- 2025-4-13
- 経済の話
こんにちは、中西です。
前回は、
「ポジティブな感情を持ち続けているとお金(資産)が増える傾向がある」
という、テキサス工科大学の研究をご紹介しました。
今回はその流れで、収入や所得保障に関連して
「ベーシックインカム」
についての最新の実験結果をご紹介します。
ベーシックインカムというのは、毎月一定額の現金を政府が無条件で国民に支給する制度です。
現在のところ、世界的に正式導入された事例はまだありませんが、各国でさまざまな実験が行われており、多くのデータが蓄積されつつあります。
注意すべき点として、維新の会や竹中平蔵らが提唱しているようなベーシックインカムは、社会保障(特に年金や生活保護)を削減して、
月額6万円から7万円
にするという、ろくでもないベーシックインカムなので、こんなのに騙されないように注意が必要です。
一般的なベーシックインカムは、たとえばコロナ禍で国民全員に振り込まれた特別定額給付金(10万円)のようなお金が、毎月必ず自動的に振り込まれるイメージです。
とはいえ、最大の懸念としてよく挙げられるのが、財源問題と労働意欲の消失リスクです。
今回は、この2つについて考えてみたいのですが、毎月一定のお金が入ってくることによって
「人々の労働意欲が失われてしまうのではないか?」
という懸念がベーシックインカムを議論するときに必ず出てきます。
国民が働かなくなれば、当然、経済も社会も成立しません。
したがって、重要なのは「労働意欲を減退させない適切な支給水準」を見極めることです。
その点を踏まえ、前に私の意見としては
「月15万円程度がベストなのではないか」
という仮説を出してこのメルマガでお話ししたことがあります。
月15万で仕事を辞める人はかなりの少数派で、むしろ普通に働いてトータルの収入を上げようとする人の方が圧倒的に多いはずと考えました。
その後、実際に世界各地の実験でも、その程度の金額設定が多く見られ、私の推定がかなりいい線だったことが明らかになりました笑
ただ、今回ご紹介する研究では、さらにやや高めの金額が支給されていました。
結論から言いますと、
【 月約19万円を支給しても、労働意欲は減退しなかった 】
ということが、ドイツの研究所による3年間の調査で明らかになりました。
この研究は、月額1200ユーロ(約19万円)のベーシックインカムを、
労働義務なしで3年間にわたって毎月支給した107人と、支給されなかった1580人のグループを比較したものです。
この結果が、4月9日に発表されました。
調査の結果、ベーシックインカムを受け取った人たちに「離職傾向が強まった」という兆候は一切見られませんでした。
それどころか、受給グループの「生活満足度」は高く、
さらに「社会活動に費やした時間」が、非受給者に比べて週あたり平均4時間多かったのです。
研究者によれば、たとえば「レストランに行く」「映画のチケットを買う」「友人とレジャーに出かける」といった社会的活動には費用がかかるため、
金銭的な余裕が社会参加の活性化につながったのではないかと分析しています。
一方で、政治的な姿勢やリスクへの姿勢などの心理的傾向には、特段の変化は見られなかったとのことです。
現在、世界的にAIによる大量失業の可能性が現実味を帯びてきている中で、ベーシックインカムはますます重要な政策の選択肢として注目されているようです。
今回の研究結果は、ベーシックインカムにありがちな
「労働意欲が下がる」「社会的孤立が進む」
といった懸念を払拭する可能性を示した、かなり意義深いものだといえます。
「3年間毎月19万円をもらえたラッキーな107人は、どうやって選ばれたの?」
というのが気になるところですが笑、まるで宝くじに当たったようなものでしょう。
ともかく、私はベーシックインカムの導入には基本的に賛成です。
というのも、それによる「致命的な弊害が何もない」ことが、各国の実験で裏付けられてきているからです。
たまに中途半端な経済知識の専門家が、
「そんなことをしたらインフレになる!」
「円安が進んだらどうするんだ!」
といったことを言っていますが、無視していいレベルでまったく心配ありません。
詳しく書くと長くなるので、省略しますが、デマンドプルのインフレなら、むしろ好景気で喜ばしいことですし、
それでも心配だという経済オンチの専門家の声がうるさいなら、段階的に増やしていってもいいと思います。
余談ですが、MMT (現代貨幣理論)では、雇用保障プログラムと言う形で公務員みたいな人を増やせば良いと解いていますが、それでもいいと思います。
日本はOECD国(先進国)の中でも飛び抜けて公務員が少ないですし、公務員が増えると言う事は安定収入の人が増えると言うことなので、その人たちの消費によって経済は確実に上向きます。
財源が無駄だから公務員を減らすべきだと言ってる人(特に政治家)は、経済オンチの極地だと言うことです。
財源の問題についても、これまでのメルマガで何度も述べてきたように、日本において財源不足も財源問題も、そもそも存在しません。
政府は通貨を発行できる主体であり、国債発行や日銀によるマネー創出でいくらでも国民を救うことが可能です。
財務省が「税こそが財源だ」というプロパガンダを流して、それに多くの政治家や国民が騙され、緊縮政策をしてきたせいで、こんな国になったわけです。
この「税金が財源」という洗脳こそが、日本をここまで衰退させた最大の要因です。
ベーシックインカムは、日本経済復活の1つの突破口になります。
もちろん、あまりに過剰な金額を毎月全員に支給していたら、さすがに働かなくなる人も出てきて、社会が回らなくなるでしょう。
