- 2023-8-9
- 経済の話
こんにちは、中西です。
本日8月9日は、長崎に原爆が落とされた日です。78年前。
よく言われている
「日本が降伏しなかったので、アメリカは原爆を落とすしかなかった」
「アメリカが原爆を落としたから、日本が終戦を決めた」
と言うのは、アメリカによる原爆を正当化するための嘘です。
今でこそ、誰でも核爆弾の恐ろしさを理解していますが、当時は世界で初めて使用されたばかりで、核兵器の恐ろしさを理解している人は、皆無に等しい状況でした。
当時の日本政府は、広島に原爆が落ちた後でさえも、
「白い服を着ていた人は助かった」
「防空壕に入っていた人は助かった」
と言う点から「新型爆弾恐るるに足らず」と言う結論を出し、新聞にもその論調で「新型爆弾への対処法」が掲載されていたほどです。
放射線の影響も全く認識されていない状況。
日本が降伏を決めたのは、原爆ではなく、1945年8月9日のソ連の参戦でした。
当時、ソ連は中立国でしたが、8月9日にソ連までが対日参戦をしてきたので、日本は万策尽きてお手上げとなり、降伏を決断したのです。
原爆は降伏の決定打にはなっていなかったわけですが、アメリカは「民間人の大虐殺」を行った大罪を正当化する必要があったので、そういうプロパガンダを流したのです。
そして、アメリカ人の多くは、未だにそのプロパガンダを信じ込んでいます。
日本のパールハーバー(真珠湾攻撃)と同列に並べている無知なアメリカ人もいるようですが、「核兵器を利用した民間人の大量虐殺」と比較になろうはずがありません。
(そもそもパールハーバー自体も日本がそうせざるをえないようにアメリカに巧妙に仕向けられたものです)
ナチスによるユダヤ人大量虐殺と全く同じ、人類史上まれに見る
「民間人の大量虐殺」
を行ったのが、2発の原爆なのです。(10万人が56された東京大空襲などもですが)
しかも長崎に2発目の原爆を落とす必然性などどこにもありませんでした。
アメリカは、日本は「皇室の維持」を条件にすれば、降伏する可能性が極めて高いことを理解していたのですが、
前月の7月に東郷外相がソ連に対して降伏の調停をする動きを見せていたので、
そのまま降伏されては、ウランとプルトニウムの2種類の原子爆弾の人体実験を行えなくなることを危惧したわけです。
当時、すでに原爆の実験が行われていましたが、人体に対してどういう影響が出るかと言った事は、科学者も開発者も誰もわからない状況でした。
それを確認するためにも、2種類のタイプの違う原子爆弾を、どうしても落としたかった。(後に想像を超える人体への影響を知って原爆投下を後悔して反省する科学者も多数出ましたが後の祭り)
そこで、日本が自ら降伏する前に、急いで8月初旬に2種類の原爆を落としたのです。
しかも原爆を落とすために天候を確認する気象観測機がエノラゲイ(広島原爆を落とした爆撃機)より先に飛行し、
その気象観測機で一度「空襲が来るかも」と思わせて(実際ここで空襲警報が鳴っていた)、
その後、一旦エノラゲイはわざと広島上空から去り、空襲警報を一度止めさせて、民間人が安心して外に出てきたところで、原爆を落としたのです。
さらに、それに先立って原爆投下目標が広島と決定してからは、B29の原爆で確実に日本の民間人を狙い撃ちするために、B29の単独低空飛行を何度も行い、
「B29は単独飛行なら何もしない」
と思わせ、民間人を油断させる心理作戦まで実行していました。
つまりアメリカは明確に「原爆で日本の民間人を大量殺戮する」という意図を持って、用意周到な作戦を元に実行したのです。
ちなみに、原爆の投下はその前にルーズベルトとイギリスのチャーチル首相が、「密談」で同意していたことも発覚しています。
陰謀論とかではありませんからね。
▼原爆投下でチャーチル英首相が7月1日に最終同意署名 1945年の秘密文書(1/3ページ) – 産経ニュース
https://www.sankei.com/article/20180809-L6MFNGK3GZPSRHO6HZIWPT3ZA4/
また、個人的に以下の記事は非常に参考になりました。
アメリカでは「原爆投下は正当なことだった!」などとアホなことを考えているのは、今や高齢者だけで、
若者の半数は正当ではなかったと認識していて、
さらに専門家や学者のほとんどが、原爆投下には、全く正当性がなかったことが、膨大な歴史的資料や公文書を調べ尽くして、共通認識になりつつあるようです。
ようやく「当たり前の認識」がアメリカでも広まりつつある模様。
▼アメリカの日本への原爆投下は「必要なかった」との考えが増加【フィスコ世界経済・金融シナリオ分析会議】 | ロイター
https://jp.reuters.com/article/idJP00093300_20200821_00620200821
にもかかわらず、被害にあった国の総理大臣は、アメリカの大統領を広島に呼んでいながら、
謝罪もさせないで平気でいられるほどの無能総理っぷりを見事に発揮してくれています。
これについては、京都大学の藤井教授もブチ切れておられます。当たり前。
▼[2023.5.22放送]アメリカ大統領による「謝罪無き」広島訪問で、日本は何を失ったのか?(藤井聡/KBS京都ラジオ)
https://youtu.be/XbxvKdXab0Y?t=517
2016年に安倍総理が初めてアメリカの大統領(当時のオバマ)を広島に呼んだ時も、オバマ大統領は謝罪をしませんでした。
ちなみに、オバマ大統領の広島でのスピーチはこんな感じ。
「71年前の雲一つない晴れた朝、空から死が降ってきて、世界は一変した。
閃光(せんこう)と火の壁が街を破壊した。そして人類が自らを滅ぼす手段を持ったことを明示した。」
「私たちは、戦争の苦しみを経験しました。
共に平和を広め、核兵器のない世界を追求する勇気を持ちましょう」
…は?(゚д゚;)
いや、その前に謝罪が先だろ!!
