- 2025-9-19
- ChatGPT, 仕事の話, 働き方・キャリアの話
こんにちは、中西です。
前回は、GoogleのAI「Gemini(ジェミニ)」が、
Appストアのダウンロード数でChatGPTを抜いて1位になった話を紹介しました。
他にも様々なAIがあり、AIの競争が激化していますが、AI全体の進歩としてはどういう状況になっているのでしょうか。
実はこれについても最近新しい動きがありました。
9月18日、ChatGPTを運営するOpenAIがある大会で結果を発表しました。
この大会は世界の大学生プログラミングコンテストの最高峰とされる大会で、
プログラミングのオリンピックと呼ばれているICPCという大会です。
今年は100カ国以上、139の大学チームが出場して、5時間以内に12問の問題を解くことが求められました。
結果、ChatGPTのGPT-5というシステムが12問中11問を正解し、残った最難関の1問も別の実験モデルが解決しました。
結果として合計で全12問すべてを、人間チームと同じ制限下でクリアしたことになり、人間のチームだった場合は優勝相当の成績を収めたことになるようです。
興味深かったのは、この国際プログラミング大会にはGoogleのジェミニも出場していて、Googleもその結果を発表していたことです。
Googleの発表によると、ジェミニはこの大会で12問中10問を正解し、金メダル級の成績を達成したとのことです。
人間の参加者と比較すると総合得点で2位だったとのことです。
GoogleとOpenAIはそれぞれ独自に発表していましたが、この2つの結果を比較する限り、
ジェミニよりもChatGPTの方が、現時点での能力は上と考えて良さそうですね。
Googleによると、今回の結果は人間の知能をAIが同等レベルになるAGIの実現につながる可能性を含んでいるとのことですが、
OpenAIの結果を見る限り、もはや人間を超えている可能性もありそうです。
また今年の4月には、ChatGPTが東京大学理科3類の合格レベルに到達したことを発表していました。
その時のAIの得点は550点満点中、GPT-4で374点だったとのことで、東京大学が発表した2025年度理科3類の合格最低点は368点でした。
要は、日本の最高レベルの学部に合格するだけの知能を、すでにAIは身につけたということが話題になっていました。
さらに国際数学オリンピックでもAIが金メダル級の成績を獲得したことが、GoogleとOpenAIの両社の発表によって明らかになっています。
これらを総合的に考えると、AIは日本で最も難しい東京大学の最難関学部の合格レベルに達しており、
かつ国際プログラミング大会や国際数学オリンピックでも優勝するレベルにまで到達しているので、
どう考えても人間の知能と同レベルかそれ以上になってきていると判断できるでしょう。
余談ですが、数日前にたまたまある大学のサイトを見ていたら、2020年の記事を見つけました。
その大学はそこそこ有名な大学で、その大学の教授がシンギュラリティがいつ起こるかという説明をしていました。
シンギュラリティの概念を提唱したAI研究者のレイ・カーツワイル氏によると2045年頃とされており、
2020年の時点では、その大学の教授は「2045年以降になる可能性が高い」と話していました。
2020年時点ではまだChatGPTは登場していませんでしたが、わずか5年前の時点でもAIが人間の知能を超えるのは「2045年以降」と考えられていたわけです。
その教授にとっては黒歴史のような予想になってしまうかもしれませんが笑、
実際のところ、AIの進歩は我々人間の予想を超えて早まっているということです。
そしてシンギュラリティを提唱したカーツワイル氏自身も、ChatGPT以降のAIの進歩を受けて、
シンギュラリティの時期を2029年頃まで大幅に前倒しする可能性を示唆しています。
ちなみにこのメルマガで何度も紹介している「AI 2027」のレポートでは、
2027年にAGI(人間と同レベル)が登場し、その後人間を遥かに上回るASIという超知能へと進化するという予測がされていました。
しかし、上記のAIの大会での結果や成績を見る限り、もうAGIにほぼ到達しているように感じます。
なのでAI2027のレポートですら、現実は前倒しになる可能性が出てきているのではないかと個人的には考えています。
そしてこのAI2027のレポートでも指摘されている通り、AGIが登場してAIと人間の知能が同等になったら、
そこからAIによる「自己改善」が一気に進み、短期間で人間を遥かに超えるASIまで到達するということです。
AIの進歩は、AIの専門家ですら予測を大幅に外し、予想より20年も早く進化している状況です。
したがって我々の社会への影響や仕事やキャリアへの影響も、
予想よりかなり早くなる前提で考えていた方がいいのかもしれません。


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