- 2021-9-22
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こんにちは、中西です。
先日Twitterであるハッシュタグ(#)がトレンドに上がっていました。
(ハッシュタグというのは#を冒頭につけたワードや短文を投稿することで、同じテーマで発言している投稿をTwitterユーザがまとめて見ることができる仕組み)
で、そのトレンドにあがっていたハッシュタグ(#)というのが、
「#なぜ一律給付金を出さないか教えて」
と言うものでした。この#をつけて多くの投稿がなされていました。
政府は昨年特別定額給付金の10万円を全国民に給付したわけですが、なぜそれがたった1回だけで終わっているのかを訴えるTwitter上のデモ行進のようなものです。
貧困支援のNPO法人を運営されている藤田孝典さんを始め、今年「99%のための経済学」と言う積極財政の重要性を説く書籍を出された長谷川羽衣子さんも、この#をつけて投稿されていました。
この#をつけている投稿をざっと見たところ、案の定一部には
「なぜTwitterで乞食活動をするのか教えて」
などと揶揄している現代の貧困問題の欠片も理解していない頭の悪いコメントも見受けられますが、
全体的には、本当になぜ一律給付金が1回しか出されないのかわからない人が大半のようです。
「経済団体に都合が悪いからでは?」
と言う投稿もあり、多分経団連や経済同友会のことを指していると思うのですが、普通に考えて日本の景気が良くなる一律の給付金を企業側の団体が阻止する意味がありません。
実はこの「政府が頑なに一律給付金を出さない理由」こそが、日本をここまで没落させた原因そのものだと言えるのですが、
やはりその真相をしっかり理解できている人が、専門家も一般の国民も、皆無に等しいと言う感じです。
国の借金問題や財政破綻論が嘘だったと気づいた人はここ1年でとんでもない数になっていますが、
それを理解できることと、この問題の根底にある日本が没落したカラクリを知っているかどうかはまた別問題です。
なぜかと言うと、まずその真相をマスコミで語られる事は100%ありませんし、専門家や言論人でもその最重要部分について発信している人は皆無に等しいからです。
実際メルマガの読者さんからも、ちょくちょくこの部分について質問をされることはあります。
なぜ給付金を出さないのか。なぜ国民にお金を使わない緊縮財政を続けるのか。それを不思議に思うのは当然だと思います。
一応過去のメルマガでその答えは何度となく話しているのですが、別の文脈の中で書いていたりしたので理解しにくかった人もいたかもしれません。
そこで今回は、そのテーマだけでがっつり解説することにします。
前置きはこの辺にして、なぜ「どれだけ国民のためにお金(国債)を発行しても、絶対に財政破綻することが無い日本政府」が、これほどまでにかたくなに一律給付金を国民に出そうとしないのか。
その理由は「緊縮財政だから」なのですが、そもそもなぜ緊縮財政だとそうなってしまうのか。
答えを言いますと、以下の通り。
「財務省は予算管理権を持っており、予算管理権を持つ財務省にとって『税収』こそが自分たちの大きな権力を維持できる最大の要因のため、常に増税をしたくて仕方がない組織。よって、
『国債発行で国民に実質いくらでもお金を配れてしまう』
と言う客観的事実がバレてしまうと、彼らが望む増税をする必要が全く無いという話になり、
『税金は財源ではない(財源である必要がない)』
と言う事実までもバレてしまい、最終的に『税収ではなく国債発行』で国家財政が運営されていくことになる。
彼らはこれらの「財政の真実」を当然完璧に理解しているため、
『本当は国民から税金など取る必要がなく、政府も税収に頼る必要もなく、国債発行で全ての政策を運営でき、国内のあらゆる問題が解決する』
という事実を全国民に知られると、
