- 2025-10-5
- 経済の話
こんにちは、中西です。
高市早苗氏が自民党の新総裁になって一夜明けました。
一般の国民の多くはこの状況を喜んでいますが、(私自身は違いますが)
さっそくマスコミは、就任演説の「ワークライフバランス発言」のくだらない揚げ足取りをして、国民から反感を買っています。
こんなものはまだ序の口で、今後マスコミによる高市早苗氏への凄まじい偏向報道や攻撃や揚げ足取りが続くのは確実です。
マスコミはもう本当の末期症状に来てますね。生きてて恥ずかしくないのかなと思います。
また、おそらく週明けの株価はドカーンと上がるでしょうが、それ自体は実体経済に大して影響を与えませんので、投資家で株をやっている人たちが儲かるという話です。
大事なのは、金融経済ではなく実体経済が息を吹き返すかどうかなわけですが、
前回の長文メルマガも含めて、これまで説明してきた通り、高市早苗さんの経済・財政認識では、日本経済がすぐに復活することはあり得ないと私は考えています。
その大きな理由の一つが、消費税減税すら明言できなかったことです。
これは高市さんに限らず、他の候補者4人も、消費税減税をするかどうかを討論番組で聞かれたときに誰も答えることができず、無言を貫きました。
高市さんは、そもそも10年以上前から消費税の減税を否定する立場で、その証拠の動画も残っています。
何年か前の岸田文雄元総理と戦った総裁選では、彼女は「自国通貨建ての国債である日本が財政破綻することはない」と正しいことを明言していましたが、
それは当時、一般の人にも広がり始めた「正しい財政認識」の流行りのキャッチコピーを切り取って丸暗記していただけの“にわか勉強”だったのだろう、というのが私の最終的な結論です。
その証拠に、その後彼女はその発言を一切しなくなりましたし、今回の総裁選でも最も重要なその部分を一切言いませんでした。
おまけに、少し前には「消費税は社会保障の財源」という発言までしていましたし(消費税は一般会計なので社会保障の財源になっているかは誰にもわからない)、
総裁選の最中の討論会でも「消費税を減税しようとすると、お店の人たちが値札を貼り替えたりレジの仕組みを変えるのに1年かかるから、消費減税はやらない」などという、めちゃくちゃな発言までしています。
日本経済が先進国で唯一30年も衰退した理由は、財務省による緊縮財政が行われていたからですが、その緊縮財政の中心となっていたのが消費税でした。
それを過去30年近くの間に3回も増税して、3%→5%、5%→8%、8%→10%とどんどん上げていきました。
その結果、税収という予算を扱える財務省の官僚だけが笑いが止まらなかった一方で、国民は大切な給料から資産を収奪され、可処分所得が減り、個人消費が減る形でGDPが成長しなくなりました。
経済成長というのはGDPの成長のことです。
そしてGDPの6割弱を占める個人消費にブレーキをかける消費税などを10%にまで上げてしまったら、経済成長ができなくなるのは当然です。
データを見ても、消費税を上げるたびに需要がガクンと下がって国民が消費をしなくなっているのは明らかで、消費税というのは「百害あって一利なし」の典型的な、何の意味もない税金だったわけです。
おまけに、国民の99.99%が認識を間違えていて、
「消費税は一般の消費者が、一旦企業やお店に払って、企業やお店が預かる“預り金”=間接税」
だと思い込まされてきました。
実態は、お店や企業の事業者側が払っている“売上税”というのが正体でした。
(国民が騙された大きな要因の1つは、お店でもらうレシート。あれで消費者の大半が自分が払っていると勘違いしてしまった)
消費税は間違いなく戦後最大の詐欺であり、政治家ですら「消費税は間接税や預り金ではなく、消費者が直接払っているわけではない、事業者側が払っている売上税」という事実を知らない人が大半でしょう。
経済や金融の専門家ですら、この事実を知らない人が圧倒的多数です。
消費税法には「消費者」という言葉すらなく、財務省の官僚も国会答弁で「消費税は間接税や預り金ではない」と認めています。
さすがに財務官僚は国会では嘘はつけませんので。
そういった背景まで踏まえると、消費税というのは、とてつもなく闇の深い「戦後最大の詐欺事件」と言っても過言ではない、国民にとって害悪の極みでしかない税金でした。
