI時代に活躍できないどころか、
ヘタをすると「頭を使ってAIを駆使する人」に使われるだけの人生、
あるいはそういう頭を必死で使ってAIを駆使する競合に、ボロ負けしていく人生になりかねないと思います。
※参考
Your Brain on ChatGPT: Accumulation of Cognitive Debt when Using an AI Assistant for Essay Writing Task
https://arxiv.org/abs/2506.08872
https://arxiv.org/pdf/2506.08872


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