何を他人事みたいに言っとんねん!!
不当な原爆を落として民間人を大虐殺したのは、お前らや!!
まず謝罪しろ!しないなら帰れ!!!
というのが、正しい日本人の反応です。思想など関係ありません。
自分たちが原爆を「意図的に」「不当に」落として、民間人の大量虐殺をしたにもかかわらず、
その当事者が訪問して、謝罪もしないのに受け入れることが、何を意味するか。
自分のおじいちゃんとおばあちゃんを、強盗殺人で殺した犯人が家に訪問してきて、
一切の謝罪もなく、
「いゃ〜“私たち”ってお互い大変な苦しみを経験しましたね。2度とあんなことがあったらダメっすよね。
あ、これが仏壇ですか?線香あげときますわ」
と言い出したのです。
強盗殺人を犯した張本人が、被害者の遺族に一度の謝罪もなく、他人事のようにそう言った。
こんな訪問に平気でいられる人間というのは、
私に言わせれば、おじいちゃんとおばあちゃんに対する尊厳も愛情もこれっぽっちもない、
人間として最も大切なすべてのものと魂を骨抜きにされたモンスター孫
もしくは、そういう許し難い侮辱をされていることにすら気づけない、想像力の著しく欠如した愚かな人間(のような生き物)
ということになります。ごく普通の感覚かと。
不当な「民間人の大量虐殺」という人類史上空前の大虐殺を行っていながら、一切の謝罪もなく現地訪問し、
その一度も謝罪なき犯罪者を平然と受け入れているということは、
自分たちの祖先が「不当に」大量虐殺されたことを、相手が謝罪もしないままに
「原爆投下は仕方がなかったこと」
「原爆投下によって、アメリカ人の多くが救われた」
という世界中の大勢の学者すら否定している犯罪者側の詭弁(プロパガンダ)を、被害者が国全体として受け入れ、それが日本人の総意です!
と表明したに等しいことになります。
その姿勢を総理大臣が世界に見せたということが、どれほどまでに罪深いことか。
安倍元総理にしろ岸田総理にしろ、自分の政権を維持することしか頭にない世襲政治家には、微塵も理解できないということです。
あるいは理解していながら、日本国民の尊厳と魂を骨抜きにされるより、
「自分自身がアメリカ様に怒られることなく、長く政権を維持して、最高権力を持ち続けるおいしい立場でい続けること」
の方を何より重視している、ということです。
安倍元総理にしろ、岸田総理にしろ、国のトップの立場にありながら、
国民生活を破壊し尽くすばかりでなく、国民の尊厳までも破壊し尽くしている。
2世議員で苦労知らずの人間というのは、どれほどまでに人心を理解・掌握できない無能なボンクラ政治家になるかというのが、本当によくわかります。
つまりは、緊縮財政で過去30年から現在におよぶ国民の生活と人生が破壊され、
間接的に国民の命すら大量に奪われていることも(京都大学レジリエンスユニットの調査で、数十万人が緊縮財政による経済苦で命を奪われたことが判明)
過去の大量虐殺を正当化し、謝罪もしない人間を平気で受け入れて、国民の尊厳と魂を破壊されていることも、
その根っこにあるのは、「同じもの」だということです。
体を張って本気で国民を救う気概のない世襲議員たちが、自分たちの権力と利権を維持するために、
この国に存在する「すべてのもの」を破壊し尽くしてるということ。これがファクトになります。
思想とか政治的立場とか言う話ではなく、ただの客観的事実として、
世襲議員だらけの自民党と(その世襲議員と結託して緊縮財政を主導している)財務省を終わらせなければ、
我々国民とその子孫にとって何より大切なすべてのものを、
この公金と権力を私物化することしか頭にない寄生虫以下の議員と官僚連中に食い尽くされ、
原爆が落ちない時代になっても、
遠くない将来、自ら国が滅ぶということです。
絶望的な気分になりますが、とりあえず気分転換の意味でも、原爆についての理解を深めるためにも、
7年前に私が人生最大にスーパー大絶賛した、以下の超傑作アニメ映画を(未視聴の方は)必ず視聴しておいてください。
その映画は、オタクキングの岡田斗司夫さんが100点満点と評し、辛口映画評論家の宇多丸さんが5000億点と大絶賛、
評論家の古谷経衡氏は
「おそらく100年に1度の傑作。本当に歴史に残るような、もしくは世界遺産になるレベル。本当に絶対観ていただきたい」
アニメーション監督・演出家の山本寛さんは
「これは今年ナンバーワンどころの話ではない、紛れもなくこれは『歴史的偉業』」
作曲家の三枝成彰さんは
「私が今までの人生で観たなかで、もっとも素晴らしいアニメーションである。これまでに自分が『感動』と思っていたものが色あせてしまうほどの驚きで、目を開かせてくれた作品である。」
などなど、各界著名人も一般人も映画評論家もクリエイターも作家も、最上級の大絶賛をしている傑作アニメ映画です。
それが「なぜ大傑作なのか」をかなり詳しく分析した記事になります。
▼ 7年前の中西の記事
今世紀No.1のとんでもなくヤバい映画を観た
私もこれだけ空前絶後に大絶賛していながら、(衝撃が大きすぎて)この7年間で2度目を観ていなかったので、内容もだいぶ忘れている気がします。
生涯見続けるべき映画だと思うので、久々に、Amazonプライムで2度目を観てみようと思います。
それではまた。
※参考:原爆投下にまつわる「俗説」を検証する【広島原爆から76年】古谷経衡