自分たち財務省の絶大な権力を始めとする省益及び財務官僚個人のおいしい利権(天下り先など)が無くなる。彼らはそれを最も恐れているため」
です。
私が10年近くにわたり「財務省こそが日本のガン」だと言い続けてきた理由が、わかってもらえたでしょうか。
少し補足しますと、予算管理権と言うのは、正確に言うと「予算編成(の権限)」のことですが、各省庁などに予算を配分する権限のことです。
政府には厚労省や文科省や国土交通省や農林水産省などいろんな省庁があるわけですが、
あらゆる省庁の中で「財務省だけが飛び抜けて一強」なのです。
ホストでタレントのローランドさんが「俺か、俺以外か」と言う本を出してそのセリフも話題になりましたが、いわば財務省と言うのもそんな感じで、
「財務省か、財務省以外か」
位の独裁的な権力を持っているわけです(この表現はあくまでイメージですけど)。
理由は簡単で、どんな組織でも「お金を1番多く持っていて、そのお金を管理している人間が1番強い立場になる」からです。
財務省も同じで、財務省以外の各省庁への予算の管理・配分権を持っているため、政策を実現するために少しでもたくさんお金が欲しい各省庁は、
財務省(財務官僚)に頭を下げるしかない
と言うことです。
まあ実際に頭を下げているかどうかは別として、立場や権力的には、そういう関係性になっているわけです。
国家のすべてのお金を扱える絶大な権力がある財務省は、各省庁に対してだけでなく、日本中のあらゆる企業やマスコミや政治家に対しても強い権限を発揮できます。
(この場合は予算管理権ではなく国税査察権で。事業をやっている人なら誰でもわかりますが、国税ほど怖いものはありませんから、マスコミや企業も逆らえないわけです。
※マスコミの場合は財務省の記者クラブから提供される情報ソースが重要と言うのもあります。財務省に嫌われ、この情報を絶たれたらメディアとしての生命線がなくなるため)
それだけ誰も逆らえない絶大な権力があるため、天下り先の確保を始めおいしい利権を得られますし、そもそも組織としてのその絶大な権力を維持することこそが、彼らにとって何よりも重要な(国民の命よりも重要な)絶対的な目的になっているのです。
財務官僚の立場になって考えてみればわかるはずです。自分たちに他の省庁も企業も政治家もマスコミも、誰も逆らえない。日本中のすべての存在が国のお金を管理している自分たちに実質ひれ伏しているような状態。その気持ちのいい絶大な権力を行使して、常に上位の立場で仕事を進めて行くことができる。
こういう状況に長年あり続けた組織・人間は、どういう思考になるか。
歴史的にも長期にわたりリスクがなく権力だけがある組織というのは腐敗するのです。彼らは必然的に「この超絶においしい状況を何が何でも維持したい」と考えるようになります。
そのためにはその権力を崩壊させる危険性がある「税金は財源である必要がない」「国債発行で財政を運営できる」という事実を絶対にバラすわけにはいかない。
だからこそ、「国の借金問題」やら「財政破綻論」という嘘のプロパガンダをでっち上げ、財政を健全化させないと大変なことになると政治家を騙し、1995年に(私の故郷の政治家である)武村正義大蔵大臣(当時)に「財政破綻宣言」をさせ、緊縮財政が始まったのです。
その流れで97年に消費増税した橋本龍太郎元総理は、「財務省に騙された」と言って死んでいきました。
財務省は25年以上にもわたり国民に嘘を突き続けているわけで、彼らが自分たちの省益を維持する工作は筋金入りだということです。
ところが、もし一律給付金を何度配っても何の問題も発生せず、国家の財政が全く破綻しないことも全国民に知れ渡ったらどうなるか。
「なんでこれまで25年も緊縮財政をして国民にお金を出してこなかったんだ!しかも全く取る必要のない税金まで取り上げて国民を困窮させてきたとは何事だ!ふざけんなボケ!財務省は国民の命を奪った責任を取れ!財務省など解体しろ!」
と言う動きが活発化するに決まっています。
