- 2025-3-19
- 睡眠効率アップで集中力UP
こんにちは、中西です。
前回は、睡眠の質を高めるための運動として、さまざまな種類がある中で
「筋トレ」
が最も睡眠効率アップに貢献するという研究をご紹介しました。
有酸素運動や有酸素運動と筋トレの組み合わせよりも、筋トレ単体の方がより睡眠の質が高まりやすかったわけですね。
今回はこの流れで、別の形で睡眠の質が向上する実験結果が、本日3月19日(水)に発表されましたので、それをご紹介します。
結論から言いますと、
【 カフェインの量を減らすことで、集中力が下がることなく、眠くなることもなく、睡眠の質を向上させることができる 】
ということが判明しました。
※参考:本記事下部に記載
これは、宮城県・NTT東日本・東北大学発のスタートアップ企業「ストーリーライン社」の共同研究で、
実験は宮城県やNTTの職員118人を対象に2週間行われました。
カフェインの量を変えて、1日4杯のコーヒーを飲んでもらい、毎日体調や気分などの健康状態をセルフチェックしてもらい、1週間目と2週間目で比較を行いました。
その結果、カフェインを減らした時の方が「睡眠の質が上がった」と回答した人が17%増加しました。
また、カフェインを減らすことで「睡眠時間が平均12分伸びた」「入眠までの時間が早くなった」という結果も得られました。
一方で、日中の仕事の生産性や体調にはほとんど変化が見られませんでした。
ちなみに1週間目は、全てカフェイン入りのコーヒーを1日4杯摂取しており、この時のカフェイン摂取量は360mgでした。
2週間目は、1日4杯のうち半分をデカフェにするなど、カフェイン摂取量を半分以下の135mgほどに減らしました。
その結果、「睡眠の質が向上した」と感じた人が1週目より増加しており、明らかにカフェイン摂取量を減らすことで睡眠の質が上がったと実感する人が多いことが分かります。
興味深いのは、カフェインを減らしても「午後のデスクワークの集中力は低下しなかった」という点です。
確かに、カフェインによって集中力がアップする効果は複数の研究で認められています。
しかし、「カフェインを減らしたとしても集中力の低下を実感することにはならない」という結果が今回の実験で示されました。
あくまでカフェインを0にしたわけではなく「減らした」ということですので、特に矛盾はしていないと思います。
別の言い方をすると、カフェインの量を減らすことで、集中力の低下までには至らず、一方で睡眠の質は向上しやすい、ということです。
実験を行ったストーリーライン社の岩井潤子CEOは、
「カフェインを減らしても、集中力が下がったり、元気がなくなったり、眠くなったりすることはなかった」
とコメントしています。
カフェイン0にするのではなく摂取量を減らすことで、集中力アップのメリットを得られたまま、デメリットは特になく、
むしろ睡眠の質が上がる可能性が高いということです。
カフェインの効果については個人差がありますし、集中力アップの効果が認められているのも事実です。
しかし一方で、カフェインは夜の睡眠の質にマイナスの影響を与えることもよくあります。
したがって、睡眠の質にこだわるなら、
①カフェイン飲料を飲む量を減らす
②飲む場合でも午前中や午後の早い時間帯までにする
といった工夫をし、カフェインの影響が夜に及ばないようにした方がよいでしょう。
(カフェインの効果は7時間前後ほどですので、夜の入眠に悪影響を与えたくないなら、就寝時間にもよりますが、大体14時から15時位までに飲み終わるのがおすすめ。午前中までならほぼ安全)
結局、カフェインを摂取することで夜の睡眠の質が下がり、日中の眠気が強くなり、
その日中の眠気を抑えるためにまたカフェインを飲む… という悪循環に陥る可能性があります笑
したがって、眠気を抑えるためにカフェインを摂るくらいなら、最初からカフェインを摂らずに夜の睡眠の質をアップさせた方がいい場合もありそうです。
というわけで、カフェインはメリットもデメリットもありますので、カフェイン飲料が好きな人は、
ぜひ、カフェインの「諸刃の剣」的な性質をよく理解した上で、自分にとってベストなカフェインの摂り方を探っていってほしいと思いますね。
※参考
「カフェイン減らすと睡眠の質が向上」コーヒーのカフェイン量変えた実証実験で明らかに
https://news.yahoo.co.jp/articles/ef0a1470c97c69c7f03c9505ba404d3329fea694