- 2024-4-14
- 効率的な勉強法~中上級編~
こんにちは、中西です。
私が運営するコーチングプログラムでは、メンバーさんのメインの目標のコーチングに加え、
自分の中でちょっとした初体験となる
「新しい試み」
を毎週何か1つ以上、チャレンジしてもらっています。(強制ではなくやりたい人だけ)
ちょっとしたことでも良くて、例えばまだ1度も行っていない近所のカフェに入ってみるとか、1度も食べたことがないお菓子を買って食べてみるとか。
作ったことがない料理を作ってみるとか、着たことがないタイプの服を買ってみたり、行ったことがない神社や図書館に行ってみたり、
本屋さんの行ったことがないコーナーの本を読んでみるとか、猫カフェに行ってみるとか。
こういった比較的簡単にできる「新しい試み」をすることで、想定外の発見をすることも少なくありませんし、それ自体がストレス解消になると言う人も多いです。
こういうのってやろうと思っていても、緊急性もありませんし、自分1人だとなかなか実行に移せないことが多いんですよね。
それを私と共有して「来週までにやってみます」と宣言してもらうことで、非常に高い確率でどんどん実行していくことができるようになります。
ちなみに、この「新しい試み」で楽器に挑戦した人もいて、三味線だとか、
最近ですと「ハンドパン」という、非常に不思議な楽器をYouTubeで見て興味を持ち、レンタルして試している人もいます。
ハンドパンと言う楽器の特徴を言葉で説明するのは難しいので、興味のある人はYouTubeなどで検索してみて欲しいのですが、
私なりの言葉で表現すると「おしゃれな洋風の打楽器」という感じで、大きさは太鼓みたいにそこそこ大きいです。手でポンポンと叩きながら音を鳴らします。音もかっこいいです。
演奏している動画を見ても、とても楽しそうで、自分もやりたくなる気持ちはわかりますね。
そのメンバーさんから「ハンドパンをやってみます」と言う話を聞いて、私は知らなかったので、最初YouTubeで検索してみたのですが、
それ以降、私のYouTubeのおすすめ動画にハンドパンの動画が頻繁に出てくるようになりました笑
それで時々ハンドパンの演奏動画を見ているのですが、実に楽しそうだなぁと(´ー`*)
私自身は、楽器というものを全くやらないですし、これまでの人生でも小学校のピアニカと立て笛ぐらいで、楽器に縁がない人生なのですが、
楽器をたしなむメンバーさんを見ていて、職業柄
、楽器のメンタルや生産性への影響の方に興味が出てきて少し調べてみたのです。
その途中で興味深い研究を見つけたのですが、結論から言いますと
【 楽器の演奏を続けていると、英語と理数系の科目の成績が良くなる 】
ということが、大規模な調査で判明しておりました。
※【参照】本記事下部に記載
これはカナダのブリティッシュコロンビア大学の2019年に公開された研究なのですが、対象者は全員が高校生で、
人数は11万2916人を対象にした大規模な調査でした。
高校の3年間の間に、1度でも音楽のコースを終了した学生(13.7%)と、音楽のコースは選択しなかった学生(86.3%)を比較し、
両者の数学・英語・科学(化学ではない)の成績を比べたようです。
なお、ブリティッシュコロンビアの公立高校で、音楽のコースを選択する生徒の多くは、中学時代や、それ以前の年齢から、何らかの楽器の練習を始めている必要があるとのこと。
音楽コースを選択した生徒たちは、単に高校の授業で音楽をとっていると言うだけでなく、
学校内外の発表会やコンクールなどを通して、楽器の練習に熱心に取り組んできた学生が多いようです。
で、この調査の結果、音楽コースを専攻した学生のうち、音楽を長くやっていた学生や、音楽で成績が良かった学生は、(そうでない学生と比べて)
英語・数学・科学のすべての成績が良いことがわかりました。
どれぐらい良かったかと言うと、それらの科目の成績が、音楽をやっていない人たちと比べて、
約1学年も進んでいたそうです。1学年はすごい!
楽器との関連性は、3つの科目すべてで強い相関を示していて、性別・言語・社会経済的背景など、他の要因を排除した上での結果になります。
したがって、例えば「音楽を幼少期からやっている家庭は、教育熱心だから、他の科目の成績も良い」みたいな要因は排除されていて、
純粋に「楽器の経験値」と「3つの科目の成績の高さ」が相関していたとのこと。
(ちなみに、これは楽器の演奏経験に限る話で、ボーカルでは相関がなかったようです。私もバンドを組むならボーカルしかできないので残念(-。-;)
研究者によると、もともと別の研究で、音楽を長年たしなむことは、脳の認知機能や実行機能へのプラスの影響が認められていたようですが、
今回のように、「楽器の経験」と「英語+理数系の科目の成績」がここまで見事に関連していると言う結果が出たのは初めてのようです。
まあ、言われてみればなんとなくわかりますよね。
楽器の演奏を通して、リズム感なども養えるでしょうし、そこで培った脳の回路が、英語や理数系科目を学ぶときに生きてくると言うのは、感覚的にも納得のいく部分があります。
というわけで、楽器の演奏と英語や理数系科目の実力は相関しているため、
楽器の演奏は、それ自体の楽しさや、単なるストレス解消だけでなく、語学力や理数系の脳の回路を作るベースにもなりますので、
楽器の演奏に興味のある方は、頭の片隅に入れておくと、より楽器が楽しめそうですね。
※【参照】
Music students do better in school than non-musical peers
https://news.ubc.ca/2019/06/24/music-students-do-better-in-school-than-non-musical-peers/
A Population-Level Analysis of Associations Between School Music Participation and Academic Achievemen
https://www.apa.org/pubs/journals/releases/edu-edu0000376.pdf