- 2021-6-29
- その他・雑談
こんにちは、中西です。
週末に都心の某街を歩いていたのですが、
過去に何度か行ったことのある飲食店が3件、娯楽施設が1件、閉店してしまっていました(つД`)
あくまで私が行ったことのあるお店だけでもこの数です。
飲食店の一店は中華料理屋でしたが、小さい店ながらおいしい料理を出すお店だったので、
看板も何もかも消えて無くなっているのを見た時は悲しくて仕方なかったです。
どのお店も、閉店はすべて4月末から5月末あたりに集中していました。
言うまでもなく、緊急事態宣言を始めとする政府の自粛要請によって売り上げが激減し、閉店を余儀なくされたのです。
店の扉の張り紙には「長らくご愛顧いただきありがとうございました」的なことがどの店にも書かれていましたが、
その閉店をしたお店の店主や経営者の人たちがどれほど辛い思いをしたか、想像を絶するに余りあります。
マスコミや官僚や政治家にとっては、街の小さなお店が一つ消えただけにすぎないのでしょうが、
そのお店を必死で経営している人がいて、従業員も含め、そこで食事やサービスを販売して、その売り上げのお金で生計を立てていた人たちがいて、
その命がけで営業していた店が潰れたことで、生計を立てる手段を失ってしまった人たちがいると言うことに、またその人たちの思いに、
自分でものを販売してお金を稼ぐ必要のない世界で生きている、マスコミや官僚や政治家さんの皆さんには、きっと想像すらできないのでしょう。
先週金曜日深夜の「朝まで生テレビ」で、「コロナ禍における日本経済」をテーマに激論が交わされました。
私自身はこの番組はほとんど見ないのですが、今回はこれまでの放送と何が違っていたかと言うと、
司会の田原総一郎さんが藤井聡教授のレクチャーによって
「財政破綻論の間違い」
「MMT(現代貨幣理論)の正しさ」
を完全に理解した状態だったこと。
さらに慶応大学教授の立場で財政政策に関わる要職につき、大手メディアなどを通じて「嘘の財政破綻論」を日本中に広めてきた小林慶一郎が出ていること。
また財政破綻論の間違い(大嘘)を日本の学者の中で誰よりも強く批判してきた立場の京都大学藤井聡教授も出演したこと(意外にも朝生の出演は初めてだとか)、
…このあたりの背景がかつてない組み合わせだったので、普段はこの番組を見ない私もチェックしておこうと思い、
興味深い放送回になる可能性があると、金曜のメルマガでも予告しておきました。
が、結果から言うと、確かに「興味深い」展開にはなったのですが、それは財政破綻論の間違いやオオカミ少年・小林慶一郎問題ではなく、それ以上に与党議員の
「片山さつき氏の発言の数々」
があまりにもひどく、それに対する視聴者の怒りの方が凄まじいものになったようです。
ちなみに、出演者の1人で国際政治学者の三浦瑠璃氏は、金曜のメルマガで予言しておいた通り、
彼女は経済・財政は何もわかっていないタイプなので、相変わらず的外れなことを言うと思っていましたが、放送ではこんなことを言っていました。
「財政出動すると円の価値が下がり、日本が貧しくなる。だから財政出動をすべきではない」
…彼女の脳内では、政府がお金を出すと日本が貧しくなるそうな。゚(゚´Д`゚)゚。スゲー
彼女は小林慶一郎とは違い嘘をついている学者ではなく、本気で何もわかっていないタイプだと思われます。
しかし学者の立場なのに、よくもまあこのレベルでテレビに出て財政を語れるものです。
論外すぎるので三浦瑠璃氏へのツッコミはもうやめときます。ちなみに彼女が言っている「円の価値が下がり」とは、先日このメルマガで解説した
「通貨の信任が低下する」
という主流派経済学者(財政破綻論者)がよく言うファンタジーと同じ意味でしょう。
間違いなく彼女は自分でも何を言ってるかわかってないと思います。学者なのにこれほど重要な問題について無知すぎで、全く語るに値しません。
で、問題は片山さつき議員の発言です。
彼女が話していた要点を言うと、
「日本は憲法上ロックダウンができないから、政府は自粛を要請しただけ。
自粛をするかどうか、お店を営業をするかどうかは国民の自由。
政府は何も強制していない。だから国民に補償はできない」
…という内容でした(゚o゚;; ハア?
