- 2023-12-26
- 受験を突破する健康管理術, 運動の話
こんにちは、中西です。
前回は、「糖尿病」が世界的に激増している話をしましたが、
今回は糖尿病予防のための血糖値コントロールのポイントについて。
血糖値コントロールは糖尿病だけでなく集中力にも大きく影響しますので、生産性の観点からも知っておいた方がいい話です。
個人的にはちょっと意外な結果でしたが。
では、本編をどーぞ!
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【今日のFocus】
「1日の中で血糖値の改善につながる運動のタイミングは、午後から夜の時間帯」
【解説】
食後の血糖値を下げるインスリンが働きやすくなるかどうかは、食後のやる気や集中力、さらには糖尿病などの病気リスクにも影響を与えます。
また、運動することで血糖値が下がることも分かっています。
オランダのライデン大学医療センターの研究によると、血糖を下げるインスリンが効きにくくなるインスリン抵抗性をより軽減しやすいのは、
ウォーキングなどの少し活発な運動を「午後から夕方」のタイミングで行うことだと判明しました。
基本的に運動は1日のどの時間帯でも様々なプラスの効果が得られますが、インスリンの改善・血糖値のコントロールという観点で運動を行うなら、
「午後から夕方がベスト」
ということになりそうです。
※注:この研究では、1日を3つのブロックに分けていますが、「朝(午前6時~12時)、午後(午前12時~午後6時)、夕方(午後6時~12時)」と定義しています。
「夕方」の定義が少し日本の感覚とは違うので、日本語の感覚で言うと、深夜を除く「午後から夜の時間帯」「午前以外」というタイミングになります。—–
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<編集後記(雑談)>
前回は、「世界中で過去30年間で糖尿病の患者が大幅に増えている」という話をしました。
日本でも糖尿病と糖尿病予備軍を合わせると2000万人を超えるため、6人に1人が該当します。誰もがそのリスクを抱えているわけです。
糖尿病には1型と2型がありますが、2型の場合は生活習慣が要因になっている場合が多く、とくに食事や運動に問題を抱えていると発症しやすくなります。
今回紹介したオランダの研究は、糖尿病に大きく影響する血糖値コントロールの為の運動のベストタイミングを調査したものでしたが、個人的には午後以降だったのは少し意外でした。
本編では紹介してませんが、今回の研究の研究者によると、体の細胞の代謝機能は午後遅くにピークを達するので、
その時間帯に活発に活動することで、午前などの時間帯の活動よりも代謝反応がより良くなり、インスリン抵抗性が高まり、血糖値コントロールがしやすくなる、というような話でした。
ちょうど私は最近有酸素運動をする時間帯を、実験的に朝から午後(13時~14時頃)に変更して違いを試していたのですが、
眠くなりそうなタイミングで少し息が上がる程度の有酸素運動をやることで、午後の調子も良くなっていた感覚があったので、血糖値コントロールも改善するという今回の研究は経験的にもなんとなくわかります。
別にまとまった時間を取って運動をする必要もなくて、時間が取れない方は数分程度の時間、歩いたり家事を少し活発(機敏)に行うだけでも全然違うという研究結果もあります。
そう考えると、体が疲れてきた時ほど、体を動かして運動した方が健康で元気になる、ということになりますね。
人間の体というのは不思議です。
【参照】
Physical activity in the afternoon or evening is linked to reduced insulin resistance, study reveals (Diabetologia 2022年11月2日)
Timing of physical activity in relation to liver fat content and insulin resistance (Diabetologia 2022年11月1日)