- 2013-11-8
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こんにちは!早稲田集中力研究会の中西です。
さて、前々回、前回と2回連続で「1日の勉強量を最大化させるコツ」についてお話してきました。
まだご覧になっていない方は、順番に読まないとわからないので、まずは必ずこちらからお読みくださいね。
<前回、前々回の記事>
1日のTodoリストが全部終わらない理由【前編】
1日のTodoリストが全部終わらない理由【中編】
前回は、1日の勉強に使える所要時間が6時間の場合を例に出し、その6時間を最大限有効に使うには、1日のTodoリストの各項目ごとに、あらかじめ予想時間の「見積もり」を出しておくか、
過去の経験からくる直感によって、すべての項目の所要時間が正確に見積もれる「達人レベル」の域に達してる場合か、そのどちらかのパターンしかないという話でした。
後者の「達人レベル」というのは、半分冗談ですが、半分は本当です。
というのは、毎日勉強する前に見積もりを出し、さらに勉強後は実際にどの程度時間がかかったかを確認する習慣を持っていると、
同じ内容の勉強(たとえば英単語を1日20ページやるなど)を繰り返すにつれて、「見積もりの精度」が上がっていきます。
毎日「英単語を1日20ページやる」と決めているなら、最初の頃はそれに30分かかると予想していても、実際は20~25分ぐらいで終わることが多く見積もりを間違っていたとしても、
20ページという分量が毎日同じなら、その見積もりの精度は日に日に上がって行きます。
それを繰り返していけば、しばらくすると
「今日は難しい単語の章を20ページだから、25分かかるな」とか
「今日の20ページのうち10ページは復習だから、20分で終わるな」
といったように、どんどん見積もりの精度(正確さ)が上がっていきます。
よって最終的には、「達人レベル」とまでは言わないまでも、1日のTodoリストを見たときに、ほとんど直感的に「これなら4時間~4時間半で終わるな」とパッとわかるようなレベルに到達する可能性もありえます。
が、直感というのはかなり怪しいものですので、その場合であっても、よほど毎日同じことの繰り返しで見積もりに確信があるような場合でない限り、
やはり一度「各項目別」に見積もりを出してみて、合計時間がその日の所要時間内に収まるかを判断したほうがいいのです。
この「見積もり」を出しておかないと、前回お話したとおり「1日の勉強に使える所要時間」と「1日の勉強計画」とのあいだに、自分の想像以上の差が生じて計画が破綻する可能性が高くなります。
結果、「今日はもう時間がないから、残りは明日に回そう」という、多くの受験生が毎日のように陥ってしまう「悪い先送り」という事態を招いてしまうのです。
あるいはそれを避けるために、所要時間をオーバーしてでも「今日中に終わらせてやる!」という気概で、当日中にやりきろうとする受験生もいます。
予定時間を大幅にオーバーしてまで「このTodoリストを今日中にぜったい100%全部やりきるぞ!」という気概は、決して皮肉ではなく本当にすばらしいです。
が、毎日のように頻繁にその気概で乗り越えているとしたら、根本的な改善が何も出来ていないということです。
所要時間をオーバーしているということは、そのしわ寄せがどこかに来てしまう可能性が高いのです。
しわ寄せの一番よくある例で、最悪の例でもあるのが、睡眠時間を何時間も削ってしまうことですね。
そうやって睡眠分の時間を削り、その日の予定を全部消化すれば、その日は寝る前に「やりきった感」「頑張った感」という精神的な充足は得られるでしょう。しかし、翌日はその睡眠不足で朦朧(もうろう)とする中での勉強になります。これでは何の意味もありません。
精神的な満足感も大事ですが、重要なのは、あくまで「受験期間トータルで勉強量を最大化させる」ことですからね。
今回の一連の記事で「1日の勉強量を最大化させる」ことの重要性を強調しているのは、「受験期間トータルでの勉強量を最大化させる」ためです。
そのために「1日の勉強量の最大化」を目指すのであり、決して「ある特定の1日限り勉強量」を増やして、あとの日はもうどうでもいいやんヘ(゚◇゚)ノ~、というような話をしているわけではありません(当たり前ですが)。
そう考えると「受験期間トータルでの勉強量を最大化させる」ためには、つきつめると、最終的に1日の勉強計画における各項目の「見積もり」が、どの程度正確に出せているかが鍵を握るということになるのです。
今日は6時間を勉強に使える予定が、結局8時間もかかって寝るのが遅くなったとか、4時間で終わったからご褒美にYouTubeを見てたとか、
そういう毎日の「勉強時間の見積もりのズレ」が、積もり積もってとんでもない時間のムダを引き起こしているということなのです。