個人的にこの「屁理屈の言い訳」を、メディアで本当に口に出して言う政治家がいるとは思いませんでした。
この発言を藤井教授が(後で話題になったほど)凄まじい形相で聞いておられ、その後反論されていましたが、藤井教授の反論は以下の通り。
「たしかに日本は自粛を強制できないからロックダウンはしていないが、お上である
『政府が要請した』
と言う事は、国内では実質的に強制と変わらない。
現に度重なる緊急事態宣言や自粛要請で国民は外出を自粛したし、それによって経済活動が著しく低下した。
自分は交通量の計測もしているが、交通量は自粛前の60%もダウンしていた。ロックダウンしている他の国よりも移動が制限されている。
このような状況で政府が国民に補償をしないのなら、そんなものは政府ではない!」
…と言う趣旨でした。
後日ラジオで藤井教授は語っておられましたが、この
「日本はロックダウンしていない。だから政府は補償しない」
と言う片山さつき発言は、Twitterなどでも大炎上していたようです。まぁ当たり前。
そのラジオ↓。これ聴いて怒りを感じない人は、人ではないかもしれません 。・゚・(ノД`)・゚・。
よくこんな発言を政治家として言えるものだと思います。
政治家のくせに国民を助ける気など1ミリもないと言うことです。
要するに「とにかく理屈をつけて」「補償をしないことを正当化している」だけにすぎません。
政治家として本当に困窮してる国民を助けなければならないと切実に思っているなら、死んでもこんな狂った発言できませんから。
藤井教授は
「この発言こそ、今の政府与党が国民を基本的に見捨てている事を象徴しています。」
と投稿されていましたが、
まさに片山さつき議員は200年後まで歴史に残り続ける、現在の自民党政治の恐るべき失政と愚かさを象徴する人物だと思います。
余談ですが片山さつき議員は元財務官僚です。
彼女は政治家になっても財務省の意向をそのまま引き継いでいるとしか思えません。
少なくともやっている事と言っている事は財務省の望み通りの言動です。
結局「華麗なる一族」の家庭で生まれ育ち、勉強ばかりして東大に入り、そのまま試験勉強して全省庁のトップ官僚になり、
単純労働も肉体労働も、お金を稼ぐ苦労も貧困の苦労も何も体験することなく、
絶大な権力だけを手に入れ、そのまま自分でお金を稼がなくていい権力のある政治家になってしまうと、
人間はこれほどまでに弱者を理解できない醜悪で愚かな罪人になると言う、見事なまでの象徴だと思われます。
自分の知っている世界観の中でしかものを考えられない環境のことを「認識共同体」と言いますが、
官僚や政治家の多くは、自分の知っている人たちの間で国民の状況を勝手な想像で決めつけ、その上級国民の世界観で独りよがりの思考をしているから、
国民の痛みと言うものを全く理解できず、片山さつきのような愚かすぎるモンスターが出来上がってしまうということです。
私が週末に歩いたあの街で閉店を余儀なくされたお店の店主たちは、その従業員たちは、その家族たちは、
一体今どこで何をしているのでしょうか。
彼らがどれだけ苦しい生活を送ることになったとしても、誰も責任を取らないのです。
何せ政府はロックダウンを強制したわけではなく、あくまで自粛を「要請しただけ」らしいですから。
何せ国のトップの総理自身が、この戦後最悪の経済状況下で国民に「自助」を要求しているぐらいですから。
いくらでも簡単に財政出動できる国で、屁理屈をつけてお金を出さない政策を貫き、
日本中のお店や企業を閉店・倒産に追い込んで、
失業者・自殺者を増やしている、片山さつきを始めとする与党議員や財務官僚たちは、
政治家・官僚として以前に、心の底から人としての恥を知るべきだと思います。
これほどの所業を「万死に値する」と言わないなら、
一体何を「万死に値する」と言うのでしょうか。
それではまた。