しかし高市さんは「社会保障の財源」という、財務省が消費増税をするためのプロパガンダをそのまま信じ込んでいる状況で、
さらに減税させないためのプロパガンダである「消費減税には1年かかる」という嘘まで信じ込んでしまっている有様です。
一方で、個人的に信用しているある経済の専門家の方が言っていましたが、高市さんが消費減税を総裁選で明言しなかったのは
「消費税の減税を公約として明言すると、財務省に潰されるから」
とのことでした。
断言はしておらず、その方も予測としておっしゃっていましたが、確かにその可能性はあるだろうとは思います。
これまでも財務省に都合の悪い言論・主張をする政治家や組織や専門家は、潰されまくってきました。殺された疑惑のある政治家も複数名います
(中川昭一氏、石井紘基氏など。特に石井氏は財務省の闇を国会で暴く前日に殺され、その資料が現場から消えていて、犯人も逮捕されており、犯人が後年その事実を暴露した話もあるので、可能性が非常に高い)
高市さんが財務省にとって都合の悪い消費減税を公約にしようものなら、財務省が全力で潰しにかかってくるのは間違いないでしょう。
では、高市さんが消費減税を明言しなかったのは、財務省に潰されないためのリスク回避だったと仮定します。
だからといって、総裁・総理大臣になれば、財務省から潰されるリスクは減るのでしょうか。
高市早苗氏を支援していた安倍元総理ですら、財務省には勝てませんでした。
高市さんは本当は「消費税は百害あって一利なしの悪税だ」と理解した上で、選挙の間だけ財務省に潰されないために消費減税の明言を避け、
総理大臣になったら一気に財務省を抑え込みに行く、あるいは財務省と“戦争”をする、ということならまだ話は分かります。
ところが、上記の通り高市さんは消費税に対する基本的な認識すら間違えています。
以前から申している通り、彼女の認識レベルで財務省に勝てるはずがありません。
もし「潰されないために消費減税を選挙期間中は明言しなかった」のだとしても、そのレベルでは総理大臣になったところで、安倍元総理ですら勝てなかった財務省に勝てるわけがないのです。
さらに私が懸念しているのは、高市早苗氏がどのような人事をするかです。
前回のメルマガでも書いた通り、財務大臣を西田昌司議員にして、内閣官房参与を藤井聡教授にするなら、一気に話は変わってきます。
しかし、そうなる可能性は、私の中では30%〜40%くらいで、半分は切っています。
一方で、昨日から今日にかけて出てきた情報では、元財務官僚の小林鷹之氏を要職につける考えもあるようだ、という報道もありました。
小林鷹之氏は元財務官僚で、積極財政に見せかけていますが、その本質は完全に緊縮財政でしかありません。
「自分自身の懐の大きさ」を示すために、総裁選でライバルだった4人を要職につけるような、くだらない人事だけはやめてほしいと思います。
高市さん以外の4人は全員、緊縮財政・新自由主義者ばかりですから、この4人など論外です。
ところが彼女は公式に、総裁選のライバルだった4人を何らかの自民党の要職につけるような発言をしていました。
これだけでも相当やばいと私は思っています。
さらに、麻生太郎を副総裁あたりの極めて重要なポジションにつけるという話も出てきました。
これはかなり可能性が高いと思います。
なぜなら今回の総裁選では、麻生太郎が裏で動き、高市早苗さんに票を入れるように働きかけていたことが判明しているからです。
麻生太郎は自民党の議員たちに、「もし総裁選の第1回目の投票で党員票が圧倒的に高市早苗だった場合は、高市早苗に決戦投票で入れるように」という指示を出していたという話が漏れていました。
それをどこかのメディアが「自民党は党員の意見を最後は無視しなかった」と言っていました。
私は、そんな“党員の意思を尊重”などという綺麗事で自民党の議員たちが高市早苗さんに入れたとは到底思えません。
麻生太郎の指示に従っただけであり、結局のところ「自分のポジションを手に入れるため」というのが本音でしょう。
そして麻生太郎自身も、そういう指示を出すことで、新総裁に対して裏から間接的に権力で操ろうとしている可能性が高いです。
しかしながら、これはこのメルマガでも何度もお話ししてきた通り、麻生太郎はもともと
