- 2025-4-25
- ChatGPT
こんにちは、中西です。
前回は、今月上旬に公開されて世界中のAI専門家を震撼させている論文
「AI 2027」
の内容をもとに、今後企業や組織でどのような人が残っていくかについて考察しました。
結論としては、AIを使って仕事や価値を生み出せる人と、AIそのものだけが残る、というのが私の推測です。
つまり、二極化ではなく一元化が起こるということです。
普通に考えても、そうなるとしか思えません。
理由は単純で、「上から指示されたことを、そのまま実行するだけの人」の仕事は、すべてAIが代替できるからです。
そうした人は企業にとって必要ありません。
そして、必要のない人材をボランティアで雇ってくれる企業は存在しないため、指示待ち型の人は今後、どこからも雇われなくなる可能性が極めて高いと考えられます。
しかもこれは5年後や10年後といった遠い未来の話ではなく、2027年末までの3年弱という非常に短い期間で一気に進むだろう、と「AI 2027」の論文では予測されています。
この論文は、AI企業の創業者やハーバード大学のAI専門家らが執筆したもので、時系列に沿ってAIの進化を極めて詳細に予測しており、全てに根拠がある内容です。
世界中のAI関係者がこの論文に衝撃を受けたのも当然と言えるでしょう。
もちろん、すべてがその通りになるとは限りません。
ただ、大筋ではその方向に向かっていく可能性が非常に高く、仮にタイミングにズレがあったとしても、AIによって社会がどう変わっていくのかを理解しておかないと、
気づいたときには組織からリストラされている、という事態にもなりかねません。
組織で働く「雇われる人」として生き残れるかどうかは、前回お話ししたように
「AIを使って仕事や価値を生み出せる人材になれるかどうか」
がまず重要です。
ですが、それだけではなく
「自分が所属している組織や企業が、従業員という存在をどう捉えているか」
という点も、大きな影響を与える要素になります。
とてもシンプルに言えば、
「経営者が従業員を大切にしているかどうか」
「仲間として見ているか、それとも単なるコマとして見ているか」
という視点です。
もし経営者が従業員を大切にし、仲間や家族のように考えているのであれば、
AIによって従業員の仕事が代替されるリスクが高まったときにも、路頭に迷わないようにAI教育や研修の機会を用意し、再教育してくれる可能性が高いでしょう。
一方で、従業員を大切な存在としてではなく、事業成長やトップの利益のための歯車として見ている企業であれば、
仕事がAIで代替できると判断された時点で、従業員を次々とリストラしていく可能性が高いです。
特に派遣社員の場合、元々が景気の調整弁という認識で雇われていることが多いため、真っ先に切られる対象になる可能性が高まります。
しかもAIは、社員の仕事すら簡単に代替できるようになってきています。
そうなると重要なのは、企業の上層部や経営者が「従業員をどう捉えているか」、そして「自社はどうあるべきか」といった経営理念や思想です。
その考え方によって、従業員の扱いが大きく変わってきます。
映画化もされた百田尚樹さんの大ベストセラーに「海賊と呼ばれた男」という作品があります。
これは出光興産を築き上げた出光佐三をモデルにした物語です。
この会社は戦争で全てを失って会社が潰れる極限状態に陥ったときに、従業員を家族だとして、
「絶対に誰1人、首を切らない。どんな仕事をしてでも全員で生き残る」
といった言葉を従業員に伝えました。
誰1人路頭に迷わせないために、社長が仕事をとってきて、本業とは全く違う危険な仕事でも全員で請け負って乗り越えて行きました。
同じ時代を生きた松下幸之助も従業員を家族だと考え、どれほど不況が襲ってきても、「絶対に首を切らない」と宣言していました。
これは究極とも言えますが、ここまで極端でなくても、従業員を本気で家族のように大事にしている経営者はたくさんいます。
一方で、そうではなく、単なる駒としてしか考えていない経営者もたくさんいます。
組織に所属する人は、自分が所属する組織のトップはどちらのタイプかを見極めるのがマストになると思います。
私自身、これまで複数の企業で働いてきましたが、経営者によって従業員に対するスタンスはまったく異なります。
世間的に有名かどうかは関係なく、すべてはトップの従業員観にかかっているといっても過言ではありません。
したがって、今後2〜3年で自分の組織の中で生き残れるかどうかは、「AIを使って価値を生み出せるか」という自身の能力だけでなく、
「所属組織のトップがどのようなスタンスで従業員と向き合っているか」
を把握しておく必要があります。
もしそれが分からないという場合は、その時点で、その企業は従業員を大事にしていない可能性が高いと私は思います。
本当に従業員を大切にしている企業であれば、普段からその姿勢や言葉が従業員にヒシヒシと伝わっているはずだからです。
つまり、どれだけ有名で世間的に評価されている企業であっても、
これまで従業員を本当に大切にするような言葉・行動・施策が見られなかったのであれば、AIの台頭とともにリストラの対象になる可能性はかなり高いと考えられます。
ということで、今後2〜3年の間に、多くのデスクワーカーの仕事がAIに代替されるのは間違いありません。だからこそ、自分自身が
「新しい仕事や価値をAIを使って生み出せる人材」
になっていくことと同時に、
「自分の所属する組織が、どのような経営思想を持ち、従業員をどう捉えているか」
という部分の影響力が非常に大きくなり、そこに従業員の人生が左右されるはずなので、
今後の激動のAI時代を生き抜く上で、この点は必須のチェックポイントになるはずです。


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