- 2023-10-31
- 働き方・キャリアの話
こんにちは、中西です。
私が運営するコーチングプログラムのメンバーさんには、転職活動中の方や転職検討中の方も多いです。
先日、あるメンバーAさんの話を伺っていた時に、昔の学生時代の私と非常に似た思考をしていて、若干心配になったことがありました。
性格(強み)診断テストで「慎重さ」「学習欲」といった項目があり、私はこの2つともどちらも高いのですが、おそらくAさんもそのタイプだと思われます。
ただ、私と違って明るく人当たりの良い方なので、嫌いになる人はいないでしょうし、一緒に働きたいと思う人も多いタイプだと感じるのですが、
転職活動に当たって、様々な準備や勉強やリサーチをとてもしっかりされているのです。
自分の仕事や転職といった内容について、浅いレベルで考えるのではなく、かなり深いレベルまで考えておられました。
毎週休日もほとんど遊びにいかず、長時間しっかり勉強されています。
それ自体、とても真剣に真面目に生きている証拠ですし、日々の生活習慣にもとても気を配っておられて本当に素晴らしい方なので、私としても心から応援したいと強く思っています。
一方で、Aさんのこの時間の使い方で本当に大丈夫なのか、心配になる部分もありました。
と言うのも、別のメンバーさんで全く違う正反対のタイプのBさんという転職活動中の方がいるのですが、
この Bさんは、毎週次々と新しい出会いを作って行って、行動量も多いため、1週間の密度も濃く、変化のスピードも早く、毎週のように物事がどんどんプラスに転じていっています。
新しい出会いも、SNSでの出会いから、エレベーターで隣り合った人との出会いまで、ちょっとした出会いも見逃さずに、新しい人間関係を作って、そこから紹介なども次々に発生し、転職活動を続けておられます。
最近知り合った初対面の海外の人と他国で会う、なんてことも普通にやっておられます。
結果として、様々な企業や事務所から呼びかけられて、Bさんの人生がどんどん好転しているのです。
毎週必ず新しい展開があるので、私も報告をチェックしていて、何かちょっとした週間の連続ドラマを見ているような気分になります。
AさんとBさんは、2人とも間違いなく素晴らしい人ですが、全く違うタイプの2人の転職活動を同時並行で見ていて、
Aさんは勉強時間の割合を減らして、Bさんのように、もっと活動的になったほうがいいのではないか?と少し思っていました。
と同時に、 Aさんは Bさんのようにはなれない、とも思いました。
そもそも、 Bさんはそれだけアグレッシブに様々な新しい人間関係を構築したり、様々な新しい行動をしながら、それらをわりと当たり前のようにやっています。
これは直接本人からも確認しましたが、 Bさんにとっては、そのアグレッシブさはわりと普通のことで、新しいことを次々とやることに苦痛を感じてはいないのです。
もちろんかなりの努力をされているのですが、その努力自体が比較的自然にできている感じです。
この Bさんのようなアグレッシブさを、そもそもAさんは持つべきなのか。
Aさんの慎重さや物事を深く考える良い部分を、どうやればうまく活かす形で転職活動につなげられるか。
それを考えていたときに思い出したのが、
ビッグファイブ
FFS理論
の2つでした。
ビッグファイブとは、アメリカの心理学者で、オレゴン大学の名誉教授のルイス・R・ゴールドバーグが提唱した、個人の性格に関する学説で、
科学的に非常に信頼度が高いものとされています。
ビッグファイブ理論では、人の個性は5つの因子に分類できるとされています。
その5つの因子とは、
「Openness(開放性)」
「Conscientiousness(誠実性)」
「Extraversion(外向性)」
「Agreeableness(協調性)」
「Neuroticism(神経症的傾向)」
の5つです。
また「FFS(Five Factors and Stress)理論」の方は、
「凝縮性」「受容性」「弁別性」「拡散性」「保全性」
という5つの因子の多寡と、その順番を通して人間の強みを把握する、小林惠智博士が開発した理論です。
この辺に答えがあるかもしれないと思い、少し調べてみたところ、
AさんはBさんのようになるべきか?
という疑問ついて、1つの答えとなる記事がありました。
▼参考:就活で苦戦する学生は「強み」を勘違いしている (2ページ目):日経ビジネス電子版
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00077/070800016/?P=2
FFS理論を就職活動に用いるテーマの記事ですが、この理論における
「保全性」:慎重に物事を考える性格(内向型)
「拡散性」:次々と新しい経験をする性格(外向型)
の両者について、詳しく解説されています。
ポイントだけ言うと、「拡散性」の人は就職活動で目立つし、企業からも好かれる一方、
「保全性」の人は、「拡散性」の人に負い目を感じやすい傾向があると。
ところが実際のところ、企業はどちらのタイプも必要で、
「保全性」の人のように、物事をしっかりと考えて、慎重に取り組んでいく人も求めているので、
ヘタに盛ったようなキラキラ体験談アピールに意識を向けるより、「保全性」の人は自分の良さをうまく伝える方が良い
…という話。
(興味のある人は、記事の方も見てみてください。)
改めて思いましたが、ストレングスファインダーなど、他にも有名な診断テストがいくつかありますが、総じて言えるのは、
【 自分の一見マイナスに思える性格は、ほとんどの場合、「強み」に転嫁できる 】
と言うことです。
よく考えたら、私もそうしてきた部分がかなりあります。
どんな性格にも強みと弱みがあるので、わざわざ自分にない性格の人間になろうとしても、
自分の本質とは違うので、苦しむわりに得られる成果は少ない可能性の方が高いでしょうね。
いずれにしろ、まず大事なのは、自分の性格や強みを正確に把握して、その上で戦略を立て行動することだと思います。