- 2023-2-26
- 第二領域の話
こんにちは、中西です。
ここしばらくは、
「先延ばしの克服方法」
をテーマにシリーズでお届けしています。
そして前回から、とてつもなく重要な話に入っています。
前回の話は、人生を決定的に左右する
「第二領域」
について、基本的な部分を詳しく解説しました。
この「第二領域の重要性」は、どれだけ強調しても足りない位のものです。
改めて言うと、第二領域というのは、緊急・重要マトリクスの中の1つで、
緊急ではないけど重要なタスク
のことですね。このマトリクスは全部で4つあり、おさらいすると以下の通り。
( 初めて聞いた方は、今ここで次の4つを必ず頭に入れておいてください。必ず、ですよ。)
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【第一領域】緊急かつ重要なタスク
【第二領域】緊急ではないけど重要なタスク
【第三領域】緊急だけど重要ではないタスク
【第四領域】緊急でも重要でもないタスク
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(もし「第二領域」のことがよくわからない方・前回のメルマガをまだ読んでいない方は、必ず前回の話を読んでおいてください。
学生・社会人に関係なく、業界業種・職業にも関係なく、すべての人にとって死ぬほど重要な話なので)
前回までの話を簡単に復習すると、最初にお話ししていたのは、
「先延ばしのベースにある『ネガティブな感情』」
についてでした。 ほとんどの先延ばしに共通するのは、この「ネガティブな感情」です。
ところが、前回お話しした「第二領域」のタスクというのは、その「ネガティブな感情」すらも超越していて、
その感情の有無に関係なく、実行するのは並大抵ではないのです。理由は簡単で、
【 多くの人は、「重要度」が高いタスクより、「緊急度」が高いタスクを優先的にやってしまうから 】
です。マトリクスでいうと、「第一領域」と「第三領域」です。
わかりやすくするために、具体例付きでまとめてみます。
(以下の各領域ごとの「具体例」は、あくまで例です。今現在のあなた自身にとっての4つの領域が必ずありますので、それを考えてみてください。)
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【第一領域】緊急かつ重要なタスク
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→すぐ実行する必要がある「問題・課題のタスク」
例)
今日中に締め切りの仕事
明日提出しないと大変なことになる宿題(課題)
突発的なクレームや問題の対応
壊れたパソコン・スマホの修理
突然の体調不良・病気への対応
危機や災害からの避難
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【第二領域】緊急ではないけど重要なタスク
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→「将来への備え」になる「質の高いタスク」
将来に向けた準備・行動(仕事の改善、読書、運動など)
今後について考える時間
予防やリスクへの対策(PC内部の整備、パスワードの変更、歯の検診など)
勉強や自己啓発(副業や投資や資格など)
豊かな人間関係づくり
家族・友人・恋人らとの交流
好きなことをやる時間
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【第三領域】緊急だけど重要ではないタスク
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→「無意味」だがやる必要がある「見せかけのタスク」
例)
重要ではないメールやLINEの返信
重要ではない今日〆切の提出物・宿題
重要ではない会議・打ち合わせ
突然かかってきた電話の対応
受験とは無関係な授業への出席
強制的な友人知人先輩との会合
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【第四領域】緊急でも重要でもないタスク
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→楽しいだけで何も残らない「無駄なタスク」
例)
暇つぶしのSNSのやりとり
無目的のネットサーフィン
ダラダラとテレビを視聴
嫌なことからの逃避でやるゲーム
友達との無駄話
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・・・こんな感じですね。 そしてこの四つの中で圧倒的に人生を左右するのが、
【 「第二領域」をどれだけ実行できるか 】
という点なのです。
第二領域は「緊急性は低い」けれども、「重要度が高い」タスクですが、多くの人は目の前に、
【 緊急性が高い「第一領域」と「第三領域」のタスクが大量にある 】
という状況になっているため、心理的に取りかかりやすいこの2つの領域にばかり手を出しがちなんですね。
しかも厄介なのは、この2つの領域を処理していると、
なんとなく「仕事(勉強)をした気分になる」
なんとなく「充実した時間を過ごした気分になる」
という特徴があることです。特にこのマトリクスが頭の中にない人は、そうなりがちです。
たしかに「緊急性が高い」タスクを処理したわけですから、心理的にそのような気分になるのはよくわかるのですが、その状況に浸っていると、
「第二領域」を全然実行できていない状況にも気づかないで(あるいは、気付いていても緊急度の高いタスクをやっているので満足してしまい)、 第二領域が放置されていきます。
するとどうなるか。
【 「第二領域」のタスクが、「第一領域」のタスクに変わってしまう 】
のです。
つまり、緊急ではなかった第二領域のタスクが、放置していたせいでヤバいことになり、緊急度が高いタスクに変わってしまうということヽ(;´Д`)ノ
たとえば、学生・受験生なら、何か月も「明日の授業で提出する英語の宿題」(第一領域)ばかりやっていて、基礎的な文法の勉強(第二領域)をやっていなかった。
その状況を半年くらい放置しているうちに、いつのまにか受験が近づいてるのに模試の判定が悪すぎて、
受験直前になって、大慌てで文法の勉強をやり出した。(第二領域から第一領域へ変化)
社会人なら、もう若くなくなってきたから、そろそろ食事と運動にしっかり気を配る(第二領域)必要があると思っていたけど、
忙しさにかまけて、簡単に食べられるジャンクな物ばかり食べて暴飲暴食を続けていたら、
ある日の健康診断で、とんでもない結果が出て、大慌てで毎日の食事と運動を改善せざるを得なくなった(第二領域から第一領域への変化)
あるいは、万が一クビになったときのために、「2つ目の収入源」が必要だと思って、副業するためのリサーチ(第二領域)をしないといけないと思っていた。
ところが、帰宅後は疲れて毎日ダラダラとYouTubeを見てしまい、いつまでたっても副業のリサーチをしなかった。
そうしたところ、突然海外で戦争が始まって、物価高で市場環境が変化し、会社の業績が傾いてリストラにあってしまった。
今は貯金を切り崩しながら、転職をすべきか起業をすべきか検討していて、自分にどんなビジネスができるのか1日中リサーチしている(第二領域から第一領域へ変化)。
・・・例を挙げたらキリがないのでこのへんにしますが、わかりますよね?
第二領域を放置した結果が、状況を悪化させて、緊急性が超絶に高まってしまっているのが。
結果、その人はいつも「第一領域」のタスクばかりとなり、常に「緊急性の高い」タスクばかりやることになります。
そのわりに、人生が一向に良くならないわけです。
なぜでしょうか?もうわかりますよね。
【 緊急性は低いけど、重要性が高いタスク(第二領域)を、いつも放置し続けているから 】
です。
これは仕事でも勉強でも、プライベートでも、すべてのことに当てはまります。
第二領域を放置しているから、状況が悪化しまくって、気づいたらいつも
「緊急性の高いことだらけ」
になっているのです。
この構造をしっかり理解しないで、「先延ばしの克服テクニック」みたいなノウハウだけ検索で調べても、
表面的な対処で終わってしまい、本質的な自分の状況は変わらない可能性が高いです。
では、この負のループにハマった状況を改善するには、一体どうすればいいのでしょうか?
次回に続きます。
To Be Continued