- 2022-9-4
- 経済の話
こんにちは、中西です。
長年にわたり日本中に
「財政破綻論」と言う完全に間違った情報
を撒き散らし、日本の貧困化に貢献してきたオリックスの宮内義彦氏が、ついに自らの間違いを認めました。
宮内氏は経済界では有名で、オリックスの社長・会長・ グループCEOを歴任し、現在はプロ野球のオリックスバファローズのオーナーです。
このメルマガでも彼の名前はたしか1〜2回取り上げ批判したかと思いますが、ようやく何が真実か気づいたようです。
この手の長年にわたり間違った情報をばらまいている連中がやっかいなのは、
本気で何もわかっていなくて間違った財政破綻論をばらまいている◯◯(動物2匹)なのか、
本当は何が真実か理解しているのに、財務省から得られる利権などのために意図的に嘘の情報をばらまいている吉川洋(東大名誉教授)・小林慶一郎(慶應大学教授) ・土居丈朗(慶応大学教授)たちのような売国奴レベルの「明らかな嘘つき」なのか、
いずれかを判別するのが非常に困難なことです。
上記の教授連中のように過去の書籍や言論で判明することもありますが、通常はなかなか◯◯か嘘つきか、どちらなのか分かりません。
私は宮内氏もどちらか全くわからなかったのですが、以下の記事でそれが判明しました。嘘つきの売国奴の方ではなかったようです。
▼「政府は累積赤字を返済しなくてもいい」失われた30年を取り戻す唯一の手段 | PRESIDENT WOMAN Online
つまり宮内氏は「財政の真実について、嘘をついているのではなく、ガチで単に何もわかっていないだけだった」と言うこと。
記事から宮内氏の発言を引用します。
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【宮内】ご専門の先生を前にして恥ずかしいのですが、私はほんの数年前まで、
「赤字財政というのは非常に問題だ。ここまで借金していいのだろうか。現実的に見て、もう返済できないのではないか」
と深刻に考えていました。当時は講演などで、
「これだけの財政赤字をつくると、選択肢は二つしかない。一つは踏み倒すか、もう一つは国民に負担をお願いして返済するか。国が踏み倒すわけにはいかないので、返済するしかない。
しかし、これほど赤字が巨額になると、本当に返済できるかどうかわからない。数十年にわたる財政再建計画をつくり、申し訳ないが次の世代にも営々と返済してもらう。
それにプラスして年数%程度のインフレを恒常的につくり出して、多少でも負担を減らす。それぐらいのことしかできないだろう」
という話をしていたものでした。
(中略)
しかしよく考えてみると、これは本末転倒です。
まず「日本という国がある」ことが先であって、国民の生活が守れなかったら財政も何もない。お金がいくらかかったとしても、国防だけに留まらず、国民生活を守らなければならないのです。
今は一事が万事、逆の発想になってしまっています。
たとえば、日本政府の教育支出はGDP比で先進国の中で最低レベルと言われています。日本人の教育は後れを取っているのです。日本がこれから世界で競争していくためには、もっともっと教育に力を入れなければいけない。
ところが大学の予算など毎年、「どうやって削ろうか」と議論しています。
防衛や教育だけでなく、いろいろなことが「財政再建」というひと言のために予算を取れずに後回しになったり止まっている。
日本は「財政再建至上主義」とでもいうべき国になってしまっています。それが現実です。
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…この後、宮内氏はMMTの本を読んで
「これは正しいのではないか?」
と思って、ようやく真実に気づいた話が書かれています。
個人的には10年遅いと思いますが、優秀な経営者ほど企業の経営とはある意味で真逆とも言えるこのMMTが説明している「貨幣の現実」を理解できないことが多いのは、以前お話しした通り。(「債務は借金ではない」と言う話は直感的には理解できませんから)
MMT(現代貨幣理論)の内容は、正しいか正しくないかの次元の話ではなく、単なる「貨幣の現実」が書かれてあるだけです。
理科の教科書に「地球は丸い」と書かれてあるようなもので、大昔いた「地球が平坦で宇宙の真ん中にある」と思い込んでいた人たちから見れば、「これは正しいのか?」という気持ちになるわけです。
しかし「地球は丸い」と知っている人間からすれば、単に「地球の現実」が書かれてあるだけだとわかります。それと全く同じ構図。
オリックスの会長やオーナーまで務める影響力ある人間が、あちこちのメディアや講演や書籍などで、何百万・何千万人もの膨大な数の国民に「完全に間違った情報」を撒き散らし、
国民の貧困化に貢献してきたわけですから、宮内氏の「これまでの罪」は非常に重いと私は思います。
ただ、人間誰でも間違うことはあるわけで、大事なのはそれに気づいた後の対応です。個人的にはそれで評価が決まると思っています。
私は意図的に嘘をついている連中は許しませんが、自分の間違いに気づいてそれを表明し、具体的に訂正をする人は、仮に過去の罪が消えなかったとしても、人としての姿勢は素晴らしいと思います。
その意味で自らのこれまでの間違いに気づき、さらに学者や著名人でもよくいる「突然シレっと正しいことを言い出す」(竹中平蔵もそうだった)のではなく、
「これまでの自らの言論の何が間違っていたか」
を具体的に説明して、訂正して、反省の弁も述べている宮内氏は、間違いに気づいたときの姿勢として、非常に素晴らしいと思います。
しかも、まもなく87歳ですからね。この年齢で長年の認識を改めて、なおかつ公に訂正できるのは凄いです。地位がある人ほどなかなかできませんから。
宮内氏のように影響力のある人たちが、もっと「貨幣の真実」に気づかないと、多くの国民に真実が伝わらず、
財務省のみに都合の良い財政破綻論に国民が洗脳されたまま日本は衰退していくので、このままだとこの国は本当に終わります。
国民の大半が想像を絶する貧困地獄に陥り、先進国からは当然脱落し、途上国となります。
経済力のある中国人や外資らに、土地や建物やインフラや企業が買収されまくり、教育も国防も三流になり、インフラはボロボロ、災害大国なのに自然災害にもまともに対応できない国になるわけです(もうなりかけてますが)
私も微力ながらできる事はしたいと思うので、今後も宮内氏のように自らの間違いに気づいて訂正した人たちは、どんどん取り上げていこうと思います。
それではまた。