- 2022-6-12
- 経済の話
こんにちは、中西です。
最近参院選に関して様々な情報を読者さんからいただきますが、今日ちょっと興味深い話を聞きました。
結論から言うと、経団連がこれまでの主張を思いっきりひっくり返して、「積極財政」に大転換したようです。
これまで散々法人税の減税と、それとバーターで消費増税を推進し、結果的に日本を貧困化させてきた経団連の人間たちが、ここにきて突然
「中間層を復活させる」
と言う昭和の成功パターン(本来の国家のあるべき姿=経世済民の方向性)に大転換しました。
これはかなり衝撃的な大ニュースだと思います。もちろん朗報として。
しかし同時に財務省にとっては死ぬほど都合が悪い話なので、財務省の飼い犬として自分たちに都合の悪い情報はとことん隠蔽してきたマスコミの皆様が、これをどの程度報道するかは見ものです。
▼参考資料:「中間層復活に向けた 経済財政運営の大転換」
上記のPDFにその全てが書かれていますが、個人的に特に注目すべきだと思うのは12ページから13ページあたりの
「財政破綻論への反論」
という項目です。
この国の命運と我々の人生を左右する非常に重要なページだと思いますので、以下若干長いですが引用します。
————引用ここから—————————–
政府債務残高だけを捉えて議論することは適当ではなく、日本は財政危機とは言えない。
政府が国債を発行して支出すれば必ず同額が資産になるため、債務のみをみることは 誤りだ。
債務残高が政府のバランスシート上負債であっても、その裏側には必ず資産がある。
このため、政府債務残高は「孫子の代へのツケ」ではなく、必ず減らさなければならないものでもない。減らせば民間の資産も減っていく。
財政政策と金融政策は経済活動を活発化させ、物価や雇用をどう安定させるかが重要であり、何が何でも政府債務残高対 GDP 比を下げなければいけない、という議論は間違いである。
日本政府は家計や企業と違って通貨発行権を持ち、自国通貨を発行して債務を返済できる。
ただし、政府が支出を野放図に拡大すると、いずれ需要超過となって高インフレとなる。そうなると、政府はインフレが行き過ぎないようにするために財政支出を抑制しなけ ればならず、中央銀行も金融を引き締めなければならない。
つまり、政府の財政支出の制約となるのは、政府債務残高ではなくインフレ率である。(後略)
————-引用ここまで—————————-
…と言う感じです(゚o゚;;
以前からの読者さんならすぐにお分かりいただけたと思いますが、
このメルマガ(ブログ)で10年も前からずーーっと言い続けてきた事と、何一つ変わらないレベルで完璧に同じ主張がされています。
「昔のメルマガの過去原稿?」と思ってしまいそうなほど、本メルマガで主張してきた話と何もかも、1から100まで、見事に一致しております。
はっきり断言できますが、上記の文章(およびその前後の文章も含め)は、
「財政の真実を完璧に理解していないと、絶対に書けない内容」
なのです。
自分自身が長年このテーマでアウトプットしてきたからわかるのですが、中途半端な理解だとか、一部にあやふやな部分があったりすると絶対に書けない文章です。(引用箇所以外も含め)
なので、
「このレベルのことを、経団連の人間が突然理解して、突然書けるようになるはずがない」
と言う事も私にははっきり分かるのですが、実は突然これほど完璧な大転換の文章を経団連が発表できた背景には、
エコノミストの永濱利廣氏と会田卓司氏
が、裏で暗躍(いい意味で)されていたからのようです。
評論家の三橋さんがおっしゃっていたと読者さんに教えてもらい、調べたところ確かに三橋さんによるとこの2人が経団連に働きかけていたもよう。
それが本当だとすると、上記のお2人はとんでもない大ファインプレーであり、坂本龍馬なみの活躍といっても大げさではないと個人的には思います。
というわけで、ついに経団連までもが公式に
「財政破綻論が間違っていた」
と言う誰も否定できない客観的事実をようやく、本当にようやく、認めるに至りました。
正直言いますと、私自身は嬉しい気持ちより、腹が立つ気持ちの方が大きいです。
散々自分たちの利益のために国民の貧困化を促進しておきながら、何らこれまでの反省の弁もなく、
「このまま日本が貧困化したら、自分たちの企業が儲からなくなる」
という極限のところまで追い詰められて、
突然また自分たちに都合の良い方向にしれっと転換し、たまたま利害が一致したから正しいことを言い出しているのが明らかすぎるのです。だから、私自身は腹が立つ気持ちの方が大きいです。
とは言え、経産省の昨年の大転換と踏まえて、経団連もここまで見事に完璧な認識を持てるようによーーーやくなりましたので(10年待ちましたが)、
ここまで来たら後は日本のガンの本丸中の本丸、財務省を解体させるところまで行きたいものですが、彼らの抵抗は並大抵ではないでしょう。
もはやこれは真実を理解した人間たちと、そうでない人間たちの情報戦争であり、今後は
経産省・経団連・ 一部のまともな政治家・ 一部のまともな国民
VS
財務省・大半の頭の悪い政治家・大半の飼い犬のマスコミ・大半の洗脳された国民
という戦いが繰り広げられることになるでしょう。
どちらが勝たなければならないかは言うまでもありませんが、一国民として情報発信・拡散なり選挙の投票なりで、
少しでもこの歴史的な情報戦争で「正しい側」に貢献していきたいと思います。それこそが本当の意味で
「将来世代にツケを残さない」
と言うことだと私は信じて疑いません。
それではまた。