この25年に及ぶ国家の衰退と国民の貧困化のすべての原因が財務省にあったことがばれてしまうわけで、怒り狂った国民が何をするか分かりません。
私はまだ平和主義者なので「財務省を叩き潰せ!」と言う実にソフトな言葉(!)で主張する程度ですが、
貧困で苦しい人生を歩んで家族の命も奪われた大勢の国民から死ぬほど恨みを買うことになりますので、場合によっては財務官僚の命も危うくなります。
もう分りますよね?だからこそ彼ら財務省の人間たちは、
「できる限り一律給付金を何度も出したくない」
のです。
一律給付金に限らず、ありとあらゆる国民のための政府の支出をしたくないと言うことです。
支出をすれば当然税収が減るわけですから、彼らの権力も相対的に弱まります。一方国債の発行で国民にお金を出すなど、彼らにとっては損でしかない。
だからこそ
「税金を使いすぎると財政が破綻する。財政赤字が膨らみ、ハイパーインフレになる。国の借金が大変なことになっていく。将来世代にツケが残る。
よってプライマリーバランスを黒字化し、政府の収支を黒字化させ、財政を健全化をさせなければならない。そのためには増税をしなければならない」
と言う素人の一般の国民には一見正しそうに聞こえる大嘘のプロパガンダを作り出し、
マスコミや飼い犬の御用学者や無知な政治家を通してそのプロパガンダを25年かけて広め、緊縮財政を続けてきたのです。
その財政破綻論や国の借金問題の嘘が昨年のコロナでかなり多くの国民に一気にバレただけでもやばいのに、
実際に一律給付金を何度も支給して、財政が破綻するどころかむしろ景気が良くなってしまうのがばれてしまうと、彼らの権力が必ず危うくなります。
それを財務省の連中はひたすら恐れていると言うことです。
個人的には控えめに言っても「人間のクズたちの集まり」だと思っております<(_ _)>。
ちなみに以上の話は別に私の憶測や妄想でも何でもなく、元財務官僚で少し前まで内閣官房参与をされていた高橋洋一教授や、同じく元内閣官房参与として総理に進言したり財務官僚の人間たちと深く関わってきた京都大学藤井聡教授、
また他の元財務官僚の人たちや、財務省内の状況を詳しく知る人たちから、長年にわたり暴露されている普通の事実です。
「#なぜ一律給付金を出さないか教えて」
というTwitterのデモくらいで、政府(財務省)がこの真実を国民に教えるわけがないと言うのは、ここまで読んだ方なら誰でもわかると思います。
ここまでの話を一言でまとめれば、
「日本国民は財務官僚のせいで貧困化させられ、財務官僚のせいであらゆる分野で没落し、生涯お金に苦しむ不安な人生を歩ませられ、
結婚をできなくさせられ、少子化にさせられ、老後に絶望を背負わせられ、中国を始めとする他国からあらゆるものを買収される弱体国となり、
財務官僚のおいしい権力を維持するために数十万人の国民が殺されてきて、今も殺され続けている」
ということになります。
この狂いまくった状況を打破するには、財務省が最も恐れる、この真実を国民全員に行き渡らせることが必須です。
あるいはこのメカニズムを理解し、緊縮財政から積極財政の転換が最重要だと本気で強く認識できる政治家が現れ、
その政治家が財務省以上の権力で積極財政に転換させるかです。
(これまでは政治家が無知で財務省の官僚に騙されてきただけで、財務官僚たちは政治家を基本的に恐れています。厳密には財務省の人事権も持つ政治家の方が立場は上なので)
今のところ後者がより現実的だと言えるのは、高市早苗氏が彗星のごとく現れたからです。
高市氏が主張する「日本強靭化計画」と言うのはもともと藤井聡教授が「国土強靭化論」として使っていた言葉で、高市氏は彼から影響を受けていることを認めています。
そうやって長年にわたり財務省の緊縮財政に対抗する「正しい政策」を国民に広げてきた人たちがいたからこそ、
高市氏のような政治家がついに現れたと言うことです。
それではまた。
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