- 2022-10-12
- 経済の話
こんにちは、中西です。
先日、ノーベル賞の受賞者が発表されました。
ノーベル経済学賞は、アメリカの経済学者で元FRB議長(FRB≒日本の日本銀行にあたるアメリカの中央銀行)のベン・バーナンキ氏が受賞したのですが、
バーナンキ氏のノーベル賞受賞は、貧困や物価高で苦しむ今の日本国民にとって、非常に重要な意味を持つ出来事ではないかと個人的には思います。
バーナンキ氏はもともと1930年代の世界大恐慌を研究している研究者だったのですが、その後FRB議長になりました。
彼の有名な主張の1つに
「ヘリコプターマネー」
と言うものがあります。これはわかりやすく伝えるための言葉だと思いますが、
ようはまるでヘリコプターでお金をばらまくように、政府が国民にお金を出すことで、恐慌や不景気などにおいて国民が救われる、と言う考え方です。
もう少し具体的に言うと、政府が国債を発行し、中央銀行がそれを買い取る。こうすることで、金融政策と財政政策の両面から国民生活を救うことができる、と言う考え方です。
また、彼はMMT(現代貨幣理論)でも、主張されている
「キーストロークマネー」
の正しさも認めています。これはその名の通り、
「お金なんて、パソコンのキーボードでカチャカチャ数字を入力すれば、簡単に、一瞬で、いくらでも、生み出せるもの」
と言う、ごく当たり前の客観的事実(実際に世界中の銀行で普通に行われているオペレーション)を、端的に表現した言葉です。
多くの人が勘違いしてるのが、例えば、銀行が国民にお金を貸し出す時に、
「他の人が銀行に預けているお金を、銀行がちゃんと保管していて、そのお金を別の人に貸し出している」
…などと考えていることです。
そんな事実は存在しません。さすがに銀行員は理解してるでしょうが、一般人の大半は、
「銀行は預金などで集めたお金を、企業や個人に貸し出している」
なんて思い込んでいるわけです。
銀行がお金を貸し出すときは、単に貸し出す個人の預金通帳に、キーボードで貸し出す金額の数字を入力するだけ。
これは昔から世界中で行われているので、昔は「万年筆マネー」と呼ばれていました。貸し出す人の通帳に銀行員が万年筆で金額を書いていたので。現代はパソコンですから、キーストロークマネー(キーボードマネー)。
日本の日銀にあたるFRB議長も、当たり前の事実してこの「キーボードマネー」で、中央銀行も、民間銀行もお金を作り出していることを認めています。繰り返しますが、当たり前の普通の事実なのです。
MMTは実際に銀行で行われている、このごく普通の当たり前の事実を説明しているに過ぎません。
ところが、自分たちの権力維持のために、ずっと昔から増税する事に命をかけている財務省からすると、こういう話は非常に都合が悪いわけです。
なぜなら、国債発行で(インフレ率のみ注意して)お金を実質的にいくらでも作り出せるなら、増税する必要がないことが国民にばれてしまうからです。
上記の間違いと同様に、国民の大半が
「政府が税金を徴収し、その集まった税金を国民のために使っている」
みたいに思い込んでいます。
つまり、税金をとらなければ、政府にお金が集まらないと思い込んでいる。また財務省は国民にそう思い込ませることで、
「増税しなければ財源が足りない」
というありもしない理由を信じ込ませることができる。
ところが「ヘリコプターマネー」「キーストロークマネー」なんていう真実が広く知れ渡ってしまうと都合が悪すぎるわけです。
そこで、財務省は日本経済新聞などの飼い犬のメディアを通して、長年バーナンキ氏の理論を批判したり揶揄しまくっていました。
嘉悦大学教授の高橋洋一先生がおっしゃっていましたが、「日経新聞は、過去のそういう経緯があるので、今回のバーナンキ氏のノーベル賞受賞を報道しないのではないか」との事でした。
そこで私の方でも調べてみたところ、2日前と1日前に、日経新聞は、バーナンキ氏のノーベル賞受賞を報道していましたが(さすがに経済学賞を報道しないわけにはいかなかったのでしょう)、相変わらず否定的な記事に仕上げていました。
今回のバーナンキ氏のノーベル賞受賞の重要なポイントは、その「受賞理由」が、彼が1930年代の恐慌の研究から「ヘリコプターマネー」「キーストロークマネー」の考え方をベースに、
FRB議長として2008年の絶望的なリーマンショックからアメリカを救い、
さらに、その彼の理論をもとに、2020年のコロナで大不況に陥りかけたアメリカが再び救われたからです。
つまり、端的に言えば
「実際に大恐慌の危機から、2度も国民を救った理論だから」
というのが今回の受賞理由なのです。高橋先生によると、ノーベル経済学賞で、こういう実利的な面で評価されるのは珍しいとのことでした。
ちなみに、高橋先生はバーナンキ氏と20年以上前から交流があるようで、彼は昔から常々
「実際に国民生活に役立たない、学問のための経済学など意味がない」
と言う趣旨の話をよくしていたとか。個人的にはすばらしいと思います。まさに本物の学者。
自分のポジション(社会的地位)を守るために財務省の飼い犬となり、完璧に論破されているありもしない「財政破綻論の嘘」をいまだに撒き散らしている、東大・慶応大の御用学者のクズ連中や、
いまだにMMTを揶揄して「日銀の債務超過で財政破綻する」などといって嘘を撒き散らしている某買春政治家に(日銀は時価会計のため物理的に債務超過にはなりえません。黒田日銀総裁すら日銀の債務超過や、それによる信用失墜はありえないことを認めています。)、
このバーナンキ氏の爪の垢を煎じて飲め!と言いたくなります。
こういった連中は、どれだけ自分の間違いが明らかになっても、これまで同様にゴールポストを何度もずらし、「ハイパーインフレ」「日銀の債務超過」など事実無根の屁理屈をこね回し、絶対に謝罪しないのでしょうけど。
こういった御用メディアやエセ言論人・学者・政治家たちが撒き散らした嘘によって、
われわれ日本国民は貧困化させられ、今後も増税に次ぐ増税で、政府が国民からお金を収奪する、地獄のような衰退国家の中で生きていくことを余儀なくされるのです。
というわけで、財務省や日経新聞や飼い犬の御用学者ら財政破綻論者たちが極度に嫌う
「ヘリコプターマネー」
「キーストロークマネー」
の正しさを長年主張し、
実際にFRB議長として(またその理論で)アメリカを恐慌の危機から2度も救ったバーナンキ氏が、それを理由にノーベル経済学賞を受賞したことは、
今後、日本から「財政破綻論者たちの大嘘」を国内から駆逐していくプロセスにおいて、極めて重要な意味を持つと思うのです。
それではまた。