- 2022-12-12
- 受験を突破する生活習慣術, 経済の話
こんにちは、中西です。
冬の在宅ワーク・自宅学習の集中力に大きく影響する暖房などの防寒対策について、電気代のリスクをお話ししてきましたが、
ここにきて「朗報とも取れる」ニュースが飛び込んできました。
昨日、東京電力や関西電力など、大手電力会社10社が、
「来年1月から9月まで電気料金を値下げする」
と発表したのです。
▼来年1月から電気料金下がります 大手電力が発表、政府支援受け
https://news.yahoo.co.jp/articles/dd4d50840ae52df183bcd1d2c0eeaec8af66bd26
念のため、東京電力と関西電力の公式サイトから、本件のリリースを確認してみましたが、報道の通りで間違いないようです。
※参考:12月7日の東京電力のリリース
https://www.tepco.co.jp/ep/notice/pressrelease/2022/1664421_8667.html
※参考: 12月7日の関西電力のリリース
https://www.kepco.co.jp/corporate/pr/2022/pdf/20221207_1j.pdf
このメルマガで何度か話してきた通り、近年の電気料金には
「再生可能エネルギー発展促進賦課金」
「燃料費調整額」
という2種類の料金が含まれていました。
前者の再エネ賦課金は最初は0円からスタートしたのに、ある時から「毎月必ず上がっていく」ようになった恐ろしい料金です。
今回値下げされるのは、再エネ賦課金ではなく、「燃料費調整額」のほうになります。
これはその名の通り、燃料費が高騰したら、それに比例して上がっていく料金です。
大手電力会社では、この料金に上限を設けていたりもしたのですが、今年の異常な燃料費の高騰を受けて、その上限を撤廃したり、
さらに最近では、来年4月からの大幅値上げ(33%から46%)を申請している電力会社も多いです。
今回の値下げは、政府からの支援金をその燃料費調整額に充当することで、利用者の電気料金を値引きする形になります。
とりあえず、最も懸念されていた「燃料費調整額の異常な高騰」をこれで相当抑える事はできると思います。
が、これで諸手を挙げて喜んだり、ここまでやってきた節電対策をやめたりして、油断する事は全くできない状況です。
私が考えるその理由は、以下の通り。
—————————————–
1.今回発表された「燃料費調整額の値引き」は来年1月から9月までだが、大手電力会社が申請している「4月からの電気料金の大幅値上げ」が解消されたわけではない。
2.再生可能エネルギー賦課金は、今後も毎月必ず上がっていく。
3.来年の冬(10月以降)の燃料費は未知数の一方、再エネ賦課金は必ず上がっていくことが確定。今冬からそれを見越して、必要に応じて新しい暖房器具や防寒グッズを買っておく方がトータルのコスパが良くなる。
4.来年は、日本経済が今以上の厳しい不景気に陥る可能性が非常に高い。(国内の緊縮財政に加え、IMFの報告・ブルームバーグ予測・ 逆イールド現象など。令和恐慌になると予測する専門家もいる)
5.そもそも政府は「プライマリーバランス黒字化」を財政運営の基準にしているため、電気代は表向き値下げされても、結局は国民負担(増税)に必ずつながる。
→つまり、今回政府が何か対策したように見えるが、トータルでは国民から別の形で税金を取られるので、根本的には何も解決していない。
—————————————–
…つまり、燃料費調整額を値下げされても、「電気代」は今後値上がりしていくことが確定していますし、
さらに、燃料費調整額だけが表向き値下げしても、トータル別のところで増税されているわけで、根本的には何も解決していないと言うことです。
財務省がよくやる手口で、例えばウクライナ侵攻で「防衛費が必要だ!」と言う機運が高まったタイミングで、それを口実に「防衛増税」を御用学者を利用して実行しようとしていたのと同じです。(「防衛国債」を発行すれば、増税など一切する必要がないにもかかわらず)
と言うわけで、とりあえず燃料費の高騰と連動する「燃料費調整額」については、大手電力会社は値下げしますので、とりあえず
「電気代という形で取られる料金が高騰するリスクは減った」
のですが、緊縮財政を実行している上、根本的には実は何も解決されていないので、
これを朗報と解釈して、これまでやっていた節電対策をやめないことをお勧めします。
私自身も日々暖房器具・防寒グッズの情報収集や実験を続けて毎日のように新たな発見をしているので、引き続き、このメインメルマガや午前中のプチメルマガでシェアしていく予定です。
そもそも今回のような電気代のリスクが一切なかったとしても、長期的に見れば節電・暖房・防寒の知識を増やしておいて、損することは何も無いですからね。
それではまた。