「国債発行は国の借金ではなく、国債を発行することで民間が豊かになり経済が成長する」
と完璧に理解していながら、自分自身が財務大臣や副総理になった途端にその意見を翻し、「国債発行は借金だ」と突然言い出した人物です。
財務省の犬になり、国民の敵と化した“国賊中の国賊”です。
このことを日本人は絶対に忘れてはなりません。
そもそも、麻生太郎が意見を180度、自分のポジションを守るために変えたという事実すら広く知られていません。
と言いますか、国債発行が問題ないという基本的事実も知られていないわけですが、少なくとも麻生太郎は、安倍総理と同じように現役の時にそれが正しいと理解していたのです。
それを自分自身が財務大臣になった途端に、真実を理解していながら財務省のプロパガンダに乗っかることにし、国民に嘘をつき、国民を貧困化させてきたわけです。
まずこのことを絶対に忘れてはなりません。
麻生太郎が、いくら今回の高市早苗さんの総理誕生に貢献したとしても、そんなものでチャラになる話ではありません。
また、そういう“平気で自分のポジションのために国民の生活と命を犠牲にする人間”を、高市さんは“恩返し”として副総裁に据える気なのでしょうか。
もしも麻生太郎を要職につけるとしたら、私はその時点で高市さんを完全に見損なうしかありません。
ただし高市さんは財政認識が根本から間違っているので、そもそも麻生太郎が財務大臣になった際に180度意見を変えた事実自体も、よく理解していない可能性はそこそこ高いと思っています。
だとしたら、はっきり言って一般人以下です。
少なくとも高市さんの経済・財政についての認識レベルはその程度、ということ。
私のように片手間で政治の情報を収集している一般のど素人以下という結論にならざるを得ません。
もう一つ気になっているのは、京都大学の藤井聡教授が高市早苗氏をひたすら絶賛していることです。
今回も、高市さんが総裁に決まった瞬間の映像が流れていましたが、藤井聡教授はその瞬間に涙を流しておられました。
その後、50分ぐらい一人喋りをして高市さんが総裁になる意味を語っておられたのですが、
確かに「トランプがアメリカで大統領になったこと」と「高市さんが日本で総理大臣になること」は状況がリンクしており、時代の大きな流れで見ると
「一部の資本家だけを利する腐りきった資本主義 vs 民主主義」
の最終決戦のような様相を呈している、という点はその通りだと思います。
これは日米に限らず、ヨーロッパ(ドイツなど)でも起こっている現象です。
そういう時代であることは間違いないと思います。
一方で、高市さんが過去どういうキャリアで、安倍さんとどう歩んできたかということも藤井教授は語っておられましたが、あまりにも高市さんに感情移入しすぎているように私には見えました。
「高市さんのどの政策によって、彼女が総理大臣になった時に日本経済を立て直せるのか」
あれだけ延々と新総裁誕生について語っていた中でも、「高市さんの経済政策がどういう形で日本経済を立て直すか」については、ほとんど言及されていませんでした。
一部言及はあったのですが、到底、日本経済を立て直せるような話ではありませんでした。
なので、これは前回のメルマガでも書きましたが、やはり藤井教授は高市内閣で「内閣官房参与」のポジションを手に入れられる、口約束のようなものを交わしている可能性が高いのではないかと勝手に思っています。(ここは完全に憶測)
とはいえ、高市さんではどう考えても経済が明るくなるイメージが湧かず、どんな具体的な政策によって彼女が経済を立て直すのか。
ここが最重要ポイントになるはずです。
彼女が日本国民や日本国家のことを思う気持ちがあることは伝わってきますし、それは分かります。
少なくとも過去30年、そんな当たり前の感覚を持っている総理大臣が1人もいなかったことを考えれば、高市さんには希望があります。
彼女は腐りきった無能の世襲議員でもありません。生まれ育ったのも一般的な職業の両親の家庭です。
しかし、国民を救う強い覚悟があることと、正しい政策を実行できるかどうかは全くの別問題です。
どんなに子どものことを思っていても、間違った教育をしてしまったら、おかしな人間に育ってしまいます。
逆に、政策に関しては極端な話、総理大臣が国民に対する思いが希薄だったとしても、政策が完璧に正しければ国民は救われます。