もちろん、最初のうちは項目別に正確に時間を見積もることは難しい場合もあると思います。
30分で終わると思った復習が50分かかったとか、そういうことはふつうに頻発するはずです。
それでも、見積もりを出さないで適当にTodoリストを作成する場合よりはズレの範囲も最小限に抑えられますし、何よりそれを続けていくことで、見積もりの精度はどんどん上がっていきます。
上の達人の話ではないですが、あまりじっくり考えなくても、直感的に「この勉強なら○分で終わる」というふうに瞬時に正確な見積もりを出せるようになっていきます。
前回の記事の最後に、この「見積もり」をめんどくさいと思った人にも救いはある、と言ったのはそこで、
ここまでその重要性を理解してもらうために、いつにも増して丁寧に説明しましたが、実際のところあまり神経質にこの作業を考える必要はないです。
半分遊び感覚でもいいので、作成したTodoリストの各項目の右横に、その項目ごとにかかりそうな所要時間を「20分」「30分」と書いて、合計時間を出すだけです。
そして、終わったらそのさらに横に、実際に勉強した「実働時間」をちょこっとメモしておく。
これを毎日毎日「繰り返す」のが最大のポイントです。繰り返していけば、どんどん自分が予想した見積もりの間違いに気づき、毎日のようにその精度が上がっていくことがわかると思います。
「あれ?計算が合わない。何かおかしい。あ、休憩時間を見積もってなかったからか。意外に休憩時間をとってるんだな」とか
「きょうは8時間あったはずなのに、6時間しか勉強してないじゃん。なぜ?・・・あ、移動時間を計算に入れてないや。思ってたよりけっこう移動に時間を使ってるな。この時間も何か勉強しなきゃもったいないぞ」
とかなんとか、どんどん自分の「1日の実体」が視覚的に見えてくるようになります。
たとえばあまりお金のないギリギリの生活の中で、それでもなんとか貯金をしようと思ったら、お金の流れを正確に把握するために、家計簿をつけるのがもっとも確実ですよね。
家計簿なんか無くてもお金の収支はだいたい頭で把握してるよ~なんて人がいたら危ないです(笑)。いくらお金が入ってきて、いくら使ったか。これを本気で正確に把握しようと思えば、記録をつけておくしかありません。
私は大学に入学して独り暮らしを始めましたが、1ヶ月の食費はざっと3万円ぐらいだろうと考えていて、そのつもりで半年くらい生活していました。実際、1日1000円ぐらいしか使ってないから、まあだいたいそんなもんだろうと。
安い日は自炊したりスーパーの50円ラーメンで1食行くから1日500円くらいの日もあるし、飲み代を差し引いてもまあ1ヶ月3万円前後だなと。いや、もしかして2万5,000円くらいかもね(*´∀`*)/、うほっ!差額の5,000円何に使おうかね~などとかなり都合よく思っておりました。
あるとき、正確にはいくらになってるのかが気になって、1ヶ月間レシートをとって1円単位で計算してみました。
すると食費は4万円をはるかに超えて次の大台に手がかかっているような状況で、電卓と大量のレシートの前で男泣きしそうになったことがあります。このとき、私は自分の記憶というものが、いかに物事を都合よくしか解釈しないのかを学びました(笑)
受験生も「知識の貯金」を最大化させたいなら、1日の勉強時間の利用実体を正確に把握できる「時間の家計簿」(=見積もりと実働の記録)をつけて記録することが、もっとも確実なのです。
時間の家計簿づくりは、勉強時間の「見積もり」から始まります。
その作業は、たぶんあなたが今思っているほど時間はかかりません。(心配なら「1日の見積もりを出す作業」にどれくらいかかるかを、タイマーで計ってみるといいかと思います。
Todoリストの項目数にもよりますが、予想より短時間で終わるはずです。最初は感覚で「こんなもんかな」と思う時間で見積もればいいです。そこでズレがあれば、翌日以降修正していけばいいだけですから。
ここで神経質になりすぎて、1日の見積もり作業に神経と時間を使いすぎて、挫折しては本末顛倒ですからね。気軽に短時間でやるのがコツです)
この「見積もり」をとる作業は多少の手間こそかかりますが、その手間暇以上に、得られるものはずっと大きいです。だから、この作業をぜひ楽しんでやってみてください。
時間を見積もることでいろいろ気づくことが多いので、その部分を楽しもうと心がけるわけですね。楽しめるかどうかは、実際にその作業が楽しいかどうかはもちろん、自分の心がけ一つでも楽しむことは可能です。
ぜひ毎日の予定を作るときに「見積もり」を出して、「時間の家計簿づくり」を楽しんでください。
1日の勉強量、つまりは「受験までのトータルの勉強量」を最大化させて、合格を勝ち取るために。