しかし、適正な金額であれば収入の安心感を生み出し、消費も増え、経済が活性化し、憲法に掲げられた「健康で文化的な最低限度の生活」も本当の意味で保障されます。
現行のような年金の「賦課方式」で現役世代が高齢者を支える制度を続ける必要もなくなりますし、そもそも年金制度も不要になります。
所得不安が減るので、所得不安が原因で起こっていた(結婚できない人が増えたことによる)少子化も解決します。
ベーシックインカムは、少子化すらも解決する非常にシンプルで現実的な処方箋なのです。
繰り返しますが、政府は「無から有を生み出す」ことができる存在であり、
成田悠輔のような何もわかっていない経済学者が上から目線でよく言う「打ち出の小槌は無い」という言説自体が完全なる間違いということです。
通貨発行権という「打ち出の小槌」が普通に存在するのであり、国債発行を「政府の債務」だと思い込んだ経済学自体が根底から間違っていたということ。
だから経済学者は、この世界で1番馬鹿で罪深い職業だと言い切れます。
「打ち出の小槌」を封じているのは、旧来型の主流派経済学者たちと、財務省のプロパガンダと、それに乗っかる無知な政治家たちにすぎません。
それを見抜ける「真実を理解した国民」が、これからの日本にとって必要なのです。
仮に国債発行が通貨発行だと理解できず、国債を発行したら、借金が増えて、将来世代のツケになるというザイム真理教の洗脳が解けない国民が多いなら、このまま日本が衰退し続け、亡国の植民地になるのは確実です。
いまだに「財源をどうするのか」といった話が何かあるたびに常にニュースを賑わわせていますが、
例えば政府が「10兆円玉」(硬貨)を作り、それを日銀に売却するだけでも、簡単に財源は作り出せます。
紙幣は日本銀行しか作れませんが、硬貨は政府が作れます。
どこまでも国債が借金だと信じて疑わない頭の悪い政治家が消えないなら、
政府は10兆円玉を作り、それを日銀が買えば、政府には現金(財源)が入ってきます。
日銀は資産として10兆円玉を保有することになります。
それを10枚ぐらい政府が作って、財源が必要になるたびに、日銀に買い取らせれば良いのです。
2枚作れば20兆円で、これで消費税を廃止できます。所得税も20兆円位なので、10兆円玉を2〜3枚作れば所得税も全廃できます。
日銀は信用創造(キーボード入力で0からお金を作り出す)で、簡単にお金を作り出せますので、10兆円玉を何枚でも政府から買うことが可能です。
国債を買い取ったら「日銀が債務超過になるぞ!」などと言う連中が湧いて出てくるわけですが(米山隆一など)、
日銀は債務超過に陥らない(なっても自分でお金を作り出せるので何の問題もない)ことを、日銀自身が公式ホームページで論文で認めているので、その時点でそもそも論外なのですが、
国債ではなく、10兆円玉を日銀が買い取るなら、債務超過にもなりません。
そして政府は10兆円玉を日銀に売ったことで財源が手に入ります。
これなら国債と違い、利払いも返済も不要(そもそも国債は借り換えなので返済していませんし、利払いも親会社の政府に戻ってくるのですが)。
繰り返しますが、財源なんてどうとでもなるわけです。
国債が借金だと言い張る連中(特に財務官僚と彼らに騙された自民党・立憲民主党の政治家たち)に対しては、10兆円玉でも100兆円玉でも政府に作らせて「財源」を作り出せばいい。
この財源の作り方は、法的にも実務ベースでも否定する事は不可能です。
ちなみに、日銀は必ず10兆円玉を買わなければなりませんからね。
「中央銀行の独立性」とか言う人がいますが、日銀法4条で政府と強調する必要がありますので。政府がやる気になれば簡単にできます。
「税金が財源」
だという金貨・銀貨の時代の大昔の天動説みたいな完璧に間違った貨幣観と、
根本から間違っていた主流派経済学、
そして何より財務省に洗脳される時代は、もうそろそろいい加減に終わらせる必要があります。
国債発行でも、日銀の信用創造でも、10兆円玉でも、なんでもいいので今すぐにでも、政府は
「全国民に毎月15万円のベーシックインカム」
を支給することが可能なのです。
それが何の問題もなく可能だと言うことを、国民も政治家も気づいていないと言うただそれだけの話。
我々は、財政認識を間違えたせいで、これほどまでに国家を衰退させてしまい、貧困層だらけになり、隣国の植民地化がどんどん進んでいる異常事態になっていると言うことです。
根本はすべてお金と財政に対する認識の間違い。
今回のドイツの事例が示したように、月19万円でも労働意欲は下がらないのですから、
まして日本人なら15万円程度で仕事を辞めるはずもなく、老後の不安も消え去り、万が一働けなくなったとしても最低限は保証されます。
月6万円の年金とかで、一体どうやって生活していけと言うのか。
政府がベーシックインカムで支出をすれば、その分、GDPの公式(生産=所得=支出)によって、自動的に経済は成長するのです。
当然、将来不安がなくなるので、結婚する人も増え、結婚する人が増えれば、自動的に子供を持つ人が増えるのはデータで証明されています。
つまり、解決不可能と思われている少子高齢化も拍子抜けするほど、あっさり解決すると言うことです。
日本はその気になれば、国民の貧困化も少子高齢化もあっさり解決でき、
「世界が目を見張るようなV字回復」を、今からでもあっさり実現することができるのですが、
それはただひとえに、国民と政治家の
【 間違った貨幣観・財政観を正せるかどうか 】
に全てかかっているのです。


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