高市さんの「国民を救いたい」という思いが本物だとしても、その思いを実現できるだけの“正しい政策”に全く行き着いていないので、どうやって実体経済を良くするのか、私には見えてきません。
繰り返しますが、株などの金融経済は一時的に良くなるのはほぼ確実でしょうけどね。
しかしアベノミクスの時もそうでしたが、実体経済が良くならなかったので、結果的には日本経済は良くなりませんでした。(失業率低下とか全く無意味)
そんな中、大体見解が一致する藤井聡教授ですら私の見解とかなり違っていたので、「自分と似た見解の政治家がいないな」と思っていたら、
一人、完璧に一致している人を発見しました。
その人の本日の動画から文字起こしした投稿を以下に引用します。
——————————————-
質問者:
自民党の総裁選で高市さんが
選ばれたと思うんですけど、
それについての所感を
教えていただきたい。
山本太郎:
自民党の総裁選、すごい長かったね。
12日間ですよ。その間ずっとテレビで
垂れ流されまくるっていうね。
あれ、お金払ったら
いくらになるだろう? そう思うんですよ。
宣伝でしょ? あれって。
そのような、ある意味で
自民党のキャンペーンというのが、
しっかりと全国津々浦々まで
皆さんの脳裏に刷り込まれる
というような仕組みにもなっていると、
私は思っています。
それだけじゃなくて、
高市さんがなられたということですね。
まずはおめでとうございます、
ということなんですけれども、
国民にとってあんまり
おめでたいかどうかは、分かりません。
どうしてか? というと、
今の生活厳しいという状態に対して、
どういう形でアプローチするか
って考えたときに、
消費税減税とかということを
すぐやるというようなことにはなりません。
おそらくね。
逆に言ったら、
民主党がずっと言い続けてた
給付付き税額控除みたいな、
その立て付けだけで
何年もかかるようなことを
やろうとしてるっていう。
それって
間に合わないんじゃないの? って。
権力持ったんだから、大胆に
みんなの生活が楽になるようなことを
ドンとやるべきですよ。
30年不況ですよ。
そこにコロナが来て、立ち直る前に
物価高までなっているんですよ。
その後ずっと放置プレイじゃないですか。
で、国民6割生活苦しくて、
1万件以上の中小潰れてるんですよ。
これ考えた時に、
大胆な経済政策を打っていくようなことを
やってもらわなきゃ困るってことです。
ある意味で高市さんは、
そこまで大胆なことをやらなそうというか、
公約としても
そういうものが上がっていなかったので、
そこはしっかりとお尻叩いていく
ということが必要だという風に思ってます。
(岡山県倉敷市 おしゃべり会
2025年10月4日より)
——————————————-
・・・れいわの山本太郎さんの、この高市早苗さんの新総裁誕生に対する見解は、私の見解と完全に一致していました。
やはりこの辺の感覚は山本太郎さんがピカイチだと思います。
他の政策はともかく、以前から伝えている通り、経済政策に関しては完璧に正しいですし、なにより
「貧困の人たちを真っ先に救わなければならない」
という、この当たり前の順番も緊急性の高さも、高市早苗さんなどとは比較にならないほど理解できています。
山本太郎氏が言うように、高市早苗さんが総理大臣になった後、経済を速攻で立て直せるとは私には到底思えません。
ただその前に、彼女がどういう人事をするかで、日本初の女性総理・高市内閣の“器”が概ね判明します。
財務大臣や内閣官房参与、税調会長、副総裁などの要職に彼女が誰を据えるのか。
さすがにハニトラ疑惑で売国奴の岩屋外務大臣や、税調会長で税金でSMクラブに通い、ムチに打たれることがご趣味の、増税しか頭にない元財務官僚・宮澤洋一君あたりは、完全に消え去るでしょうヽ(´▽`)/
高市さんが新人事で、今回の総裁選のライバルだった4人や、麻生太郎などの“国賊”を据えていたら、全く話になりません。
この人事で高市政権がどの程度の可能性を秘めているかがほぼわかるはずです。
ここからは彼女の人事に、要注目です。


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